熊本市は自転車の利用を促進し、車による通勤・通学を減らすことで長年の課題である「交通渋滞の解消」につなげようとしています。
【写真を見る】「停める場所が見つからない」自転車利用推進の裏で 市営駐輪場はパンク寸前 増設したくても候補地探しに大苦戦 熊本市
そのためには駐輪場の存在は不可欠ですが、いま問題となっていることが。
JR新水前寺駅にある熊本市営の無料駐輪場。利用する人の多くは列車で駅まで来て、自転車で職場や学校に向かいます。
八代市から通勤「車で通勤すると渋滞しまして、家から2時間くらい掛かっちゃうんですよ。なのでJRを使っています」
車の通行量減少に貢献しているようにみえますが、一方で…
記者「こちらの駐輪場では、収容スペースの不足が慢性的な課題になっています」
24日午後6時半ごろ、職場や学校から駅まで戻って来た人たちで混雑していました。混雑がひどい日は、自転車を止めるのに苦労することも。
熊本市北区から通学「学校から帰ってくる時に駐輪場を停める場所が見つからなくて、電車に間に合わないということも時々あります」
菊陽町から通学「部活帰りになると、ここはいっぱいになっていて、停めにくい状況です。強引に入れてしまったりしていて、大変です」
去年、熊本市が調査した際は収容できる数・384台に対し、446台が止められていました。
また、新水前寺駅だけでなく他の駅の市営駐輪場でも同じような問題が起きていました。
自転車を使いたい!でも停めるところが無い
駐輪場の収容台数オーバーはここだけではありません。
去年の調査では、熊本駅が収容率211%、平成駅が131%と収容台数を大きく超えているのです。
渋滞解消に向け自転車の利用を呼び掛ける一方で、駐輪場の整備が追いついていない状況に熊本市は…
熊本市 自転車利用推進課 酒井伸二 課長「自転車が出し入れしづらいという声をいただいています」
そこで熊本市は約4800万円を投じて新水前寺駅の駐輪場の収容台数を少なくとも70台以上増やすことにしました。
酒井 課長「縦の空間を利用して(自転車を)積み上げるような形で停められるような設備を設けるなど、いろんな工夫で(収容可能台数を)増設する方法を検討しています」
また、熊本市はバス停の周辺など新たな駐輪場の設置に向けその候補地を決めるための調査に、今年度およそ1500万円を計上しています。
新しい駐輪場の候補地は?
新しい駐輪場を整備するなら、自転車から公共交通機関への乗り継ぎが便利な場所だといいのですが、目途は立っているのでしょうか?
現在、熊本市は市電の沿線やバス停の近くで新たな候補地を探す予定だということです。
しかし、100台・200台単位で止められるようなまとまった土地を、「乗り継ぎに便利な場所」で見つけるのはかなりハードルが高いということでした。