
写真:Getty Images
日本では年俸1億円を超えるスポーツ選手に憧れが抱かれる。サッカー界でも同様だが、世界に目を向けるとその額は桁違い。パリ・サンジェルマンに所属するフランス代表FWキリアン・エムバペが、2022年の長者番付で約186億円の収入と発表された。ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドは、史上最高額約290億円の年俸でサウジアラビアのアル・ナスルと契約したことが話題になった。
日本も報酬面で世界基準を目指していかなければ、サッカーを始めとするスポーツ界はなかなか盛り上がらないのではないだろうか。ここでは、世界と日本のスポーツ選手の最新高額年収ランキングを比較し、また今後サッカー界で世界との差を縮めてくれそうな5人の日本人選手を紹介していく。

アル・ナスル FWクリスティアーノ・ロナウド 写真:Getty Images
桁違い!世界のスポーツ選手年収トップ50
一般的にプロスポーツ選手の年収は、本業の競技でクラブなどと契約する年俸(フィールド内収入)と、CM出演など本業以外の仕事で得る収入(フィールド外収入)2種類の合計額となる。
下記は、アメリカの経済雑誌『フォーブス』が発表した2023年度のプロスポーツ選手の年収トップ50だ(集計期間:2022年5月1日~2023年5月1日/1ドル135円で換算)
クリスティアーノ・ロナウド(サッカー)約183.6億円
リオネル・メッシ(サッカー) 約175.5億円
キリアン・エムバペ(サッカー) 約162億円
レブロン・ジェームズ(バスケットボール)約161.3億円
サウル・アルバレス(ボクシング)約148.5億円
ダスティン・ジョンソン(ゴルフ)約144.5億円
フィル・ミケルソン(ゴルフ)約143.1億円
ステフィン・カリー(バスケットボール)約135.5億円
ロジャー・フェデラー(テニス)約129.6億円
ケビン・デュラント(バスケットボール)約120.3億円
ヤニス・アデトクンボ(バスケットボール)約118.3億円
ネイマール(サッカー)約114.8億円
ラッセル・ウィルソン(アメリカンフットボール)約114.8億円
ラッセル・ウェストブルック(バスケットボール)約110.8億円
ローリー・マキロイ(ゴルフ)約109.1億円
タイガー・ウッズ(ゴルフ)約101.4億円
キャメロン・スミス(ゴルフ)約98.6億円
ブルックス・ケプカ(ゴルフ)約97.2億円
カイラー・マレー(アメリカンフットボール)約95.2億円
ブライソン・デシャンボー(ゴルフ)約93.2億円
ルイス・ハミルトン(自動車レース)約87.8億円
マックス・フェルスタッペン(自動車レース)約86.4億円
クレイ・トンプソン(バスケットボール)約82.2億円
パトリック・マホームズ(アメリカンフットボール)約80.1億円
デイミアン・リラード(バスケットボール)約79.1億円
マックス・シャーザー(野球)約76.5億円
ジェームズ・ハーデン(バスケットボール)約74.4億円
アンソニー・ジョシュア(ボクシング)約71.6億円
ジョン・ラーム(ゴルフ) 約71.6億円
アーロン・ロジャース(アメリカンフットボール)約71.6億円
モハメド・サラー(サッカー)約71.6億円
アーリング・ハーランド(サッカー)約70.2億円
パトリック・リード(ゴルフ)約70.2億円
ポール・ジョージ(バスケットボール)約69.5億円
カワイ・レナード(バスケットボール)約68.2億円
ブラッドリー・ビール(バスケットボール)約67.2億円
デレック・カー(アメリカンフットボール)約66.0億円
オーランド・ブラウン・ジュニア (アメリカンフットボール)約66.8億円
アーロン・ドナルド(アメリカンフットボール)約65.5億円
アンソニー・デイビス(バスケットボール)約64.8億円
ジミー・バトラー(バスケットボール)約64.5億円
ジョン・ウォール(バスケットボール)約64.5億円
ジョーダン・スピース(ゴルフ)約64.1億円
ルカ・ドンチッチ(バスケットボール)約63.7億円
スコッティ・シェフラー(ゴルフ)約63.6億円
セルヒオ・ガルシア(ゴルフ)約62.1億円
ダック・プレスコット(アメリカンフットボール)約62.1億円
デショーン・ワトソン(アメリカンフットボール)約61.8億円
セリーナ・ウィリアムズ(テニス)約61.2億円
トム・ブレイディ(アメリカンフットボール)約61.0億円
50人の合計は約4,403.8億円(フィールド内収入約2944.5億円、フィールド外収入約1459.4億円)となり、途方もなく大きい金額となっている。また前年トップ50入りを果たした唯一の日本人選手、大坂なおみ(テニス)はランク外となった。

パリ・サンジェルマン FWリオネル・メッシ 写真:Getty Images
サッカーは4位!スポーツ別年俸ランキング
次に、2023年度のスポーツ別の年俸(フィールド内収入)ランキングを見てみよう(集計期間:2022年5月1日~2023年5月1日/1ドル135円で換算)
順位:スポーツジャンル/年俸合計(前項年収トップ50にランクインした人数)
バスケットボール/約853.1億円(12人)
ゴルフ/約610.9億円(12人)
アメリカンフットボール/約592.2億円(10人)
サッカー/約453.6億円(6人)
ボクシング/約202.5億円(2人)
カーレーサー/約155.3億円(2人)
野球/約75.2億円(1人)
テニス/約1.8億円(2人)
個人の世界年収トップ3はサッカー選手だが、スポーツ別でサッカーは全競技中4位。年収トップ50入りしているのはプレミアリーグやリーグ・アンなど欧州5大リーグの6選手と数が少ない。また、前述のクリスティアーノ・ロナウドがアル・ナスルと約290億円の年俸で契約したのが2023年であり、これを含めた次年度発表のランキング変化は見ものである。

