髪の隠し方を責められた22歳の死 イランの女性が抱く悲痛な思い

髪の隠し方を責められた22歳の死 イランの女性が抱く悲痛な思い

  • 朝日新聞デジタル
  • 更新日:2022/09/24
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"テヘランでヘジャブの着用が不適切だとして逮捕後、16日に死亡したマフサ・アミニさんの事件について、地元紙は連日のように1面で報じている=2022年9月20日、飯島健太撮影"

イランで22歳の女性が髪を隠す布「ヘジャブ」の着用が不適切だったとして逮捕された後、急死した事件から23日で1週間となる。警察官の暴行を疑う声が上がり、抗議デモは全土に拡大、死者も増え続けている。何が人々を突き動かすのか。同じように逮捕された経験がある女性が、この国の女性たちが抱く悲痛な思いを語った。

「女性、命、自由」求める抗議も イラン、22歳の死亡事件きっかけ

首都テヘランに住む30代の女性は、急死したマフサ・アミニさん(22)に起きたことが、とても人ごとだとは思えない。

「同じ警察署に連行されたことがあるんです」。匿名を条件に取材に応じ、そう打ち明けた。

20代だった2007年夏、知人が婚約者にアクセサリーを贈るというので、テヘラン都心の宝飾店で買い物に付き合っていた。

午後9時前、帰宅前にもう1店舗に寄ろうと、別の店に向かって歩いているときだった。

見知らぬ女性2人が近づいてきて、こう話した。

「服が短すぎる」

彼女たちは「ガシュテ・エルシャド」と呼ばれる風紀警察の警察官だった。今回、アミニさんを逮捕したのと同じ組織だ。

直訳すると「巡回指導」。街中の女性が、ヘジャブやチャドルと呼ばれる布で髪の毛や全身をきちんと覆っているかどうかだけを専門に取り締まる。

女性はこの時、裾の長さが腰までぐらいある上着を羽織っていた。警察官は、それが短すぎて「不適切だ」と指摘してきた。

「裾の長いものが車の中にある。ちょっと待ってください」

そう伝えたが聞き入れてもらえず、警察のワゴン車に押し込められた。

車内には、ほかの場所で逮捕された女性が4~5人、乗っていた。

そこから、急死したアミニさんが連行されたのと同じ、都心のボザラ署に移送された。近くにホテルやレストラン、公園があり、人気の住宅街に位置する。

署に着くと、50人ぐらいが入れるホールで、ほかの女性約20人と椅子に座らされた。

そこで、1枚の書面に署名させられた。

「今後は、適切にヘジャブや上着を身につけます」

そんな内容の誓約書に、名前や年齢、住所を書かされた。

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