【野球】中継ぎで覚醒したオリオールズ・藤浪晋太郎は来季、先発再転向にこだわるのか

  • デイリースポーツ online
  • 更新日:2023/09/24

中継ぎで覚醒したオリオールズ・藤浪晋太郎は来季、先発再転向にこだわるのだろうか。

藤浪は中継ぎ投手として、チームになくてはならない存在になっている。現地17日のレイズ戦(オリオールパーク)では2-3の九回に5番手投手として登板。二塁打と四球でピンチを招いたが、後を受けた投手にも助けられて無失点。チームは延長十一回、5-4でサヨナラ勝ち。7年ぶりのプレーオフ(PO)進出した。

阪神からポスティングでアスレチックスに移籍した当初は、自身こだわりのある先発での起用だった。しかし、制球難で結果が残せず防御率も10点を大きく超え、現地メディア、ファンからは「本当に(高校時代は)大谷翔平のライバルだったのか?」と揶揄(やゆ)された時期もあった。

ところが、中継ぎに配置転換されると短いイニングで抜群の安定感を発揮。トレード期間内に地区優勝を争う現チームに加入すると、常時100マイル(約161キロ)を超すフォーシームを主体に強気の投球で三振の山を築いている。成績も17日終了時点で7勝8敗2セーブ。防御率も6・90まで下がり、現段階ではメジャー屈指の中継ぎ投手と呼ばれ始めている。

今後、POを勝ち抜き、最終的にはワールドシリーズでの登板も夢ではなくなってきたが、その先に横たわってくるのが契約問題だろう。今季は年俸325万ドル(当時レート4億1900万円)プラス出来高払いの1年契約でアスレチックスに入団しており、来季以降の所属チームが確定していないからだ。

今の状態なら当然、オリオールズも再契約に乗り出すだろう。また、ブルペン陣が手薄な他球団も手を挙げることは間違いない。当然、年俸や契約年数も今季とは比べものにならないものとなるが、彼が先発へ強いこだわりを抱いている点が、今後どう契約問題にからんでくるのだろうか。

藤浪本人は8月の時点で「現状で求められるのは先発ではないので、今季は中継ぎに徹することになる」と話している。だが、同時に「それ以降(来季)はできれば先発をやりたいと思います」と熱い思いも吐露しているからだ。

彼の代理人は“吸血鬼”との異名を持つすご腕のスコット・ボラス氏だ。藤浪の意向を踏まえて金銭や契約年数をもちろんのこと、加えて先発での起用を契約条項に盛り込んで交渉に臨んでくるのは間違いない。

来季、大谷翔平の投手出場は絶望的だといわれている。それだけに、高校時代のライバル・藤浪が先発で活躍する姿をみたいファンも多いに違いない。藤浪はメジャーに移籍し活躍する夢はかなえたが、これが序章だ。先発としてメジャーを席巻するという“夢の第2章”を思い描いているはずだ。今後の動向に注目したい。(デイリースポーツ・今野良彦)

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