臨月の山田ローラが実感、コロナ禍「国を跨いだ家族」の難しさ

臨月の山田ローラが実感、コロナ禍「国を跨いだ家族」の難しさ

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2020/09/16
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「里帰り出産は諦めた」……コロナでお盆の帰省も「自粛して欲しい」と言われたこの夏。出産を控えた妊婦の方たちも大きな影響を受けました。ようやく東京からの他県への外出自粛要請が撤廃される見込みが出て来ましたが、高齢者の感染予防の観点から、里帰り出産へのハードルはまだ低くないでしょう。

さらにそれが国を超えた家族だったらどうでしょうか。コロナ感染拡大直前に海外から一時帰国した日本人家族が、コロナ禍でしばらく離れ離れになってしまったこともありました。2週間の隔離期間を経れば国を渡ることは可能になってきましたが、では緊急の場合はどうなるのでしょうか。

双子の3歳児の母の山田ローラさんの場合、夫はラグビー選手の山田章仁さんで、遠征や試合がほとんど。両親はアメリカの本土に暮らしていました。家族の在り方を考え、ご両親にハワイへ転居してもらい、日本の家とハワイのローラさんの実家とを行ったり来たりして乗り切ってきたのです。しかしコロナでそう簡単には行き来もできなくなってしまいました。
現在山田ローラさんは臨月。ではどこで出産することにしたのでしょうか。

山田ローラ「辛いを笑いに変える子育て」今までの連載はこちら

ハワイで出産して冬に帰国と思っていた

家族の拠点をハワイに決めたのは、日本に1番近いアメリカがハワイだったのが最大の理由でした。引越し当初、夫は日本代表チームや南半球のラグビーリーグに所属していたため、遠征が沢山あり、年の半分は海外遠征で家を留守にしていました。私は双子が産まれたばかりで日本に居残るとワンオペ育児になってしまうため、夫の希望で私の両親の手助けが得られるアメリカにいて欲しいとのことでした。

これをきっかけとして遠距離家族生活が始まりました。海外遠征が多くなる時期は、私は子供を連れてハワイへ。日本のシーズンが始まると日本へ帰国して夫も一緒に生活する(とはいえ、地方だと出張で不在ですが)、行ったり来たりのライフスタイルを送っていました。ハワイが日本から割と近いこともあり、夫も数日間のオフがあればすぐにハワイへ飛んでくれていました。

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双子を連れた初フライト。こうして一緒に乗れたらいいのですが、どうしてもローラさんと双子ちゃんの3人のフライトが多くありました 写真提供/山田ローラ

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コンパクトにしながら絶対安心できる手荷物を準備できるかがフライトのカギ。もはやフライトマスターの域に! 写真提供/山田ローラ

今回の妊娠が分かった時も、まだコロナが流行る前だったので、やはり両親の手助けがあるハワイで出産しようと夫婦で決めていました。前回の出産もアメリカだったため、計画も立てやすかったのです。理想としては、双子の幼稚園が夏休みに入ったらハワイへ飛び、出産、そして赤ちゃんのパスポートを取得する期間を配慮し、幼稚園が3学期に入る頃に日本に帰国出来ればいいと考えていました
しかし、夫のラグビーのスケジュールも照らし合わせながらフライトスケジュールを確認していた時期に、コロナでまさかの日本→ハワイ便の全便キャンセル。

「うそーん!いや、でも観光業がメインなハワイ。さすがに少ししたらまた再開するでしょ!」
と楽観的に考えていました。
しかし、コロナの状況は中々良くなりません。飛行機のキャンセルの通知が届く度に酷く落ち込んでいました。

「最悪」も視野に入れて考える

夫もそんな私の姿を見てかなり心配していたようです。

「コントロールできないことは考えるだけ無駄! とりあえず解決策を何個か考えよう!」と励ましてくれました。

夫の提案としては、

オプション1: 飛行機乗れる数週までギリギリ待ってみる。→状況的にリスク高すぎてすぐ却下。

オプション2: 直行便は諦めて、アメリカ本土を経由してハワイへ。→妊娠中に双子を連れて乗り換え、しかもコロナ。実行するならお腹の大きさを考えてなるべく早めの便を検討。

オプション3: 里帰りは諦めて日本で出産。

この状況だと家族が一緒にいるのがベストだと私は思い、日本のかかりつけ医とも相談し、オプション3、つまり日本で出産する準備を進めていました。

しかしやっぱりそれも不安で……

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双子出産直後の写真。3人目は双子ではないとはいえ、今度は3歳の双子がいる状態での子育てです 写真提供/山田ローラ

夫は私が心配しているのを察知してくれ、いきなり、
「やっぱりハワイ帰ろう! 母国語が通じる方が病院も安心だろうし、家族もいた方がのんびりできるだろうし!」と宣言!

