
◆明治安田J1第5節 福岡2-1湘南(19日、ベスト電器スタジアム)
【メモ帳から】
やはりそういう星の下に生まれているのだろう。後半ロスタイムの2ゴールで逆転勝ち。最後に“おいしいところ”を持っていったのは、アビスパのエース山岸だった。
「子どもたちが憧れ、プロになりたいと思うような選手になりたい」といつもこう話す。プロになるきっかけをつくったのは札幌などでプレーした叔父の小松崎保さん(金沢星稜大サッカー部監督)の存在。山岸少年は、小松崎さんの現役時代、試合の帰りに車に乗せてもらったことがある。「その車が大きくてかっこよくて。『僕、サッカー選手になる』って初めて夢を口にしました」
だから山岸はJ2群馬に加入したプロ1年目から車にこだわる。「給料に見合ってなかったですけど、無理をして。新人がベンツの左ハンドル…。自分が(プロに憧れを持ってもらうために)『乗る』と決めていたから。たぶん周りは調子に乗っていると思ったでしょうね」と笑う。
「(憧れる)きっかけは何でもいいと思うんですよ。自分みたいに車でも、髪形でも、プレーでも」。劇的2発でヒーローになった山岸。もちろん、福岡の子どもたちはそのプレーに目を輝かせている。(向吉三郎)
西日本スポーツ