中国の研究者、遺伝子変異ががん細胞の代謝異常を誘発する仕組みを解明

中国の研究者、遺伝子変異ががん細胞の代謝異常を誘発する仕組みを解明

  • 新華社通信
  • 更新日:2022/09/23
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中国の研究者、遺伝子変異ががん細胞の代謝異常を誘発する仕組みを解明

20日、薬物による抑制効果について説明する論文筆頭著者の劉芳銘(りゅう・ほうめい)氏(右)と張宏氷教授。(北京=新華社配信)

【新華社北京9月23日】中国医学科学院北京協和医学院の張宏氷(ちょう・こうひょう)教授率いるチームがこのほど、上海交通大学医学院付属上海児童医学センターの鄭亮(てい・りょう)研究員率いるチームと共同で、がん細胞の代謝異常の影響とメカニズムを解明し、肝臓がんの精密治療に新たな希望をもたらした。研究成果は学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された。

肝臓は人体の主要な代謝器官で、がん原遺伝子やがん抑制遺伝子の発がん突然変異は、細胞増殖や腫瘍の増大が無限に起こるよう、より多くの栄養や成長を求めて代謝を変化させる。カテニンベータ1(CTNNB1)遺伝子は、小児に最も一般的な肝臓がん(肝芽腫または成人型肝がん)の肝細胞がんにおいて突然変異の頻度が最も高いがん原遺伝子で、腫瘍タンパク質53(TP53)遺伝子は、肝臓がんにおいて最も突然変異がよく起こるがん抑制遺伝子とされる。研究チームは、CTNNB1の機能獲得性突然変異が肝臓がんの発症に及ぼす影響と病理メカニズムを調査し、突然変異により活性化したCTNNB1が肝臓がんの発症を誘発するだけでなく、TP53の欠失やB型肝炎ウイルス感染が仲介する肝臓がんの進行を加速させることを発見した。

また、活性化されたCTNNB1がセリン/スレオニンキナーゼ2(RIPK2)を上方制御することで、DNA合成に用いられるピリミジンヌクレオチドをより多く生成するよう刺激し、肝臓がんの発症・進行を促すことを解明した。CTNNB1、RIPK2、ピリミジン合成酵素が拮抗する小分子阻害剤により、CTNNB1の活性化・突然変異によって発症した肝臓がんの特異的な治療が可能となる。そのため、CTNNB1、RIPK2とピリミジン合成阻害剤は、発がん性CTNNB1に関連するがんの新たな治療法となることが見込まれる。

張氏は、将来的には遺伝子配列の解明により、突然変異したCTNNB1遺伝子を持つ患者を選び出し、安全で効果的な標的治療を行うことが期待されると説明。肝臓がん患者にとって有益なだけでなく、他の器官に同様の突然変異遺伝子を持つがん患者にとっても、「異病同治」の効果をもたらす可能性があると語った。

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