新居浜市の新生児遺棄事件は発生から1年5カ月が経ち、松山地裁で19日に初公判が開かれました。検察が明らかにしたのは赤ちゃんが浮気相手の子供で、動機は浮気がばれるため。取材にあたった得丸記者と今回の裁判のポイントを整理します。
得丸淳弘記者:
現場の竹林は立野被告の自宅の目の前にあるんですが、当時遺体はバスタオルで覆われ竹林の中の深さ30センチ幅40センチの水路で見つかりました。初公判で検察は立野被告がこの竹林の中で赤ちゃんを出産し、そのまま放置したことを初めて明らかにしました。司法解剖の結果、赤ちゃんは生まれてから半日から1日ほどで死亡したとしていますが、死因については特定できませんでした。
鈴木瑠梨キャスター:
自分が産んだ赤ちゃんを放置して殺害したとされる立野被告ですが、なぜ、このような凶行に及んだのか、その理由は明らかにされたんでしょうか。
得丸記者:
検察は死亡した赤ちゃんが立野被告と当時、交際していた男性との間に出来た子供ではないことを明らかにし、そのことがばれないように犯行を決意したと説明しました。被告はそれまでにも、マッチングアプリで知り合った複数の男性と性的な関係になっていたとしています。2018年にも妊娠し別の赤ちゃんを自宅のトイレで産み落としたこともあったということです。
鈴木キャスター:
では今後の裁判では何が争点になるのでしょうか。
得丸記者:
起訴内容に争いはないため争点は「量刑」刑の重さになります。検察は強固な殺意に基づいた危険性の高い犯行とし厳しい求刑も予想されます。これに対し弁護側は立野被告に軽い知的障害があることを主張。「後先を考えた行動」や「困りごとを人に相談すること」ができないとし、考慮するよう求めています。立野被告は今回の裁判中にも質問の意図を理解できず、聞き返したり無言で立ちすくんだりした場面が度々見られました。
20日は、立野被告への被告人質問や精神科医らを呼んで証人尋問が行われる予定です。