昨冬の選手権優勝DFが“東京都1部”山梨学院大快進撃の原動力に! 関東リーグ勢連破で初の全国出場に大きく貢献

昨冬の選手権優勝DFが“東京都1部”山梨学院大快進撃の原動力に! 関東リーグ勢連破で初の全国出場に大きく貢献

  • サッカーダイジェストWeb
  • 更新日:2021/07/22
No image

山梨学院大は創部以来初の全国大会出場。写真中央は一瀬とCBでコンビを組むフォファナ・マリック。写真:安藤隆人

No image

山梨学院高から山梨学院大へ進学したDF一瀬。チームを初の全国大会出場へ導いた。写真:安藤隆人

夏の総理大臣杯関東代表権をかけたアミノバイタルカップ。今年は明治大、桐蔭横浜大、筑波大、早稲田大という関東1部リーグのチームが2部以下のチームに敗れる下剋上の相次ぐ波乱の大会となった。

その中で東京都リーグ1部に所属する山梨学院大が初戦で桐蔭横浜大を下して勢いに乗ると、そこから快進撃を見せて、関東2部リーグ所属で昨年度のatarimaeni Cup王者の東海大、同2部の強豪・日本大を次々と連破して、初の全国大会出場となる総理大臣杯出場権を手にした。

この原動力のひとりに挙げられるのが、半年前に高校サッカーを沸かせた山梨学院高の守備の要だ。187cmの高さを誇り、ディフェンスリーダーとして守備を束ねた一瀬大寿は、山梨学院大のCBとして初戦から落ち着いたプレーを見せていた。

特に3年生CBフォファナ・マリックとのCBコンビは安定感抜群で、お互いがチャレンジ&カバーを繰り返しながら、ライン統率と裏への対応、そして出足の鋭い1対1の守備をリンクさせて最終ラインを引き締めていた。

2回戦の東海大戦では試合中に何度もコミュニケーションを取り、守備の立ち位置や行くところと引くところを確認し合いながらバランスを保ち続けた。延長戦に入ってもチームを鼓舞する声をかけて、1-1のドローで110分間(延長は10分ハーフ)を戦い抜くと、PK戦でも8人目のキッカーとしてPKを成功させ、10人目での決着に繋げた。

総理大臣杯出場権が懸かった準々決勝の日本大戦でも、相手の攻撃力の前に押し込まれて前半に2失点を喫したが、後半は立て直してマリックと共に声を掛け合いながら、空中戦と鋭い予測を駆使したカバーリングでこれ以上の失点を許さず、3-2の逃げ切り勝利に貢献した。
「この大学を選んで間違いなかったと思います」。

悲願の全国大会出場を決めた試合後、一瀬は素直な思いを口にした。一瀬は高3の春の段階で山梨学院高からそのまま大学に進む決断を下していた。高2の段階で密かに注目を集めていた存在でもあり、もう少し待てば関東リーグのチームからのオファーがあったかもしれなかったが、彼の決断は揺るがなかった。

「学院大の方がぜひ来て欲しいと言ってくれたのと、マリック君の存在が大きかった。練習参加した時に、マリック君を見て衝撃を受けたんです。僕はカバーリングや空中戦が得意ですが、前にいる選手にアタックできないという欠点がありました。マリック君はそこがすごく長けていて、出足も鋭いし、球際も強いし、奪い切れる力がある。一緒にプレーすることで僕も学びながら成長できると思ったんです。あともうひとつが、僕は1年から試合に出たかった。マリック君に学びながら、1年から試合に出るチャンスもあると感じましたし、自分が4年間でチームを関東2部、関東1部に上げていきたいと強く思ったので決めました」

【PHOTO】J内定者から隠れた逸材まで…2021大学サッカー注目プレーヤーさらに優勝という最高の結果を手にした選手権で、彼は自分のリアルな立ち位置を目の当たりにしたことで、大学での野望はさらに膨らんでいった。

「優勝こそしましたが、試合を通じて前へ出て何かをするというより、後ろのカバーリングのウェイトが大きくなってしまい、自分のプレーを出しきれなかった印象があります。それに決勝の青森山田戦は自分が長所としていた空中戦でも負けることが多かった。特に感じたのが、(相手の)ロングスローの競り合いはうまく行っても攻撃面では歯が立たない部分があった。レベルが高い相手になると自分の長所も消されてしまうんだと感じましたし、僕の足りない部分が選手権を通じて炙り出されるという現実を見ました。だからこそ、大学でもっと成長しないと上のレベルに行けないと危機感を持ちました」

強い覚悟と決意を持って山梨学院大に進んだからこそ、ひとつの結果が出た瞬間に前述したあの言葉が心の底から湧き出てきた。側から見ても、マリックの対人の強さを学んだことで、彼の1対1の対応力は明らかに高校時代より成長を遂げているし、コーチングの質も向上している印象を受けた。

「一緒にCBコンビを組んでプレーすることが本当に楽しいです。マリック君はカバーリングもうまいので、僕もマリック君のようにどちらもできる選手にならないといけないと日々感じていますし、前へのアタックは成長している手応えは自分でも感じています」

続く準決勝では同じく全国大会初出場を決めた産業能率大に1-2で敗れ、惜しくも決勝進出とはいかなかったが、大きな挑戦権を手にしたことで、一瀬はさらに今後の成長に目を向けている。
「守備だけではなくビルドアップをもっと成長させないと、総理大臣杯では戦えないし、来年もし関東リーグに上がれたとしても厳しいと思うので、そういうところを意識しながら、あと半年、このアミノバタイルでの経験を糧にして成長していきたいし、チームとして勝ち癖をつけていきたいと思います」

全国の頂点を見た男だからこそ、『その先』の世界を見ようとより向上心を強くさせる。一瀬の下克上はこの大会で終わることはないだろう。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加