腸活の新常識は「食べ合わせ」 トマトとパスタ、牛乳とコーヒーなぜNG?

腸活の新常識は「食べ合わせ」 トマトとパスタ、牛乳とコーヒーなぜNG?

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  • 更新日:2021/06/10
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AERA 2021年6月14日号より

常におなかがスッキリしない、ゴロゴロする、張って苦しい……。コロナ禍以降、さらに増えた腸の悩みを一気に解決しよう!食事の組み合わせと時間に気をつけるだけで劇的に改善する、話題の腸活法とは? AERA 2021年6月14日号は「腸活」を特集。

【腸活におすすめの組み合わせはこちら】

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新型コロナによる自粛生活でストレスを感じ、排便の状態が変わった人のうち、回数が減った人は56%、便秘になった人は43.3%。70万ダウンロードの排便記録アプリ「ウンログ」が3千人に聞いた結果だ。テレワークで運動不足になったせいか、毎朝スッキリしなくなった。ステイホームで運動量が減少→太ってダイエット→炭水化物を減らしたらお通じがイマイチ。鬱々とした生活のストレスから時折おなかが痛くなる……。

腸の調子が悪いと肥満や肌荒れの原因に。栄養の吸収も悪くなる。免疫力も低下するので、コロナ禍ではますますよくない。今すぐ解決したい。

そんな中、イタリア在住のフランク・ラポルト=アダムスキーさんという自然療法士が提案する全く新しい腸活メソッドが話題になっている。『腸がすべて』(東洋経済新報社)で和訳されているが、ポイントは二つ。

●腸の不調は、消化スピードや腸での滞在時間に違いがある食材をいっしょに食べてしまうことが原因

●消化の速い食材と、消化の遅い食材をきっちり分けて食べることが腸内の汚れを浄化し、弱った腸を活性化させる

同書を監修した澤田幸男医師に、日本人ならではの腸活メソッドも含めて取材した。

「腸活というと従来は乳酸菌や食物繊維をたくさん摂取して、腸内細菌叢(=そう、フローラ)の状態を良くしよう、というものが大半でした。それ自体は否定しませんが、アダムスキー式が画期的といえるのは、食材の消化スピードに注目した点です。アダムスキーさんは25年かけて、食材の摂取から排便までのスピードを実際に測定しています。そして食品を、消化の速さの違いで『ファスト』『スロー』『ニュートラル』の三つに分類。ファストの食材はファスト同士、スローの食材はスロー同士で組み合わせて食べればいいだけという論です。誰にでも実践しやすい」

■腸を気持ちよく動かす

日本でも“うなぎに梅干し”“蟹と柿”などが、古来より食べ合わせが悪いとされてきた。それと同じように、ファストとスローの食材をいっしょに食べないように気をつけるだけ。確かに簡単である。

腸に食べ物が滞留してしまうと、腸管の免疫機能の働きを弱らせ、必要な栄養素が取り込めなくなる。それを防ぐためにも腸での滞在時間が同じ食材同士を組み合わせて食べたほうが、体への負担を減らせる。

「ラクに動ける服のほうが快適なように、食べ合わせに気をつけることで腸が気持ちよく動けるということです」

では「ファスト」「スロー」「ニュートラル」の食べ物とは? まずファスト食材は口に入れてから腸に下りてくるまで最短30分しかかからない。ほぼすべての果物、はちみつ、ヨーグルト、緑茶などが属する。野菜ではトマト、かぼちゃ、パプリカ。唐辛子やカレー粉などパプリカ由来の成分を含むスパイスもファストだ。優先的に食べたい食材は、果物では柑橘類。野菜ではトマトがナンバーワン。

一方、スロー食材は腸に下りてくるまで7~9時間かかる。米や小麦などの炭水化物、肉、魚、大豆、チーズなどのたんぱく質、ナッツや海藻、きのこ類。玉ねぎと長ネギ、ナス以外の野菜全般もこの分類なので、一般的な食べ物はほぼスローと考えていい。

