刺身に旬の野菜を添えてソースをかけるだけですが、見た目も華やかで感動してもらえること間違いなし!おもてなし上手と評判の料理家の小堀紀代美さんに、ゲストに喜んでもらえるちょっとしたご馳走レシピを教わりました。

■特別なものは必要なし
ヨーロッパでの「食事」は、空腹を満たすだけではなく「誰かと一緒に食べるもの」だと考えられているとか。日本にも「同じ釜の飯を食う」という言葉があるように、一緒に食卓を囲むことで人は仲良くなれるとされています。なによりも、誰かと一緒に食べるごはんはなぜかおいしさが2倍にも3倍にも増すのです。
外食の機会が減ってしまったこの数年ではありますが、誰かと一緒に食事する楽しみは忘れたくありません。だからぜひ、大切な人たちをおうちごはんに誘いましょう。かしこまったディナーじゃなくてもいいのです。もっと気軽に、日常的に「うちにごはん食べにおいでよ」くらいがちょうどいい。
料理上手じゃなくても、凝った料理でなくても大丈夫。おもてなしというと大袈裟だけどみんなでテーブルを囲むだけで気分は盛り上がるもの。おもてなし上手と評判の料理家の小堀紀代美さん曰く「おいしさの秘訣はなんといっても、旬の食材を使うこと。これからの季節ならば、色鮮やかな夏野菜をたっぷり使ったり。また、生姜や酸味を効かせてさっぱりと仕上げたり。よーく冷やした泡のお酒と一緒に楽しくもりもり食べていれば夏バテも撃退できちゃうはず」。
もちろん失敗はしたくないから、つくりやすくて、おいしいと言ってもらえる珠玉のレシピだけを教えていただきました。ちょっとハレの気分が味わえる“おうちレストランコース”と、思い立ったらすぐにつくれる“いつもの延長でできる和食献立”の2パターンをご紹介します。どれも手軽で簡単だから、日々の献立にも役立つこと間違いなし!
□“刺身とトマトのエスニックな前菜”のつくり方
かんぱちや鯛、かつおなどの刺身に、トマトと赤玉ねぎ、ハーブを添えて、ナンプラーのソースをかけるだけ。
ハーブはミントのほかバジルやパクチーなど、好みのものでOK。前菜だけでも、取り分けスタイルではなく銘々に盛りつけると、レストランの気分を味わえます。好みでフルーツを添えても美味。
(1)玉ねぎを水にさらす玉ねぎは縦に薄切りにし、水にさらして水気をよくきる。
(2)刺身に下味をつける刺身はサクなら厚さ1cmに切る。表面に塩少々をふって10分置き、表面に出てきた水気をキッチンペーパーで拭き取る。
(3)仕上げそれぞれの器にトマト1枚をのせて塩少々をふり、刺身2切れをのせる。玉ねぎを添えてAのソースをかけ、オリーブオイル少々と黒胡椒少々(ともに分量外)をふる。ミントを散らす。

教える人

小堀紀代美
料理勉強家
レストランのマダムからカフェ「LIKE LIKE KITCHEN」の料理担当を経て、現在は同名の料理教室を主宰。気持ちはいつも『料理勉強家!』。楽しくをモットーに、テレビ、雑誌などにレシピを提供。近書に『ライクライクキッチンの旅する味 予約のとれない料理教室レッスンノート』『ごはんにかけておいしい ひとさライス』など。
※この記事の内容は、『四季dancyu 2022夏』に掲載したものです。

四季dancyu 2022夏
A4変型判(120頁)
2022年6月8日発売/1,100円(税込み)
文:藤井志織 撮影:山田 薫
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