読書は苦手!? 芳根京子が“不老不死”の女性を演じる映画『Arc アーク』「きっとこの映画を何度も見返すと思う」【あの人と本の話】

読書は苦手!? 芳根京子が“不老不死”の女性を演じる映画『Arc アーク』「きっとこの映画を何度も見返すと思う」【あの人と本の話】

  • ダ・ヴィンチニュース
  • 更新日:2021/06/10
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毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、主演映画『Arc アーク』の公開が間近に控える芳根京子さん。最初は出演オファーを断ったと話すほど大きな挑戦だった撮影のこと、そしてちょっぴり苦手意識のある読書について、たっぷりとお話をうかがいました。

(取材・文=倉田モトキ 撮影=干川 修)

河野純喜(JO1)「この一年で一番変化したメンバーは景瑚かな。よくわからない自我が芽生えてきています(笑)」

芳根さんがおすすめ本に選んでくれたのは『魔法の言葉 不思議な写真』。プレゼントしてくれたのは母親だったそうだ。

「母はこうした、少し元気になれるようなものをよくくれるんです。いつも“どこで見つけてくるんだろう?”と不思議に思うのですが(笑)、どれもはずれがなくって。この『魔法の言葉 不思議な写真』からも、撮影で京都に長期滞在していた時、毎日のようにたくさんのパワーをもらいました」

いつもにこやかなパブリックイメージどおり、芳根さんはインタビュー中も絶えず楽しそうな表情を見せる。その元気の源はどこにあるのかとうかがってみると、「家族からもらうことが多いですね」とのこと。

「ウチはすっごく仲が良いんです! 家族全員がお酒を飲むので、よくみんなで晩酌しますし(笑)。お父さんがいいお酒を買ってくる担当で、私と母はそれに合わせた料理を作って、帰りを待つ。そうやって全員で揃って一緒に食事をしている時が一番元気をもらえます。ですから、昨年のおウチ時間も全然苦じゃなかったですね。つまらない日が一日もなかったくらい。毎日家族と楽しいことを探して賑やかに過ごしていました(笑)」

閑話休題。話題をおすすめ本に戻し、普段からこうした写真集が好きなのかと訊ねてみたところ、「じつは、本を読むのがあまり得意ではないんです……」と意外な答えが。

「小学生の時、毎朝、読書の時間があったのですが、同じ本を数年持ってました。読み終わらなかったんです(笑)。ずっと同じところを読んでいたりして、もしかしたら体質的に読書がムリなのかもって思ったりもして。今のお仕事をするようになってからも、最初の頃は台本を読む時、ずっとマネージャーさんに監視されていましたね(苦笑)。今は逆に、集中して読みたいと思ったらひとりになりますけど」

映画、ドラマの脚本や原作小説を読む際は、普段と異なるスイッチが入る。気持ちも前のめりになり、作品の世界へぐっと入り込むそうだ。

「台本の読み方としては、最初に自分の役をじっくりと追っていき、次に全体像をつかむように何度も読み直していきます。ただ、今回の映画に限っては読み解くのが本当に大変でした。特に自分が演じたリナに注目して読むと、何がどうなっているのかがわからなくなることがあって。でも、難しい半面、これが完成したら、はたしてどんな映画になるのだろうかとすごくワクワクしましたね」

芳根さんが主演を務めた映画『Arc アーク』は、世界的なSF作家ケン・リュウの短篇小説を映像化したものだ。この作品で、人類史上初めて永遠の命を手に入れた女性を演じた。

「リナは30代の姿のまま年齢を重ねていく。年老いた役を演じるのであれば、腰をかがめたり、皺を作ったりと、見た目にも変化を付けやすいのですが、今回は“不老”ですからそういうわけにもいかなくて。そこで石川(慶)監督に役作りについて相談したところ、石川さんは『きっと行動にムダがなくなるんじゃないかな』とおっしゃったんです。年を重ねることでいろんな経験も積み、何かしらの問題にぶつかっても、その答えにたどり着くための一番の近道をたくさん知っているのではないかと。“なるほど!”と思い(笑)、そこで年を追うごとに、言動に余裕がある感じを出していくように演じていきました。また、永遠の命を手に入れた人間は生き続けることが当たり前になっているから、命について考えることが少なくなり、ずっとその瞬間、その瞬間を生きているのかもしれない。ですから撮影現場でも、“50歳の場面ではこう演じよう”とか、“80代の時はこうしよう”といった計算はせず、目の前のシーンのことだけを考えるようにしていました。それもあって、撮影中は本当にリナの人生を一緒に生きているようでしたね」

誰もが一度は想像し、そしていまだ誰も経験したことのない不老不死の世界――。それだけに、見る人によって、この映画で描かれているテーマに対する感じ方も異なるかもしれない。

「確かにそうかもしれませんね。ただ、世代によって見え方が違ってくるというよりも、どんな環境で育ち、どんな価値観を持って人生を送っているかによって大きく変わってくる気がします。その意味でも、見終わったあとに、いろんな方とどう受け取ったかを話してもらえたらなと思います」

そして、「年齢を重ねたあとに、何度も見返してほしい作品です」とも。

「私自身、きっといろんなタイミングで見直すだろうなと思うんです。今現在、私が自分の人生に対して感じている“色”があり、それは10年後に全く別の色になっているかもしれない。そんな時、この作品を見たらどう感じるのかなって。皆さんにとっても、そうしたターニングポイントで見返すような映画になってくれたら嬉しいですね」

よしね・きょうこ●1997年、東京都生まれ。2015年、ドラマ『表参道高校合唱部!』で初主演を務め、翌年のNHK連続テレビ小説『べっぴんさん』でヒロインに抜擢。19年に映画『累-かさね-』『散り椿』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。現在、ドラマ『半径5メートル』に出演中。

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