このときすでに経由便をいっぱいリサーチしてくれており、いや〜頼もしいな〜と惚れ惚れ。しかしそれなのに、夫はラグビーのスケジュール的に一緒には行けず、やっぱり妊婦1人で双子との飛行機の旅が決定しました。
あぁ〜、ですよね……覚悟はしていたけど内心スコーンって状態です(笑)。

果たして夫は出産に立ち会えるのか

幸い大きなトラブルもなくサンフランシスコ経由でハワイへ到着でき、自宅での14日間の隔離生活も無事終了しました。

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3歳児ふたりと妊婦の3人でのフライト! 写真提供/山田ローラ

ハワイはいまだにロックダウンしていて、日本より厳しい状態。ただ、買い物や飲食店の制限は厳しいのですが、外出そのものが禁じられてはいないので、双子と空の下でお散歩して過ごしています。

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お散歩姿を撮影しては章仁さんにも送っています 写真提供/山田ローラ

残す問題はあと一つ!
いつ、どのタイミングで夫がハワイにこられるのか⁈

ハワイでは観光再開に向けて入国の72時間以内にPCR陰性の結果があれば14日間の隔離は免除されるシステムを検討しているようですが、それも毎月延期になっています。
つまり、現状で夫が出産に間に合うようにハワイに来たくても、14日間の隔離が決定となれば、ハワイに長期滞在しないと難しいのです。しかも隔離中にもし私が産気ついてしまった場合は立ち会いが出来ないので、なおさら出産予定日ギリギリに到着とはいかないわけです。

幸い夫の所属先がとても理解があるチームなので、ハワイへ長期行く日程などを承諾してくれました。

これですでに2ヵ月以上会っていない夫にもやっと再会できる日にちが決定し、ワクワクできるはずなのに……。

今度は「いつ私が日本へ戻れるか問題」に直面しています。
通常なら、産まれた赤ちゃんのパスポートを申請し、届くまでに遅くとも生後数ヵ月で日本に帰れるはずでした。
けれどまた降りかかるコロナ問題。リモートワークなどの影響で、ハワイで出生証明書が届くまでに普段より数倍の時間がかかり、証明書がないとパスポートも申請できない。聞くところによれば、パスポートが届くのに4ヵ月程かかった家族もいたらしく、、今の状況だといつ赤ちゃんを連れて日本に帰れるかわかりません。

いまこそコミュニケーションが大切

加えて、夫もラグビーのシーズンスタートに伴う練習や合宿が始まるので、産後日本へ帰国した後、またいつハワイに来られるのかは予想もつきません。
今までは会えない時期が多くても、また再会できる目標日程が明確に分かっていたので遠距離でもなんとか乗り切っていました。
しかし、今回は再会できる目処が立たないままです。

不安や寂しさのなかでも、付き合い当初から遠距離な関係を続けてきた私達には「遠距離家族」は通常運転。それでも、今まで飛行機が飛ばない、お互いの国への入国制限があるなどの問題が訪れるとは考えてもいませんでした。

当たり前のように海を渡ることが困難になった今、もっとも大事にしているのはコミュニケーションです。常に状況が変わってくる環境の中で、お互いそれぞれの国の最新の情報を収集し、共有することで負担などのバランスを保っています。いつ会えるかわからない! 辛い! だけだと寂しい想いが全面的に出てしまって、誰もハッピーなれません。コントロールできることはちゃんとして、あとは自然に任せるように私達遠距離家族は日々過ごしています。

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現在のローラさん。お腹がこんなに大きくなっています。章仁さんが出産に間に合うように祈るばかりです 写真提供/山田ローラ

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