五輪・公務、皇室の変調の底にある相変わらずの皇后陛下ご不調

五輪・公務、皇室の変調の底にある相変わらずの皇后陛下ご不調

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/07/21
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即位関連行事が簡素化された理由

前編「天皇陛下、ワクチン接種の怪ー五輪行事出席と皇室外交の支障に」で解説したように両陛下の新型コロナウイルス・ワクチン接種が遅れて、陛下が単独で開会宣言だけをすることになり、世界のアスリートが集まるのに、皇族方は観戦もされないし、外国のVIPの接遇も最小限という異常な事態になった。

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by Gettyimages

この理由を、マスメディアのなかには、新型コロナ禍のもとでの五輪開催に対する両陛下のレジスタンスだとかいう向きまであって、本当にそうなら象徴天皇制をゆるがす重大事なのだが、そういうことではあるまい。

むしろ、これまでの経緯からすると、皇后陛下の周辺が、新型コロナウイルスへの感染を普通以上に怖れられて五輪行事参加に消極的である上に、ワクチン接種にも積極的でなく、宮内庁が陛下だけでもという方向にすら差配できなかったのであろう。

一昨年のご即位とそれに伴う行事での皇后陛下の元気なお姿や活発さ、トランプ大統領夫妻との素晴らしい交流を見て、国民はたいへん喜んだのだが、私は皇后陛下の「張り切りすぎ」と国民の過剰な期待が膨らむことの反動が心配だと指摘していた。

そもそも、即位関連の行事も、平成のときに比べて徹底的に簡素化し、パレードも結果的に別の日にしたわけで、恐る恐るの安全運転だったのは、皇后陛下の体調への配慮だったのだが、それすらマスメディアはほとんど報道しなかったので国民は知らない。

饗宴の儀は、平成のときは、4日連続計7回催され、3日間は昼夜2回という強行スケジュールだったが、令和の時は、計4回が飛び飛びの日付に開催され、後半の2回は立食形式で参加者の数も絞っていた。

新皇后として最初の地方公務であった一昨年6月の愛知県での全国植樹祭への出席も、従前は、複数泊の日程を組み、開催県の福祉施設などを回って慰問などを行われたものを1泊にして、しかも、お帰りは名古屋駅で一般人との接触をしないで済むように中部国際空港から専用機でということだった。

「過剰な期待」を医師団は心配

フランスのマクロン大統領来日のときも、皇后は出席されないという予定にしておいて、調子がよかったから出席というようなかたちがとられたし、海外訪問は急な欠席が心配されるということでできないでいる。

皇太子妃時代の国内行幸でも、急に予定から離脱されることを細かく想定した日程が組まれていたが、海外では難しいから、華々しい機会になるはずだった陛下の皇太子時代最後の時期に行われた訪仏も単独だった(ベルサイユ宮殿での晩餐会での陛下のフランス語でのスピーチは大好評だったが皇后陛下もフランスへの語学留学をされている)。

医師団も昨年の12月9日に、「これまでも繰り返し説明して参りましたように、皇后陛下には、依然として御快復の途上にあり、御体調には波がおありです。そのため、大きい行事の後や行事が続かれた場合には、お疲れがしばらく残られることもあります。過剰な期待を持たれることは、今後の御快復にとって、かえって逆効果となり得ることを御理解いただければ」という見解を発表しているのだが、報道ではほとんどスルーされているので国民は知らない。

そして昨年、新型コロナの問題が出てからの両陛下の活動量は非常に少ない。東京を離れられたことは皆無である。

新型コロナ・ウイルスについては、尾身氏など関係者からご進講は繰り返し受けておられるが、医療現場のご視察は昨年11月18日にオンラインで、日本赤十字社医療センター、北海道北見市、福島市、那覇市の様子を見られただけである。また、陛下のお言葉も昨年の5月に日本赤十字社の関係者にかけられたのと、正月やお誕生日のお言葉のなかでの言及に留まっている。

上皇陛下ご夫妻が、まめに被災地などを訪れられたことと差が目立つが、昭和天皇が、自分が動くことで多くの人の手を煩わすのを良しとされてなかったのと、上皇陛下のスタイルとどちらが正しいとも言えないと思うし、今上陛下ご夫妻もまた違ったスタイルを確立されればいいことだと思うので、単純に比較して論じることが適当とは思わない。

