
"「こうのとりのゆりかご」などを視察する元厚労相の塩崎恭久さん(左)=2023年11月20日午後3時32分、熊本市西区、大貫聡子撮影"
児童養護の充実を訴える元厚生労働相の塩崎恭久さん(73)が20日、熊本市西区の慈恵病院を訪れ、匿名で赤ちゃんを預け入れられる「こうのとりのゆりかご」や、病院関係者にのみ身元を明かして出産する「内密出産」の取り組みなどを視察した。
塩崎さんは厚労相だった2016年、里親制度を後押しする児童福祉法の改正を進め、自身も養育里親登録している。21年に衆院議員を引退し、現在は「児童の養護と未来を考える議員連盟」の顧問を務める。
この日は、竹部智子看護部長の説明を聞きながら「ゆりかご」や内密出産を希望する女性が産前産後を過ごすエンゼルルームなどを視察した。
国は22年9月に内密出産の手順をまとめたガイドラインを公表しているが法的根拠はない。塩崎さんは「ガイドラインでは法的安定性がない。(政府が)『こどもまんなか』というのであれば制度と法律をつくるべきだ」とその必要性を指摘した。(大貫聡子)