
TSSテレビ新広島
ツートライブの街角スクープです。今回は高校生の情熱がこもった熱い研究を取材してきました。
【ツートライブ】
「今回は広島県立西条農業高校に来ましたよ」「高校なんて来るの初めてよ」「テーマはこちらSSHでございます」「SSH?」「え?知ってます?」「知ってる知ってる。
ソース派?醤油派?は?」「このは?はどういうはや」「なんか必殺技の可能性もあるで、なんちゃらかんちゃら波みたいな」「好きやな。波!みたいな」「それ一発、波ー!みたいなんでお前が決めて」「スーパースローイング波ー!どこ行くねんお前」「うわー」「やられるんかい」
広島県内唯一の農業高校、西条農業高校は農業だけではなく馬術や弓道など部活動も盛んで全国レベルで活躍しています。
【ツートライブ・生徒・教諭】
「農業高校って初めてやな」「初めて入ってきますね。あ、牛がいる」「でっかー!ごっついな」「すいません、こんにちは」「ここの農業高校の生徒さんですか?」「はい」「ちょっと今日のテーマがSSHっていう、何の略かわかる人いますか?」「スーパーサイエンスハイスクール」「スーパーサイエンスハイスクール?具体的には何をする?」「国に指定されていて、国からいろんな支援を頂きながら、なかなか普通の高校ではできない研究に取り組みさせてもらっているという」「なるほど、大学みたいな研究をしてみたりという」「そうですね」
畜産科3年生のこのグループで研究している内容というのが…
【ツートライブ・生徒】
「僕たちは高校牛児として…」「高校牛児?高校球児じゃなくて?」「球児はわかるんですけど、牛児?」「それはふざけてるんですかね」「いやいやいや、全然ふざけてないです。高校牛児としてよりおいしい肉質を短い期間で作るために、一生懸命研究を続けていて、今年の和牛甲子園では優秀賞という一番上から2番目の」「うわー、すごい!」
和牛甲子園は農業高校で育てられた和牛の飼育について競う大会です。
(VTR)
「我々は牛児マンシップにのっとり牛とともに青春を謳歌することを誓います」
今年1月に開かれた大会で西条農業高校は過去最多!40校の中から、取り組み評価部門で、優秀賞に輝きました。
【ツートライブ・生徒】
「コロナ以前は全国各地の高校牛児が東京に集って、実際に生で発表して評価してもらう」「俺の近所にこんな和牛甲子園に出ている人いなかったけどな」「俺もおらんかったよ、初めて聞いたよ」「役割とかあるの?」「はい」「え?リーダー?」「はい、一応リーダー」「だから青のジャケット着てるんや」
それでは、実際の研究を見せてもらうため、清潔な白衣に着替えて、牛舎に向かいます。
【ツートライブ・生徒】
「うわー、こんなにでかいんや」「はい」「ちょっと待って、これ、えひめちゃん?」「あいひめです」「愛姫ちゃん、誰か担当しているのは?愛姫ちゃん、これ言っていい?愛姫ちゃんと俺、誕生日一緒や」「あ、ほんまや。9月11日や」「愛姫ちゃんのこと、頼んだで。めちゃくちゃ親近感わくわ」
彼らの研究でカギとなるのが、このペレット状の飼料です。日本酒の醸造過程から出る赤ぬかを地元の酒蔵・賀茂鶴からもらい受けて作っています。
【ツートライブ・生徒】
「赤ぬかっていうのはまず何なの?」「赤ぬかっていうのは、酒ぬか米っていうものがあって、そこからとれる赤ぬかっていうのがあるので、そこを粉末状にして、さらにそれを水と混ぜ合わせたものが、この赤ぬかペレットになります。赤ぬかを与えることによって飽和脂肪酸が含ませられてより良い肉質へと向上させられるので」「だからたかのりも食べたらおいしくなるっていうこと?」「そうですね」「誰が食うねん」
通常、牛が出荷できるサイズまで育つには、28か月ほどかかりますが、赤ぬかペレットを与えると24か月で、出荷レベルにまで育てることができたといいます。
【ツートライブ・生徒】
「短期飼育にすることによって、どういうメリットがあるんですか?」「短期肥育にすることによって、より経費を落とすことによってより牛舎の仕事の回転率を上げるために」「なるほど、普通よりも4か月くらい早いということは、4か月分の経費が浮くということやもんね。飼料とか人件費とか」「今回また2位やったわけやから、次で奪還ということで」「次、愛姫で勝負するんやね?よっしゃ、愛姫」「がんばって誕生日一緒やから。
