【やっぱり時代劇は面白い #2】 『カンテク~運命の愛~』19世紀の「朝鮮身分制度」を解説!

【やっぱり時代劇は面白い #2】 『カンテク~運命の愛~』19世紀の「朝鮮身分制度」を解説!

  • ウレぴあ総研
  • 更新日:2021/04/14
No image

韓国時代劇は宮廷ものが面白い! 今回紹介する『カンテク~運命の愛~』は、これまでに描かれることがなかった“お妃選び=カンテク”という宮廷のしきたりを教えてくれる一作だ。このドラマの魅力や見どころを、6回にわたって、多角的に紹介していく。第2回のテーマは、「19世紀の朝鮮時代ってどんな感じ?」

【写真】韓国ドラマ『カンテク~運命の愛~』の写真をもっと見る

第2回 19世紀の朝鮮時代ってどんな感じ?

朝鮮末期の宮廷の状況を人物やストーリーに反映

双子の姉を殺した犯人を突き止めるため、王妃選びに参加したヒロイン・ウンボの愛と戦いを描いた『カンテク〜運命の愛〜』には、実在した王や王妃は登場しない。ただ、そこに描かれる社会や政治状況を見ると、19世紀の朝鮮時代を背景としていることが分かる。

例えば、娘や姪を王妃の座に据えることで権力を握ろうともくろむ敵役のキム・マンチャンは、19世紀初頭から約60年にわたって、実際に王妃の外戚として絶大な権力を振るった安東キム氏の出身と設定されているのが象徴的だ。

今回は、本作の登場人物を中心に、この時代の宮廷における身分制度に触れつつ、当時の政局がドラマにどう反映されているかを見ていきたい。

まず、キム・マンチャンは領議政(ヨンイジョン)という役職にある。これは議政府(ウィジョンブ)と呼ばれる行政府の最高官職であり、今の日本で言えば総理大臣に当たる。

領議政と共に議政府の中枢を担っていたのが左議政(チャイジョン)と右議政(ウイジョン)だ。本作では、キム・マンチャン同様に娘を揀択(カンテク)に参加させるチョ・フンギョンが左議政を務めている。

彼の出身である豊壌チョ氏は歴史上、安東キム氏と手を組み権勢を享受したが、キム氏の勢いにはかなわなかった。そんな中、一族出身の娘が1819年に第23代王・純祖の息子である孝明世子に嫁ぐ。彼女は世子が夭逝し王妃にはなれなかったものの、世子との間にもうけた息子が第24代王・憲宗となると、大王大妃・神貞王后チョ氏として権力を手にし、政治に参画しつつ、安東キム氏の勢力を削ごうと動いた。

領議政一門からうかがえる安東キム氏の絶大な権力

ドラマでは、王イ・ギョンの母の大妃キム氏が、一族の出身であることでキム・マンチャンが領議政となったのか、彼がその地位にあるがゆえにキム氏が王妃となったのか、その経緯までは描かれていない。

それでも、マンチャンの弟は宮廷内の文書管理や文官の登用などを統括する弘文館に属する大提学(テジェハク)で、息子も政治を論評し風俗をただすなどの役目を担う司憲府のトップ、大司憲(テサホン)という要職にあるとの設定からは、安東キム氏の勢力が並々ならぬもので、権力のなれ合いの構造が出来上がっていることがうかがえる。

ちなみに彼らの品階は正一品の領議政、正二品の大提学、従二品の大司憲の順で、ウンボの父カン・イスが弘文館の副提学(プジェハク)で正三品だったのを見れば、明らかに彼らのほうが高い地位にあることが分かる。

そして、キム・マンチャンは最初の揀択(カンテク)で娘が脱落すると、2度目は姪を参加させる。朝鮮時代、宮廷に属する女性たちは内命婦(ネミョンブ)と呼ばれ、男性と同じく彼女たちにも正従それぞれ九品に分かれた品階があった。

彼女たちを統率する王妃の下、正一品の嬪(ピン)から従四品の淑媛(スグォン)まで、8つの品階を与えられた側室がおり、彼女たちを世話する正五品の尚宮(サングン)以下、宮女がその下に続いた。朝鮮前期には側室を選ぶにも揀択(カンテク)が行われたこともあったが、時代が下るにつれてそうした事例はなくなっていく。

劇中、カン・イスは開明的な思想を著した書物『開化論』がもとで、安東キム氏の企みにより命を落とす。当時、王が統治するのではなく、民自身が治める民主的な社会を理想とする考えが生まれていた。こうした思想の芽生えに、王朝の終焉が近かった世相を感じ取ることもできる。

<ストーリー>

王イ・ギョンが一命を取り留め、再び揀択(カンテク)が行われることになった。犯人を追っていた情報屋ウンボは、亡き王妃が双子の姉と知り、父の旧友の手引きで身分を偽って揀択(カンテク)に参加。王がウンボに寄せる深い思いに左議政の娘ヨンジは嫉妬し、領議政の姪ソンイは一計を案じる。

『韓流ぴあ』2020年8月号より抜粋

『カンテク~運命の愛~』
テレビ東京『韓流プレミア』にて放送中
毎週月曜~金曜 午前8時15分~9時11分放送

GYAO! にて無料見逃し配信中
毎週月〜金曜9:30 更新

DVD-BOX1・2
各18,700円(税込) 好評発売中
発売元:「カンテク~運命の愛~」日本版製作委員会
販売元:TCエンタテインメント
©2019 -20 TV Chosun

TSUTAYAほかにて絶賛レンタル中

ドラマ『カンテク~運命の愛~』の詳細は公式ページへ

【写真】韓国ドラマ『カンテク~運命の愛~』の写真をもっと見る

【写真】韓国ドラマ『カンテク~運命の愛~』の写真をもっと見る

(韓流ぴあ)

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加