「俺たちが一番おもしろい」M-1グランプリ煽りVTRの歴史

「俺たちが一番おもしろい」M-1グランプリ煽りVTRの歴史

  • QJWeb クイックジャパンウェブ
  • 更新日:2021/01/14
No image

この世に現存する映像の中で最も熱いVTRのひとつ、それが「M-1グランプリのオープニング」。冒頭に流れる芸人たちの舞台前の葛藤や覚悟の様子を収めたいわゆる「煽りVTR」は、毎年観たあとに全身の血が沸騰するほど煮えたぎって興奮のあまり意識が飛びそうになる。

特にラストの、
「ただ証明したい……!俺たちが……!一番……!おもしろい……!」
という文言とともに次々と芸人が抜かれる瞬間は、芸人という人種の「人生そのもの」が切り取られていると言っても過言ではない。

そこで今回は、16年に及ぶM-1グランプリの歴史において煽りVTRはどのように変化し現在の「俺たちが一番おもしろい」になったのか。また歴代「俺たちが一番おもしろい芸人」は誰なのか。M-1グランプリの歴史とともに振り返っていきたい。

初「俺たちが一番おもしろい」は2004年

初めて「俺たちが一番おもしろい」という文言が使われたのが『M-1グランプリ2004』。2003年までは「煽りVTR」すらほぼなく、去年の優勝者と今年の決勝進出者、出場芸人数と最低限の情報だけだった。

2004年も今のようにVTR最後のシメではなく、「彼らは皆、心の中で叫んでいる……!俺たちが一番おもしろい、と……!」というナレーションが中盤にサラッと言われていた。ちなみにそのとき映っているのは笑い飯・西田。

その後1年空き、再び「俺たちが一番おもしろい」が使われたのが『M-1グランプリ2006』。ここでおなじみの「ただ証明したい……!」という文言が追加された。だが、ここでもまだ「自分たちが一番おもしろいことを……!」となっており、現在のVTRに比べてタメも少なくアッサリとした印象に。

現在の「俺たちが一番おもしろい」になったのは2007年

『M-1グランプリ2007』からは「何よりも……!証明したい……!俺たちが……!一番……!おもしろい……!」と締める限りなく現在の形に近いVTRになっている。「おもしろい……!」枠で抜かれたのは、2004年につづき2度目となる笑い飯・西田幸治。

「何よりも……!」東京ダイナマイト
「証明したい……!」ハリセンボン
「俺たちが……!」オリエンタルラジオ(中田敦彦のみ)
「一番……!」髭男爵(山田ルイ53世のみ)
「おもしろい……!」笑い飯(西田のみ)

『M-1グランプリ2008』での「おもしろい……!」枠はスピードワゴン井戸田潤だったのだが、決勝進出していない芸人が選ばれたのはあとにも先にもこの年のみ。

「ただ証明したい……!」笑い飯(西田のみ)
「俺たちが……!」東京ダイナマイト
「一番……!」南海キャンディーズ
「おもしろい……!」スピードワゴン(井戸田のみ)

ラストイヤーと銘打たれた『M-1グランプリ2010』。最後の「おもしろい……!」枠を飾ったのは、実に3度目となる笑い飯・西田。笑い飯は見事この大会で優勝し、自身がラストイヤーということもあり、ふたつの意味で有終の美を飾った。

「ただ証明したい……!」ジャルジャル(福徳秀介のみ)
「俺たちが……!」ハイキングウォーキング
「一番……!」平成ノブシコブシ
「おもしろい……!」笑い飯(西田のみ)

重厚さが増した第2章「俺たちが一番おもしろい」

5年後、復活を果たしたM-1グランプリ(2015)。煽りVTRもさらに重厚さが増した「おもしろい……!」枠はジャルジャルの後藤淳平。

「ただ証明したい……!」モンスターエンジン
「俺たちが……!」東京ダイナマイト
「一番……!」トレンディエンジェル
「おもしろい……!」ジャルジャル(後藤のみ)

