アップルは今まで以上に「名前」と「価格」を巧みにコントロール

アップルは今まで以上に「名前」と「価格」を巧みにコントロール

  • ASCII.jp
  • 更新日:2020/09/16
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9月15日(米国時間)、アップルはスペシャルイベントを開催した。Apple WatchとiPadの新製品が発表となり、毎年恒例であったiPhoneは10月に持ち越されたようだ。

今回の発表を見て印象的だったのは、アップルが今まで以上に「名前」と「価格」を巧みにコントロールしている様子が伺えたという点だ。

まず、Apple Watchでは「SE」という名前が登場した。ネットの噂では「廉価版のApple Watchが出るのではないか」とささやかれていたが、まさか「SE」という名前をつけるとは思わなかった。

ただ、今年春に発売されたiPhone SEは、日本国内でもバカ売れしているようだ。コロナ禍でキャリアショップが営業時間短縮を余儀なくされる中、iPhone SEが飛ぶように売れている。昨年10月の電気通信事業法改正により、端末の割引に対して、上限2万円という制限が設けられる中、5万円前後という手の届きやすい価格でiPhoneが手に入るということで大人気となっている。

iPhone SEはサブブランドのUQモバイルやワイモバイル のみならず、BIGLOBEやJ:COMでも取り扱い始めた。今後、さらにユーザーが拡大することは間違いない。

Apple Watch SEは2万9800円(税別)ととてもリーズナブルだ。スペック的には昨年発売のApple Watch Series 5とかなり近い。つまり、Apple Watch Series 5ではなく、SEと名前を付け替えることで、型落ちではなく「目新しさ」を出している。

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また、iPadにおいても、この手法は取り入れられている。

今回、発表となったiPad Airは、デザインテイスト、スペックの一部は2018年発売の11インチiPad Pro(第1世代)にかなり近い。なぜ昔、Proという名称だったのに今年になってAirとなるのか。そもそも「Air」とはどういう意味なのか、問正したくなるが、アップルとしては認知度もあり、人気のある「Air」という名前を残したかったのだろう。

一方で、今回、発表となったiPad(第8世代)は、2019年3月発売のiPad Air(第3世代)と同じA12 Bionicを搭載するなど、スペック、デザイン的にかなり近い。寸法を比較すると、1.4mmだけiPadの方が厚い。もはや、何を持ってAirなのか、無印iPadとの違いはなんなのか、さっぱりわからない。

ただ、長年、同じデザインを続けていれば、生産コストも下がっていくだろうし、結果として、価格はキープしつつも、スペックが上がるというユーザーにとってもありがたい状況になっている。今回のiPadは、学校や子供の自宅学習用に最適なタブレットであり、とても買いやすい値段と言えそうだ。

同じデザインテイストが長く続けば、ケースや液晶保護フィルムなどを製造、販売する企業にとっても大歓迎なはずだ。毎年、同じ金型からつくったケースなどを「新製品向け」として繰り返して流通できるのは相当、美味しい商売なのではないか。

アップルは安売りするイメージはあまりないのだが、毎年、スペックアップする新製品を出す一方で、型落ちになる機種に対しては値段を下げたり、中身を変えつつ、名前を変えたりするなどして、ハイブランドを維持することに成功してきた。

まさにiPhone SEの成功体験が、Apple Watch SEを生み出したのだろうし、近い将来、iPad SEという製品が登場してもおかしくなさそうだ。

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石川 温 編集●飯島 恵里子/ASCII

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