愛姫がんばれよ」
こちらでも、研究が行われているということで…
【ツートライブ・生徒】
「どうもこんにちは。みなさんがここの生徒さんということで…」「Fって何?不二子・F・不二夫みたいなこと?」「違いますよ、F山田とかじゃないですよ」「どういうF?」「フードサイエンス、食品科学のFです」
彼らが研究しているのは、きのこです。
手に持っている白い物体はきのこを栽培する菌床なんです。
【ツートライブ・生徒】
「普通のキノコ栽培は木のくず、おがくずをベースとして菌床を作るんですけど、僕らの研究はもみ殻を使って、菌床を作る研究をしています」「もみ殻というのは、米を精米するときにバーッと出るやつですか?」「そうですそうです」「わざわざ、もみ殻でやる理由っていうのは何なんですか?」「いま日本の農業問題として、もみ殻の廃棄する場所が問題でして、自然にはなかなか帰りづらくて」「えー!今までやったらもみ殻って処理にお金がかかっていたっていうことや。燃やすなりなんなりせなあかん状態やった」
もみ殻は国内で毎年140万トンほど発生し、そのうちの2割が廃棄されているということです。
彼らが挑戦しているのはもみ殻だけで、菌床を作りきのこを生やすことです。
もみ殻は水をはじく特性を持ち、分解が遅いため、どうすれば菌床ができ、きのこが生えるのか?すりつぶす細かさや、圧縮する強さなど様々な条件を試し、ヒラタケときくらげ、2種類のきのこの栽培に成功しました。
この研究は、今年3月に行われた高校生や大学生が新しい農業のアイディアやビジネスプランを競うアグリテック甲子園で、最優秀賞を獲得しています。
【ツートライブ・生徒】
「ヒラタケとかきくらげというのは、菌が、菌糸の生育が強いんですよ。だから結構な条件下でも菌糸が生えるんですが、比較的シイタケとかって弱くてですね。それでも菌が蔓延するようにということで、色んな条件を変えて」
それではシイタケ研究の現状を見せてもらいます。
【ツートライブ・生徒】
「あ!これ?」「ほんま食パンみたい」「これは?」「白いのが菌糸っていうんですけど」「これはきのこ菌がもう蔓延してんねや」「はい」「生えてくるん確定や」「いや、まだわくかは…」「あ、まだ分からんのや。もみ殻とおがくずの大きな違いって何なんですか?」「おが屑、木と、もみ殻は似たような成分でできています」「木ともみ殻って近いんや」「もともと近い。何回も挑戦しているんですが、まだシイタケがなかなか成功しないので」「えー、なんでやろ」「色んな条件を変えて実験しているところです」「ちなみにもみ殻だけで生えてきたとするやん、きのこが。ほんならこれは他に例がある?」「いや他にはないです」「生えさすことができたら、ここがパイオニア?」「パイオニアです」「パイオニアなん?これちょっと本当に成功させたいですね」
「今ちょっとちらっと見えたんですけど、これ何?」「これがヒラタケ?」「ヒラタケです。これもみ殻です」「うーわ。ちゃんとできてるやん」「後はシイタケを待つのみっていうことなんですね」「シイタケ成功したらもうパーティですね。シイタケって何で食べる?」「鍋で食べたいです」「鍋のシイタケうまいもんな。松上君は?」「そのままで」「そのままで。うわー通やね」「山田君は?」「炭火焼です」「すみびやき」「みんなもう越えて来よう、越えて来ようとしてるやん。川西君は」「シイタケ苦手なんで」「苦手なんかい」「キレイにそこ3人で落としてくれたな」
「このチームでこういう研究をしたいとか、こういう成果を出したいとかあるんですか?」「今後はこのシイタケの研究を成功させて、農家の皆さんに自分たちの研究の成果が届けられるように頑張っていきたいです」「これ、生えた暁には挑戦してみようよ、川西君も」「いや大丈夫です」「ははははは」「本日はどうもありがとうございました。ちなみに何ですけれども、他に研究しているところあるんですか?」「あります。ちょっとユニークな研究をしているグループが」「ユニークな」「えー!」
次回は将来の食糧危機を救う?未来のたんぱく源として期待される食材を取材します。