ついにクラスター発生...治療どころか暴力が振るわれた「入管の酷すぎる実態」

ついにクラスター発生...治療どころか暴力が振るわれた「入管の酷すぎる実態」

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/04/07
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昨年8月、東京都港区にある出入国在留管理庁(入管)の中にある外国人専用収容施設で、イラン人男性ジャファリさんが、新型コロナウィルスに感染してしまった。収容施設内でコロナになったのは彼1人で、原因は発表されていない。

ジャファリさんは、職員に「面会者にうつされたのだろう」と言われた。しかし当時、彼の面会をしていた支援者は3人ほどいたが、誰もコロナに感染していない。

面会室はアクリル板で仕切られ、その下にあるいくつもの声を通す穴はコロナ対策のためテープでびっちり張られているため、面会者から感染することはまずありえないだろう。

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面会室の様子(出入国在留管理庁公式サイトより)

その後、ジャファリさんは4度目の検査の末、やっと陰性が確認された。しかし汚れた独居房に隔離され、自分で掃除しろとまで言われ、治療らしきものはほとんど受けていなかった。

この件に関して、入管にかかわる弁護士や支援者たちは、もう二度とコロナを起こさないために、できるだけ解放できる人は仮放免を出してほしいと訴え続けていた。

ついにクラスター発生…

しかし、ついに今年に入り、新型コロナウィルスのクラスターが発生してしまった。

入管が2月16日、クラスター発生の告知と共に、家族や収容者などの面会を急遽、禁止した。3月29日まで面会ができず被収容者は公衆電話を使い、家族や支援者に連絡を取るしかなくなってしまった。クラスターは瞬く間に広まり、最大時は3月3日時点で職員6名、男性被収容者105名中58名となる。

同じ建物にいながら感染しなかった女性被収容者25名は3月3日に解放ではなく、横浜市金沢区にある横浜入管に全員連れて行かれることとなった。

1日前に移送を告げられ、突然のことに理解がついていかず、激しく怒り出す人やパニックを起こす人もいた。女性たちは2人ずつ、嫌々手錠でつながれ、順番に車に乗せられ連れて行かれた。

不幸中の幸いと言うべきなのか、横浜入管では面会が可能だった。だが家族の住む家からははるかに遠くなってしまう人もいるため、結局、身内が面会に来られなくなり困り果てる人もいる。

支援者や弁護士は以前より、コロナ対策をきちんとするように入管に訴えかけていたが、このような結果になってしまった。それでも入管側は「マニュアルに沿ってきちんと対応している」と去年から同じ回答を繰り返すのみだった。

被収容者たちも、自分たちがどこかへ遊びに行ったり、宴会などをしてコロナになってしまったのなら仕方がないとある程度、割り切ることもできるかもしれない。しかし自由のない収容施設で外の世界から一切、隔絶されていただけなのだ。

「入管のせいでコロナにされた!」と強い憤りを見せるが、職員たちは「あなたたちがしっかりマスクをしないからだ」と責任転嫁した。

「心の痛みはずっと消えない」

ジャファリさんは夜中の1時に2度目の陽性を告げられ、今すぐ独居房に行くように言われた。入管に対する不信感も募り、夜中の移動ということで拒否をした。

「朝になったら、自分で行く」と答えた。すると突然、上司が指示を出し、殴る蹴るの暴力を振るわれ部屋から引きずり出された。

それを目撃していた被収容者が、指示をだした職員に、「なにもあそこまでやることはないじゃないですか。丁寧に説得すれば済む話ではないのですか?」と問いかけた。それに対し職員は、「そうですね、でも暴力は振るっていませんよ」と答えた。

それ以来、ジャファリさんはずっと体の痛みに苦しんでいる。2度もコロナにさせられた上に、この酷い仕打ちに、「心の痛みはずっと消えない」と語っている。

被収容者の誰もが、コロナ対応のずさんさに苦しめられている。

イラン人Aさんは、同室の人が陽性になったことで独居房に連れて行かれた。残されたAさんは、部屋を消毒してほしいと職員に頼んだが、拒否された。その後、Aさんもコロナに感染してしまった。

「陽性になっても治療をしてもらえない。エナジードリンクのペットボトルを1日2本もらえるだけ。病院に行きたいと頼んでも、医者の問診が電話のみ。相手の顔や様子を見ないで一体何がわかるのだろうか?」

Aさんはのちに陰性と診断されたが、「コロナは、今まで味わったことのない苦しみだった」と言っていた。

「自分たちもいつ死ぬのかわからない」

中東出身のBさんの証言によると、同じブロックの人が40度以上の熱を出して、独居房に入れられたが、なんの治療もされていないようだ。ただ毛布に包まって寝ているだけで、あれでは死んでいても誰もわからない。自分は陰性だったが、陰性者には水のペットボトルを1日1本、それが1週間続いただけだった。

日頃の収容のストレスに加え、コロナ感染したことには怒りを抑えることは到底できない。我慢の限界を超えた被収容者たちは、日々、叫び声を上げ続け、窓を力いっぱい叩き、ポットなどの備品を壊すなど暴れる人が相次いだ。

最初は職員も暴力的に制圧していたそうだが、次第に放置をしていくようになっていった。自分たちも、感染しないためだろうと被収容者に思われている。

スリランカ男性のジャヤンタさんも陽性のため、38度以上の熱が続いた。

このクラスターで職員たちもイラつきを隠せない様子だが、「若い職員はまだいいです。でも上の人たちは言葉遣いが酷いし、暴力的で意地悪です」。
コロナなのに、食事がまったく改善されず毎日、コロッケが出ます。熱があってすごく喉が痛いのに、コロッケの衣が痛い。まるでガラスを食べているようです。職員に食べられないと伝えると、「弁当くらい自分で買え」と言われました。しかし、ここで自分で買える食料はお菓子ばかりで、弁当なんてありません。
次第に職員たちは見まわるのが嫌みたいで、監視カメラをつけるようになりました。動くたびにカメラのレンズもこちらに向かいます。いくら男性とはいえ、1日中監視されていて、プライバシーもない。止めてほしいと言っても拒否されるだけです。病院にもいくら行きたいと言っても連れて行ってもらえない。苦しくて職員を呼んでも1時間、放置されたこともあった。
(3月6日に)名古屋入管で死んだスリランカ人の女の子も、こうやって死んでいったのかなと思うと涙が出てきます。かわいそうです。自分たちもいつ死ぬのかわからない。辛いと言えば、「じゃあ、どうしたらいいんですか」と冷たい返事が返ってくる。クラスターになったのはあなたたちのせいだとも言われた。

外国人には何をしてもいいのか

3月24日現在、入管発表によると陽性区域にいるのは3名。職員は全員完治しているとのこと。

その3名の中にジャヤンタさんも含まれている、結果としては少なくなったが、入管はみんなに、ろくな治療もせず隔離して放置しただけだった。

いくら治ろうとも後遺症の残る人はいるだろうし、クラスターを起こしたことに一切の責任を取っていない。被収容者たちを人間扱いせず、ただ苦しめただけなのだ。たまたま死亡者が出なかっただけで、いつ誰が亡くなってもおかしくなかった。

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〔PHOTO〕iStock

東京入管で3年局長を務めた福山宏氏は、この問題に対して責任を取ることもなく3月31日をもって他の人物と局長交代をして入管を後にしている。ここまで被収容者たちの恨みを残した局長も過去いないことだろう。

日本人なら大問題のはずなのに、外国人には何をしても問題にならないのは、いったいなぜなのだろうか。

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