『M-1グランプリ2016』では「ただ証明したい……!俺たちが……!一番……!おもしろい……!」のタメが伸び、このフレーズ中に映る芸人が4枠から8枠へと倍増した。そんななか「おもしろい…!」枠に選ばれたのはハライチ・澤部佑。

「ただ証明したい……!」メイプル超合金→馬鹿よ貴方は(平井“ファラオ”光のみ)→スリムクラブ
「俺たちが……!」ハライチ(岩井勇気のみ)→ジャルジャル
「一番……!」さらば青春の光(森田哲矢のみ)→ミキ(亜生のみ)
「おもしろい……!」ハライチ(澤部のみ)

『M-1グランプリ2017』でも変わらない重厚感でさらに「人生を賭けた戦い」の様相を呈してきた。「おもしろい……!」枠に選ばれたのは和牛・川西賢志郎。

「ただ証明したい……!」とろサーモン→ゆにばーす(川瀬名人のみ)
「俺たちが……!」ニューヨーク(嶋佐和也のみ)→ミキ(亜生のみ)→かまいたち
「一番……!」さらば青春の光(森田のみ)
「おもしろい……!」和牛(川西のみ)

『M-1グランプリ2018』で最も印象的だったのが、ゆにばーす川瀬名人の「ひとり2カット」。あとにも先にも同じ芸人が連続で使われたのは彼が初めて。「おもしろい……!」枠はラストイヤーとなるスーパーマラドーナ武智。

「ただ証明したい……!」かまいたち→和牛→ジャルジャル(後藤のみ)
「俺たちが……!」ゆにばーす(川瀬のみ)→ゆにばーす(川瀬のみ)→三四郎(小宮浩信のみ)
「一番……!」→霜降り明星
「おもしろい……!」→スーパーマラドーナ(武智のみ)

『M-1グランプリ2019』は令和初の開催ということもあり、映る芸人の数がさらに激増。10組を超える芸人の中から令和初の「おもしろい……!」枠に選ばれたのはかまいたち山内健司。

「ただ証明したい……!」ミルクボーイ→カミナリ→アインシュタイン(河井ゆずるのみ)→囲碁将棋→三四郎
「俺たちが……!」からし蓮根→四千頭身(都築拓紀のみ)→すゑひろがりず(南條庄助のみ)
「一番……!」ミキ→見取り図(リリーのみ)→東京ホテイソン
「おもしろい……!」→かまいたち(山内のみ)

そして今年の『M-1グランプリ2020』、「漫才は止まらない」をテーマにこれまでで一番重厚な仕上がりに。舞台前にマスクを外す芸人たちの姿など、「今」という時代でしか撮ることのできない映像になっており、映る芸人の数も過去最多となった。激戦を制し「おもしろい……!」枠に選ばれたのは見取り図・盛山晋太郎。

「ただ証明したい…!」コウテイ→ミキ→ぺこぱ→見取り図(リリーのみ)
「俺達が…!」→オズワルド→藤崎マーケット(トキのみ)→Dr.ハインリッヒ→ラランド(サーヤのみ)→20世紀(木本のみ)
「一番…!」→東京ホテイソン→からし蓮根(伊織のみ)→トム・ブラウン→ニューヨーク(屋敷裕政のみ)→アキナ(山名文和のみ)→マヂカルラブリー(野田クリスタルのみ)→錦鯉
「おもしろい…!」→見取り図(盛山のみ)

また、2020年はCreepy Nutsの楽曲「板の上の魔物」とコラボしたスペシャルムービーも公開されており、こちらもカッコよさが天元突破した大絶頂案件の映像となっているのでぜひチェックしてもらいたい。

今や日本を代表する大会になったM-1グランプリ。漫才とともに年々進化しつづける煽りVTRにこれからも注目していきたい。

かんそう

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加