
"死亡した小野優陽ちゃん=X(旧ツイッター)から"
大阪府富田林市の団地で2022年6月、2歳の女児がベビーサークル内で熱中症で死亡した事件で、女児の手足を粘着テープで縛ってサークルに閉じ込めたとして、保護責任者遺棄致死と逮捕監禁の罪に問われた桃田貴徳被告(52)の裁判員裁判の第2回公判が17日、大阪地裁堺支部(藤原美弥子裁判長)であり、同居家族の供述調書が読み上げられた。
亡くなったのは小野優陽(ゆうは)ちゃん。事件では優陽ちゃんの祖母で、桃田被告と内縁関係だった小野真由美被告(47)も同罪で起訴された。検察側の冒頭陳述などによると、事件当時、優陽ちゃんは両被告、小野被告の四男(17)、五男(7)と同居し、両被告と五男は6月27~29日、外泊し、四男が29日午後4時ごろ、優陽ちゃんが倒れているのを見つけた。
検察側が提出した四男の供述調書によると、四男は両被告らが外泊する際、優陽ちゃんを置いていくことは知らされず、28日夜に物音を聞いて初めてサークル内にいる優陽ちゃんに気付いたという。
優陽ちゃんに気付いた四男が小野被告に「ご飯をあげた方がいいか」と電話で尋ねたところ、「出る時にあげたからいい。水は絶対あげといて」と言われ、水をあげたという。手を縛っていた粘着テープを外したが、両被告に文句を言われるのではと再度縛った。それ以外、水や食事を与えなかったという。
29日は暑かったため熱中症が心配で、小野被告にLINEでメッセージを送ったが返信はなく、学校から帰ると倒れている優陽ちゃんを発見した。小野被告に連絡し、風呂場で水をかけ、両手足を縛っていた粘着テープを切ったが、反応はなかった。小野被告からはテープを捨てるよう言われたという。
桃田被告は初公判で「養育者ではなく、サークルにも入れていない」などといずれも起訴内容を否認し、無罪を主張している。(前田智、井石栄司)