ほぼスロー、といわれると食べるものに迷ってしまうが、“アダムスキー式スーパー腸活フード”としておすすめされているのはキャベツ、ブロッコリー、くるみ、大豆だ。

そして“どちらでもない”のがニュートラル食材。腸の流れを速くし、消化を助ける。油や酢、野菜ではにんにく、玉ねぎ、長ネギ、ナスが属する。ワインやコーヒー、牛乳、砂糖、わさび、こしょうなども、このジャンルである。

■食べて出るまで40時間

アダムスキー式では「ファストとスローをいっしょに食べないこと」とされているが、ニュートラルに関しては、ファストやスローとともに食べてOK。そしてニュートラル食材の中ではにんにく、赤ワイン、ビターチョコレートが特によい。

「食べ物を口にしてから排便するまでの時間は通常、約40時間かかります。つまりほぼ2日間ですから、私たちは体の中に常に5~6回分の食事を抱え込んでいる計算になるわけです。だからこそ、消化のいいファストと消化の遅いスローの食材をいっしょに食べないことで、体内で食べ物が“渋滞”することを防ぎます。腸自体が自らを浄化できる『すき間』の時間を作ってあげるためです」

■ファスト食は朝か昼

すき間時間を作るためには、ファスト同士、スロー同士の食事の“順番”も大切だ。世の中の食べ物はスローが大半。そのため、スローに偏りがちな食事の中に、いかにファスト食材だけを使った食事を入れて腸を休ませるかが、アダムスキー式の極意である。

たとえば、朝食はフルーツヨーグルトかトマトのサラダ、かぼちゃスープなど、ファストの組み合わせ。昼食は澤田さんもすすめる理想的なスロー食として、ごはんと味噌汁に魚か肉の和食。野菜もしっかりと。おなかがすいたら果物をつまみ、夜はグラス1杯の赤ワインとともにスロー食材を食べ、1日を終えるといった具合だ。

テレワークで昼ごはんを食べるとだるくなる人は、朝をスローの食べ合わせでとって、昼はファスト同士のフルーツヨーグルトをたっぷり。夜はスローで締めるのもいい。腸を休ませるという意味ではこちらのほうが効果的だろう。

驚いたのは、アダムスキー式では意外な食べ合わせが消化スピードの観点から見るとNGであること。たとえば、ファスト食材のトマトとスロー食材の小麦粉を使ったトマトソースのパスタやピッツァマルゲリータ、トマトとスロー食材のモッツァレラチーズを組み合わせたカプレーゼなどイタリア料理の定番はNGとされている。

ファスト食材のカレー粉と、スロー食材のチキンを使ったチキンカレーも、よくない。居酒屋の定番「からあげ+レモン」も避ける。小麦粉で作られたスポンジにイチゴをのせたショートケーキも……。

「日本食としては一般的な、魚にレモン汁やかぼす汁なども、アダムスキーさんはよくないと考えています。でも『魚に大根おろし』はスローに属する理想的な食事です。カレー好きの方なら、トマトとカボチャを入れたカレー味のスープならファスト同士に。組み合わせを工夫すれば、自由度は高いです」

パスタが好きなら、たらこ、ベーコン+ほうれん草など、トマト以外の具でおいしいものはいくらでもある。ただ、どうしてもトマトパスタを食べたい、チキンカレーを食べたいときもあるだろう。そんなときはエキストラバージンオリーブオイルなどの良質な油を食前に小さじ一杯程度、とればいいとのこと。がまんは禁物、毎日続けられるのが一番なのである。

■おやつにビターチョコ

ニュートラル同士の組み合わせで注意とされていたのが、牛乳とコーヒーの組み合わせ。理由は、カフェインが牛乳の消化を妨げること。また、一般的な高温殺菌牛乳はラクターゼという消化酵素が破壊されているので、そもそも消化されにくい。よって、コーヒーを飲みたいならブラックか、豆乳やアーモンドミルクを混ぜるのがよい。どうしても牛乳がいいなら、低温殺菌タイプのものを選ぼう。

ニュートラル食材といえば、ビターチョコレートがポリフェノールも豊富でおやつにおすすめだ。もちろん「おやつに果物」も、胃や腸に負担がかかりにくいのでよい。柑橘類またはイチゴやブルーベリーを選べば糖質も低めで、太りにくい。(ジャーナリスト・木村慎一郎、編集部・中島晶子)

※AERA 2021年6月14日号

木村慎一郎,中島晶子

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