アイントラハト・フランクフルト MF長谷部誠 写真:Getty Images
まだまだ厚い世界の壁!日本人スポーツ選手年収トップ20
日本人プロスポーツ選手の年収ランキングは、前年情報が最新となり単純比較はできないが、参考までに2022年度のトップ20を見てみよう(集計期間:2021年5月1日~2022年5月1日/1ドル135円で換算)
大坂 なおみ(テニス)約70.8億円
大谷 翔平(野球)約34億円
錦織 圭(テニス)約32億円
ダルビッシュ 有(野球) 約23.4億円
鈴木 誠也(野球) 約21.5億円
菊池 雄星(野球)約19.7億円
八村 塁(バスケットボール)約16億円
澤村 拓一(野球)約14億7600万円
秋山 翔吾(野球)約9億8400万円
田中 将大(野球)約9億円
羽生 結弦(フィギュアスケート)約7億円
柳田 悠岐(野球)約6億2000万円
松山 英樹(ゴルフ)約6億1052万円
長谷部 誠(サッカー)約6億円
南野 拓実(サッカー)約6億円
千賀 滉大(野球)約6億円
菅野 智之(野球)約6億円
坂本 勇人(野球)約6億円
浅村 栄斗(野球)約5億円
山田 哲人(野球)約5億円
前年1位の大坂なおみは世界でも15位にランクイン。最新2023年度版では日本人選手の世界トップ50入りはなく、これよりも低いことが予想される。サッカー選手では、ドイツのブンデスリーガで活躍中のMF長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト所属)とフランスのリーグ・アンにて活躍中のFW南野拓実(ASモナコ所属)の2選手がランクインしていたが、世界との差は大きい。
では、今後海外との差を縮めることが期待される5人の日本人サッカー選手に着目していこう。

アイントラハト・フランクフルト MF鎌田大地 写真:Getty Images
年俸急上昇が期待される日本人サッカー選手5名
海外との差を縮めるためには、サッカー選手であれば欧州トップリーグでの活躍が必須である。ドイツ『Transfermarkt』を参考に、市場価値が上がっている日本人サッカー選手トップ5を紹介しよう。
鎌田大地:推定年俸約3億円
所属クラブ:アイントラハト・フランクフルト(ドイツ/ブンデスリーガ)
ポジション:MF
市場価値:約45億円
2021/22シーズン、フランクフルトをUEFAヨーロッパリーグ(EL)優勝に導いたことが記憶に新しい鎌田。どの環境にいても自分の信念を貫き堂々とプレーすることが持ち味の選手である。2019年から連続選出されている日本代表でも安定の活躍を見せている。2022/23シーズンでフランクフルトを退団する鎌田は、イタリアの名門ミランへの移籍が噂されており、セリエAでの活躍次第で大きく年俸が上がることが予想される。

アーセナル DF冨安健洋 写真:Getty Images
冨安健洋:推定年俸約5億円
所属クラブ:アーセナル(イングランド/プレミアリーグ)
ポジション:DF
市場価値:約37億円
世界最高峰と言われるプレミアリーグで、名門アーセナルに所属しディフェンスラインの要へと成長している冨安。DFベン・ホワイトと右サイドのレギュラー争いを過熱させている。怪我に悩まされることも多いが、ミケル・アルテタ監督のチーム構想には間違いなく入っているはずだ。まだ24歳と若く、今後の活躍で年俸が何倍にも跳ね上がる可能性を秘めている。

ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン MF三笘薫 写真:Getty Images
三笘薫:推定年俸約2億円
所属クラブ:ブライトン・アンド・ホーブ・アルビオン(イングランド/プレミアリーグ)
ポジション:MF
市場価値:約33億円
2022年のFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会では日本代表として大活躍を見せ、その後もプレミアリーグで着実にステップアップし結果を残している三笘。2023/24シーズンの年俸は7億円を超えると予想され、今後はビッグクラブへ移籍の可能性も大きい。

U-20日本代表 MF松木玖生 写真:Getty Images
松木玖生:推定年俸約2,000万円
所属クラブ:FC東京(日本/Jリーグ)
ポジション:MF
市場価値:約1億円
名門青森山田高校在学時、リーグ・アンに所属するオリンピック・リヨンの練習に参加したことで、世界クラスのルーキーとして海外から注目を集めた松木。日本でのキャリアを積むためFC東京に入団したが、世界への挑戦を常に発信し続けている。Jリーグで想像以上の活躍を見せているほか、2023年のU-20W杯日本代表ではキャプテンを務め、アルゼンチン戦でも得点を決めた。若干20歳でありながら、結果も実力も申し分なし。今後世界のトップリーグへ挑戦した場合、日本人選手として誰よりも高額な年俸を獲得する可能性が期待される。

レアル・マドリード・カスティージャ MF中井卓大 写真:Getty Images
中井卓大:推定年俸約2,000万円
所属クラブ:レアル・マドリード・カスティージャ(スペイン)
ポジション:MF
市場価値:(※トップチーム所属でないため未発表)
日本人で初めてレアル・マドリードのカンテラ(育成組織)に合格した19歳の若きスター中井。現在はマドリードのリザーブチームであるカスティージャでプレーしている。2024年のパリ五輪への招集も期待され、マドリードのトップチームで出場できれば高額な年俸も夢ではない。