上島竜兵さん、最初に天国へ行くのは〈俺かな〉と語っていた

上島竜兵さん、最初に天国へ行くのは〈俺かな〉と語っていた

  • 週刊女性PRIME
  • 更新日:2022/05/13
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『これが俺の芸風だ!!―上島竜兵伝記&写真集』(2005年発売/竹書房)

満開の桜の花の中、豆絞りのほっかむりに同じ柄のふんどし姿でなんともいえない切なげな表情でたたずむ姿……。そしてそこに『これが俺の芸風だ!!』という名言を引用したタイトル。

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それだけでもう、素晴らしさがあふれかえる、2005年刊行の『上島竜兵 伝記&写真集』。大好きな一冊を、本棚から取り出してみた。

〈主演・上島竜兵〉と書きかえた

本書は表紙に記されているとおりの竜ちゃんの写真も満載の自伝。ただただ蒲田の街を歩いていたり、京都で舞子姿になったり、もちろん竜平会などで酔っ払って最高の笑顔を見せたかと思えば泥酔して目が据わっていたり、最後にはやっぱり全裸になってたり……写真パートだけでも「上島竜兵」という芸人の生き様のようなもの、「くだらなさ」(褒め言葉です)があふれかえっていて、自然と笑ってしまう。

本文パートももちろんその「くだらなさ」は満載。自伝だからとカッコいい表現で半生を語ったりせず、みんなが思う「竜ちゃん」のまま。その「くだらなさ」ので笑いをとりながら、狭間から垣間見える生きざまのようなものが、またかっこいい。

竜ちゃん、前書き3行目の段階で〈ここまで書くのに2時間かかりました〉と筆が重いという。そして、〈ちょっと軽く飲んでみます〉というと、

〈いや〜、旨いね〉

となるところが、彼らしい。

おなじみの竜平会は、ダウンタウン松本人志や志村けんさんが若手芸人やスタッフなどを連れて飲みに行くのを「うらやましい」と思って声をかけるようになったことがはじまりだという。若手芸人には先輩だからと気をつかわずにいられるフランクな場であってほしい、そこでは後輩からツッコまれることも、全然かまわないと語っている。

本書も、読者が要所要所でエピソードに笑いつつ、ツッコみながら読むのが楽しい気がする。

中1で初恋の子の検便を盗もうとして先生にこっぴどく怒られたことを告白。それを〈好きな人のウンコだって恋しいって言うじゃない〉とまとめる。通知表はオール1、高校時代も成績は悪く、〈真面目で授業も一番前の席で無遅刻無欠席で一番バカ〉だったという。

高校時代は役者志望で、三國連太郎や山崎努、田中邦衛、西田敏行などに憧れていたという。高倉健や松田優作主演の映画ポスターに自分の顔写真を貼り付け、〈主演・上島竜兵〉と書きかえたものを100枚ほど作った。主演作100本の大俳優だ。しかしそんな青春の熱意を込めた“作品”を、〈俺は東京で現実にこういうことするんだ〉という決意のもと全部燃やしてしまったところは、なんかカッコいい。

軽い怪我はおいしいんだよね

好きなタイプやアダルト女優の好みは「熟女」。だからといって10歳年下の妻のことを〈かみさんもそろそろ熟女の対象に近いかな〉と、ここでもツッコミたくなるが、落ち込んだりしたときに顔を見ると、〈“なんか、まぁ、俺は大丈夫かな”って思っちゃうことあるね〉というところがかわいい。

全編にわたる上島竜兵ワールド。『お笑いウルトラクイズ』の「バス吊り下げアップダウンクイズ」で死にかけそうになったり、リュックサックに仕掛けられた爆弾が爆発して後頭部が焼けて500円ハゲができたり、人間大砲的なもので発射時に全裸になったり(〈服が綺麗に脱げるよう仕込むのに2時間くらいかかるの〉だそうだ)などなど、お笑いに関するエピソード、志村けんさんビートたけしへの思いなども、もちろん満載の一冊だ。

〈軽い怪我はおいしいんだよね〉とサラリといい、熱湯や熱々おでんなどの際のリアクション芸は、「殺す気か?」「訴えてやる!」、そして「これが俺の芸風だぁ!」といった、最後の一言が大事で、そこにこだわると明かす。

終盤、ここまで2人のメンバー(肥後克広・寺門ジモン)、ビートたけし、志村けんさんなど、いい人とばかり巡り会え、運にも恵まれていたと感慨深く記す竜ちゃん。

ダチョウ倶楽部のメンバーで最初に天国に行くのは〈やっぱ俺かな。俺だろうな〉と、〈優しい感じのうすら笑い〉を浮かべながら想像していた。

いつかこの世を去ったとき、顔にひげを書いて豆しぼりの格好でいるものの、熱々おでんにリアクションしないから、やっとみんなが“竜ちゃん死んじゃったんだ”って実感したりね、と笑いの文字を添え、〈ホント、俺の葬式はみんなで笑えばいいんだよ。わーって宴会すればいいんだよ。一番楽しいんだもん〉と綴るが、

「笑えないよ、竜ちゃん!」

とツッコむことが、精一杯だ。そんなふうに思ったとき、少し笑って、少し泣いた。

(文/太田サトル)

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