
アビスパのエースが大逆転2発! アビスパ福岡は後半ロスタイムの山岸祐也(29)の2ゴールでホーム湘南戦に2-1で逆転勝ちした。今季公式戦で得点がなかったストライカーが待望の大爆発で、サポーターも超熱狂。リーグ戦で4戦負けなしのアビスパは勝ち点を10に伸ばして、首位神戸に2差の4位に浮上した。もうトップだって夢じゃない!
これがエースだ。後半45分を過ぎ、ロスタイムの目安は9分。万事休すかと思われた福岡のドラマの主役を演じたのは山岸だった。まずは後半途中投入されたウェリントンが競り勝ったボールのこぼれ球を遠めから右隅に決めると、さらにその9分も迫る時間帯に鶴野のパスをゴールへ打ち込んだ。「興奮しすぎました。あの瞬間がサッカーやってて最高です」と、総立ちのサポーターとともに抑えきれない感情を爆発させた。
この日がリーグ戦デビューとなった鶴野が後半32分からピッチへ。山岸は加入当初から「(鶴野)怜樹はすごくポテンシャルがある。粗削りだけど、すごいスピードがあって昔の(古橋)亨梧を見てるみたい」と当時のJ2の岐阜で共にプレーし、現在はスコットランドのセルティックで得点を量産するFWになぞらえていた。大卒ルーキーの力を認めているからこそ、信頼しマイナスのパスに鋭く反応できたのだろう。
エースは開幕4節までノーゴール。試合前、昨季のゴールシーンを動画で見てイメージを膨らませた。「力みがなくシュートを打てている」
この日の前半はシュート3本も無得点。「まだ力んでいるなと。それで、あの時間帯でリラックスしてシュートを打てたのは良かった」。試合終了間際、わずか3分の間に丁寧に2本のシュートをゴールに流し込んだ。
後半40分に攻守の要の前を下げ、FW5人を前線に置いた長谷部監督の選手交代も的中。勢いに乗るには最高すぎる勝ち方で4位に浮上した。「また(観客が)見に来たいと思ったのではないかな」と指揮官は笑みを浮かべた。これでホーム公式戦4連勝。サポーターの後押しも受け、さらに白星を重ねる。(向吉三郎)
西日本スポーツ