「マンボウの暮らす特設水槽の岩場にヒトデが2匹・・・」という文言とともにツイートされた、人間味溢れるヒトデの写真(5月21日投稿)が話題に。「#写真で一言」というタグが付けられていたこともあり、「ファイトー!いっぱぁーつ!」「アカン・・・腕抜けへん・・・」といった大喜利のリプも投稿されている。

「完全に人が入ってる」と話題になった「海遊館」(大阪市港区)のヒトデ
このヒトデたち、どういう状況なんだろう? 撮影とツイートをした大阪の水族館「海遊館」(大阪市港区)の広報・松村将太さんに話を訊きました。
■ じわじわゆっくり移動しているヒトデたち
──人間みたいなヒトデの姿が可愛いな、と思わずニヤッとしてしまいました。この写真を撮影したときの状況を教えてください。
こちらはマンボウが暮らす特設水槽のなかで暮らしているヒトデなのですが、水槽内にある擬岩(ぎがん)の表面にくっついている様子です。この姿は特殊な状況ではなく、実は日常的に見られる光景なのですが、この姿をみなさんはどのようにご覧になるかな、と思って投稿してみました。
マンボウの暮らす特設水槽の岩場にヒトデが2匹… #写真で一言 pic.twitter.com/AbwezC9Za7
— 大阪・海遊館 (@Osaka_Kaiyukan)
May 21, 2023
from Twitter
──ヒトデの日常の姿なのですね。普段から岩にいることが多いのでしょうか?
はい。ヒトデは海底で生活する海底生物に分類され、普段から水槽の底や擬岩、さらには水槽の壁にくっついている様子が多く見られます。
──意外といろんなところに移動しているのですね。ヒトデをじっくり観察したことがないのですが、あまり動く印象がありませんでした。
そうなんです。みなさんが写真で見たヒトデのちょうど裏側には管足(かんそく)と呼ばれる足がたくさんついています。これをペタペタ動かしながら、じわじわゆっくりと移動しています。アクリル板にくっついているときには管足を観察できますよ!
──ちなみに写真に写っていたヒトデは、それぞれ違う種類なのでしょうか?
はい。右がレザースター、左がバットスターという種類のヒトデです。どちらも北アメリカの西海岸に生息しており、日本では生息していない種類です。ぜひ観察しに足を運んでもらえたらと思います。

5月31日まで、「ジンベエのぼり」が空を舞っている「海遊館」(大阪市港区)
──観察するときのポイントはありますか? SNSでは「崖登りしてる人みたい」「右の子、パトリック・スター(アニメ『スポンジ・ボブ』のヒトデのキャラクター)にしか見えないw」など話題になってました。
そういった感じで、人やキャラクターなど、見る人によって異なる見え方があると思います。ヒトデが普段通りの生活をしている何気ない様子を、みなさんの自由な視点で観察してもらえたらと思います。
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ヒトデのレザースターとバットスターが見られるのは、「海遊館」のマンボウの特設水槽内。開館時間は朝10時〜夜8時(季節により変動、最終入館は閉館の1時間前)。入場料は高校生・16歳以上2700円、小中学生1400円、3歳以上700円。
取材・文/野村真帆
「海遊館」
住所:大阪市港区海岸通1-1-10
電話:06-6576-5501(海遊館インフォメーション)