コロナ禍における両陛下の「ご不在」

ただ、ここ1年半の「ご不在」はやや極端であるように思えるし、そこには、皇后陛下やその周辺が、普通以上に、新型コロナウイルス感染に神経質になられていることが関係しているくらいしか理由を見出しがたい。

それならば、陛下がお1人とか、愛子様などほかの皇族と動かれても構わないのである。しかし、陛下がその結果、皇后陛下の不在が目立つことを嫌っておられるようでもあり、夫婦愛としては美しいが君主としてはいかがなものだろうか。

皇后陛下に近いといわれる向きからも、ワクチン接種が遅くなったことも、「五輪関係行事へのご出席のお気持ちをとどめてしまったのではないか」、「それを進言する人が周囲にいなかったのが残念」という声が出ているが、少なくとも、6月17日には自衛隊が運営する大規模接種会場で64歳以下の接種が始まっているのだから、それより遅くする理由はなく、ご本人なり側近が積極的でなかったとしか考えられない。

そうこうしているうちに、五輪の日程が切羽詰まったので、陛下だけが第1回だけでもと接種されたが、この遅れが陛下の行事参加の障害にもなっている。

たしかに、皇后陛下のように健康に自信がないとか、アトピー体質の人がワクチン接種を躊躇されることは多い。もちろん、これは合理的な考え方ではない。むしろ、病気の方は既往症として優先接種の理由になっており逆ではないし、アトピーについても、日本皮膚科学会の分科会が支障にならない見解を公式に発表している。ただ、躊躇する人の気持ちは分かる。

しかし、それだからといって、陛下のワクチン接種までも一緒に遅らせたのは、どう考えても、宮内庁の怠慢で、そのために、観戦とかVIPの接遇に消極的になれならざるを得なくなっていることは他にも理由があるにせよ否定はできず、強引に説得して早い時期に接種していただくべきだった。

NHK大河ドラマ「青天を衝け」で、孝明天皇が天然痘で崩御されたとき、明治天皇は種痘をされていて無事だったことが描かれていたが、あの先進性とあまりにも差がありすぎだ。

私は、かねがね、コロナ問題と関係なく、宮内庁が皇后陛下の体調がまだ安心できる状態でないのでご活動を簡素化するということを、はっきり国民に説明したほうがいいといってきた。

皇后陛下にとって無理のない令和スタイルを

平成の両陛下は、ストイックにお出ましをされ、ご高齢になってからも、宮内庁の事務方が簡素化しようと提案してもなかなかご承知にならなかった。そして、それが維持できなくなったので譲位された。

国民のなかには、若い両陛下は従前の頻度を維持すべきだと考えている人もいる。しかし、平成の両陛下の象徴天皇像は、普遍的にこうあるべきといった性質のものでないし、皇后陛下のご体調からくる限界があれば、令和の両陛下は、皇后陛下の状況を前提に自分たちのスタイルを創り上げられ、それでもって国民の理解を求められたらいいのである。

とくに、皇室外交のなかでも、御外遊については、皇后陛下の体調が十分でないからといってその頻度が少なくてよいわけでない。私はたとえば、悠仁殿下の帝王教育の機会と位置づけて同行されるようなことをされてはどうかと思う。

陛下が留学中にお世話になられたベルギーのボードワン国王は、お子様がなかったので、甥の現国王フィリップ殿下を将来の継承者と位置づけ、外遊に同行させたりしておられたのであるが、それにならわれたらいい(もっとも、ボードワン国王が急逝されたので、結果的には弟でフィリップ殿下の父親であるアルベール殿下がつなぎ的に即位され、のちに生前譲位された)。

今回の騒動も、皇后陛下の周辺が新型コロナに感染しないかとか、ワクチンの副反応が心配とか周囲がナーバスになって、開会式の出席、観戦、VIPの接遇などを避けたいところから出発して、それを目立たなくするために、「東京五輪開催が感染拡大につながらないか、ご懸念されている」という、とってつけたような拝察発言になった要素もあると推察するのは、その後に起きたことからしてそんな無理な解釈でない。

こういうことが繰り返されると、皇后陛下へのお気遣いがかえって仇になりかねないことを憂慮し、宮内庁長官が主導して、ご無理のないスタイルを作り上げていくほうが賢明かと思う。

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