プロボクシング日本バンタム級タイトルマッチ(3月20日、東京・後楽園ホール)の前日計量が19日、東京都文京区の日本ボクシングコミッション(JBC)で行われ、王者・堤聖也(27=角海老宝石)はリミットの53・5キロ、挑戦者で同級1位の南出仁(27=セレス)は100グラムアンダーの53・4キロで、それぞれパスした。戦績は2度目の防衛戦となる堤が9戦7勝(6KO)2分け、日本王座初挑戦の南出が9戦7勝(5KO)2敗。

2度目の防衛戦に臨む堤聖也(左)とタイトル初挑戦の南出仁
堤はこの試合の位置付けを問われると「準決勝と思っている」と話した。南出とは同学年でアマ時代から意識しており、「自分はいつも準決勝で負けていて、南出選手は決勝で負けていた。ここを準決勝と置くと南出選手の方が上という気持ちになるし、そこをクリアしないと次はない。過去の自分への自戒も込めて、この気持ちで臨む」と説明した。南出の印象を「スピードとパンチ力。アウトボクシングも上手で細かい技術もある。ボクシングを単体で見たら全部、南出選手の方がちょっとずつ上」と評価しながらも、「総合したら僕が勝つと思う。最初は良い内容で勝ちたい、世界を見据えた内容で、とかあったけど、どうでもよくなって、今回はシンプルに殴り合いで勝つ。倒されても倒し返せばいい」と意気込みを述べた。
一方の南出はコンディションについて「バッチリ。過去イチだと思う」と自信を示し、「スキル的にも今が一番レベルが高いし、練習できることのレベルも上がってきている。そういうところも含めて過去イチと思う」と話した。元WBA世界スーパーフライ級王者のセレス小林会長に同意を求めると「普通」と答えられてずっこけたが、「スピード、パワー、スタミナで突っ走ってきたが、セレスジムに入って技術が高くなった」と話すと、小林会長も「この半年で別人のように変わった」と成長に太鼓判を押した。アマ時代は全国高校選抜、国体(2回)、全日本選手権と4度決勝に進出して全て準優勝。中3から始めたボクシング人生初の頂点へ「1つの集大成になるし、凄く大事な局面と思う」と必勝を誓った。