いも焼酎加えた“日本酒”誕生 逆境の酒蔵が挑む新たな製法とは

いも焼酎加えた“日本酒”誕生 逆境の酒蔵が挑む新たな製法とは

  • TeNYテレビ新潟NEWS
  • 更新日:2021/09/15
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いも焼酎加えた“日本酒”誕生 逆境の酒蔵が挑む新たな製法とは

新潟を代表するサケ、日本酒。宴会の中止や飲食店での時短営業などで逆風にさらされる中、上越市の酒蔵が新たな試みに挑んでいます。それは、日本酒と双璧をなす国内を代表するサケとの共演でした。

新潟県の弥彦村で酒店を営む羽生雅克さん。四合瓶を片手に向かった先は、岩室温泉にある飲食店です。

店の人気は、厳選した地鶏を使った焼き鳥。

時短営業などで厳しい経営が続く中“ある日本酒”に期待を寄せます。

【いわむろとり蔦 店主 岩田靖彦さん】

「早速きょうから使いますね」

「前向いて、こういう挑戦している方もいるんで、僕らも1個1個挑戦しながらできればいいかなと思ってます」

上越市の武蔵野酒造。杜氏の荻原亮輔さんは、この夏、これまでほとんど誰もしてこなかった製法で酒造りに挑んでいました。

【武蔵野酒造 杜氏 荻原亮輔さん】

「発想自体は誰でもできると思うんですけど、オッケーをしてくれるところがあるかどうかというところで。今回使うのがいも焼酎なんですけど・・」

日本酒に加えるのは国内を代表するサケ“いも焼酎”。

きっかけはオンラインでの何気ない会話からでした。

【武蔵野酒造 杜氏 荻原亮輔さん】

「矢野さんのところ、売り上げ、宮崎県どんな感じ?」

宮崎県内で焼酎の製造を手掛ける矢野裕晃さん。荻原さんの大学時代の後輩です。

【松露酒造 矢野裕晃 社長】

「厳しさはありますよね」

【武蔵野酒造 杜氏 荻原亮輔さん】

「そうだよね、どこもそんな感じか。泣きたくなるけど、どうしようもないからね」

【松露酒造 矢野裕晃 社長】

「自分とこのお酒、消費するしかないから飲んでます」

コロナ禍で酒造業界が苦境に立たされる中、荻原さんが提案したのが“いも焼酎”とのコラボレーションでした。

【松露酒造 矢野裕晃 社長】

「賛否両論あるとは思うんですけど、こういう企画をきっかけにお互いが相乗効果を出せるとおもしろいのかなと思います」

【武蔵野酒造 杜氏 荻原亮輔さん】

「確かに、かなり幅は広がるよね」

矢野さんから届いたのはフルーティな“いも焼酎”。酒造りの最後の仕上げ、もろみに加えます。

【武蔵野酒造 杜氏 荻原亮輔さん】

「日本初のことなので、これがどうなるかお楽しみですね、酒税法上、この段階(もろみ)で入れたものは日本酒になります。搾り終えたものに焼酎を添加するとリキュールになります。私は日本酒にしたかった。誰がなんと言おうと日本酒です、これは」

“いも焼酎”を加えた日本酒。実現が困難だった理由がありました。市販の焼酎を加えることで原価は上がり、売れ残った際のリスクが大きくなります。

さらに手塩にかけて製造した焼酎が混ぜられ、“日本酒”として販売される為、焼酎の蔵から協力を得るのが難しかったのです。

武蔵野酒造では去年から、小型のタンクで日本酒を製造。小規模ゆえにリスクも少なく様々な酒造りが行えます。

【武蔵野酒造 杜氏 荻原亮輔さん】

「一時、日本酒ブームが来てそのあとワインブームが来て焼酎ブームが来てそんな敵視することもないだろうし、みんな多分やりたいこととか、思っていることは一緒なはずなんで、一緒になってやればもっと楽しいことができると思うんですよね」

少しでも多くの人に日本酒を味わってもらい、その奥深さを知ってほしい・・・何とかしてこの逆境をはねのけようと考えていました。

【武蔵野酒造 杜氏 荻原亮輔さん】

「多分なんでも合うはずです。今回宮崎なんで地鶏も多分合うだろうし、こっちの海の幸も当然合うだろうし、魚と肉、両方いけるんじゃないかと」

その出来栄えは・・・

【武蔵野酒造 杜氏 荻原亮輔さん】

「もうちょっとまろやかになってきたら、これ相当いいと思います」

完成した新しい日本酒“のろし”。焼酎を製造する矢野さんに飲んでもらうことに。

【松露酒造 矢野裕晃 社長】

「すごい、すごいフルーティというかミルキィー」

評判は上々です。

【松露酒造 矢野裕晃 社長】

「あの日本酒蔵にこの香りを入れて欲しいとか、逆にあの蔵にこの香りを強く出す焼酎を作ってもらいたいとか、もっともっと広がっていって日本の文化が豊かになるのではないかと。だめだこれ、いいんですけど飲みすぎますね」

今月初め。荻原さんが向かったのは弥彦村。酒店から“のろし”の注文が入ったのです。製造した300本は完売したといいます。

【弥生商店 羽生雅克社長】

「今まである日本酒のフルーティさというのとは、またちょっと一味踏み込んだ深みのある香り。こんなコロナ禍だけど挑戦している作り手がいるんだなというのは、僕らとしても応援したい」

【武蔵野酒造 杜氏 荻原亮輔さん】

「最初つくるときは本当に買ってくれる人がいるんだろうかと、びくびくしながら作ってましたけど、本当にありがたい限りですね、 本当に嬉しいです。いろんな発見をしてもらってこういう日本酒もあるんだよということを楽しんでもらえたらなと思います」

逆境から生み出された新しいサケ。大きな試練の中、酒蔵の試行錯誤は続きます。

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