支援事業の周遊券を熊本市交通局に払い戻し 使われなかったタクシー券の助成金は返還されず 県「制度上、問題はない」【コロナ禍の旅行支援事業で不適切受給】

支援事業の周遊券を熊本市交通局に払い戻し 使われなかったタクシー券の助成金は返還されず 県「制度上、問題はない」【コロナ禍の旅行支援事業で不適切受給】

  • RKK熊本放送
  • 更新日:2023/09/19

熊本市のTKUヒューマンがコロナ禍の旅行支援事業で不適切に助成金を受け取っていた問題で旅行商品の交通手段である公共交通機関の周遊券が複数、払い戻されていたことがあきらかになりました。

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県の旅行支援事業を巡っては、TKUヒューマンを含む県内14の旅行会社が助成の対象とならない公共交通機関の周遊券だけを使った商品を販売していました。

熊本市交通局は支援事業の周遊券について、事業の制度上、交通会社を支援する目的で導入されているとし、払い戻しができない対策をTKUヒューマンや県に求めていました。

しかし、実際は商品が販売されていた期間は前の年の5倍以上にあたる242枚の払い戻しがあったということです。

そのうちの95枚は対策を求められていたTKUヒューマンが払い戻していました。

この件についてTKUヒューマンは「コメントできない」としています。

タクシー券の助成金も

また、TKUヒューマンをめぐっては助成の対象とならなかった旅行商品とは別に、県が助成の対象と判断したタクシー券付きの旅行商品およそ3000件のうち1500件以上でタクシーが使われていなかったことが明らかになっています。

このため、県によりますとTKUヒューマンがタクシー会社に支払うはずだったおよそ150万円が会社に残ったままの状態だということです。

TKUヒューマンは「返金の必要性については県と協議したい」としています。

一方で県は「制度上、問題はないため返還は求めない」とコメントしています。

県の公金であるこの150万円について地方政治に詳しい熊本大学の伊藤洋典(いとう ひろのり)教授は。

「使われていないお金が残っているというのは問題なので、仕組み自体がおかしい」

県の公金が滞納されている旅行支援事業の制度自体に問題があると指摘しています。

使われなかった助成金は戻さなくていい?

解説「問題と指摘されているのが助成の対象となったタクシーチケット付きの旅行商品です」

「タクシーチケットで使える上限は1000円で、この1000円分が使われる前提で助成が出されています」

--でも1500件以上で使われていないということでしたね。

「そのため、使われなかった150万円がTKUヒューマンに残されていることになります」

「このタクシーチケット付きの旅行商品ですが、他に販売している事業者がいなかったのか県に聞いたところ、『調査中』としています」

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