Oculus史上最高解像度で3万円台からのスタンドアローン型VRHMD「Oculus Quest 2」が登場

Oculus史上最高解像度で3万円台からのスタンドアローン型VRHMD「Oculus Quest 2」が登場

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  • 更新日:2020/09/17
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Facebook傘下のOculusは、VRヘッドマウントディスプレー(VRHMD)の新製品「Oculus Quest 2」(以下、Quest 2)を発表。9月16日から予約受付を開始し、10月13日から販売する。価格は64GBモデルが税別3万3800円、256GBモデルが税別4万4800円。

Amazonなどのネットショッピングをはじめ、ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、GEOなどで店頭販売も実施する。Oculus製品の日本での店頭販売は今回が初めて。

Oculus Quest 2は、PCと接続せずにVRコンテンツが楽しめるスタンドアローン型のVRHMDでありながら、上下左右の移動+回転まで認識できる6DoF(自由度)対応モデルの次世代機。傾きや回転のみを認識できる3DoFのスマホVRなどと比べて、より幅広いコンテンツ表現が可能になっている。

今回、発売に先駆けて本製品を試用できたので、そのファーストインプレッションをお届けする。

前世代からカラーを一新

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VR業界において“Oculus”といえば、言わずと知れたVRHMD開発の雄。2018年に発売したスタンドアローン型VRHMDの「Oculus Go」は、当時実売2万円台という価格で、PC接続の必要もない手軽さ・スマホVRよりも高品質なVR体験ができる性能を備えており、一時日本市場でも話題になった。

そんな同社から新たに登場したOculus Quest 2は、その名が示す通り2019年発売の「Oculus Quest」(以下、Quest)の後継機。カラーを黒から白に改め、製品のイメージはがらりと変化した。

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パッケージを開けたところ。VRデバイスにしてはかなりすっきりした内容だ

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同行物は、本体とコントローラー×2、ACアダプターと充電・PC接続用のUSB Type-Cケーブルなど。右上に見えるのは、本体とフェイシャルパッドの間に入れて眼鏡が入るスペースを確保するためのスペーサーだ

重量は、実測で504g。初代のQuestが実測580gだったのに比べて、76g軽量化している。見た目に分かりやすいのはヘッドストラップの材質の変化。Questが柔らかいプラスチック製だったのに対し、Quest 2は布製になっている。本体の大きさはそれほど大きくは変わっていないが、若干小さくなっているようだ。

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左がQuest、右がQuest 2。本体は少し小型化

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重さは実測で76g軽量化している

インターフェースとしては電源ボタンと音量+/-ボタン、USB Type-C、3.5mmジャックを備える。Questで左右1つずつついていたオーディオジャックは1基減っている。

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正面から見て左側に電源ボタンと、充電中などの状態を色で示すインジケーター

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USB端子とオーディオ端子は正面から見て右側についている

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本体下部には音量ボタンとマイク

コントローラーに関しては、左右それぞれに親指のボタン2つ、アナログスティック、メニュー表示のOculusボタン、人差し指部分のトリガー、中指部分のグリップボタンを備える。親指部分のスペースがQuestのコントローラーより大きくなったことで、リングの穴が大きくなり、指がひっかりりにくいデザインにしたとのこと。

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左がQuest、右がQuest 2のコントローラー。親指部分のスペースが前世代と比べて広くなっている

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上部にはボタン2つとスティックを配置

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人差し指のトリガーと中指のグリップボタン。ボタン類の配置は前世代と変わっていない

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コントローラーは単三電池で動作する。出荷状態でコントローラー内に最初から電池が入っているので、絶縁シールを引き抜けば使える

そのほかの違いとして、IPD(瞳孔間距離)の調整の仕方が変わっている。あまり聞き覚えのない言葉かもしれないが、要は左右のレンズの距離のことだ。

VRHMDは基本的に、このIPDの調整機能がある。両目の間の距離は個人差があり、これに対してVRHMDのレンズの位置が適切でないと、違和感のある映像でVR酔いの原因にもなる。それゆえ、ユーザーがIPDを自分で調整できるようになっている製品が多い。Quest 2の場合は、IPDは58/63/68mmの3つの段階から調節する。調節時にはレンズ部分を直接つまんで、広げたり狭めたりする設計だ。

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レンズをつまんで、3段階の位置に調整できる

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現在のIPD設定によって、眉間部分にあるインジケーターの数字が1~3で変化する

前世代のQuestでは、IPDは段階ではなく自由な位置で調節できた。また、レンズをつまんで動かすのではなく、本体下のスライダーを動かすことでレンズが移動する仕組みだった。これによって実際に装着して画面を見ながら調節できたのだが、Quest 2は一度外さなければならないため、若干不便になったような感じはする。

とはいえ、IPDは一度設定すれば自分が使う分には変更する必要もないので、最初の設定が済めばとくに気になることもないだろう。

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実際に装着した様子。奥行きがないので安定感がある

実際に装着してみると、筆者がこれまでに体験したVRHMDのなかでは抜群にいい付け心地だ。スペックは高いものの大型で重く、ケーブルで動きを制限されるPC接続型VRHMDは、長時間使用すると首や肩が凝ったりしやすいが、小型・軽量のスタンドアローン型VRHMDは、格段に身体への負担が小さい。

同じスタンドアローン型でも、Questと比べるとやはり軽量化しているのが分かる。Oculus Goほどは軽くはないが、Oculus Goは本体の厚みがあるので重心が前にあり、前への傾きで目元下に重みがかかることがあった。Quest 2の方が本体が薄く、重心が手前に寄っている分、そうした傾きがないようだ。

PC VRも超えるOculus史上最大の解像度

Quest 2は付け心地だけでなく、スペック面でも大きくパワーアップしている。6Dof対応なのは初代Questと変わりないが、そのうえでQuest 2では、ディスプレー解像度が3664×1920ドット(1眼あたり1832×1920ドット)になり、2880×1600ドットのQuestから50%増加している。3664×1920ドットという解像度はOculusとしては史上最高、現行のVRHMDのなかでもかなり上位で、ほとんどのPC接続型VRHMDよりも高精細だ。

近年のVRHMDは高解像度化が進み、ディスプレーのドット間のスペースが網目状に見えてしまう“スクリーンドア効果”などは感じづらくなっているが、Quest 2ではそのなかでもトップクラスの精細さになる。

リフレッシュレートは、ローンチ時で72Hz、今後90Hzにも対応するとのこと。スタンドアローン型VRHMDは最大リフレッシュレートが72Hz~75Hzのものが多い中、PC接続型VRHMDにも匹敵する90Hzをサポートするというのは驚異的ともいえる。VRゲームはもちろん、高解像度のVR映像作品などを楽しみたい人にも、Quest 2はピッタリなデバイスだ。

また、Quest 2はベースステーションを使わず、本体のカメラで6DoFの位置情報を判断するが、トラッキングにおいて不具合や遅延などは全くない。コントローラーなしで素手だけで操作可能なハンドトラッキングも実装しているが、その精度もかなりのものだ。

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コントローラーなしでもハンドトラッキングで操作可能

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トラッキングの精度はかなりのもので、指の動きなどもしっかり認識している

もう1つコンテンツ体験に影響を与える要素として、本体のみで3Dオーディオを表現可能なシステムを搭載している点も見逃せない。ヘッドストラップ部に搭載されたスピーカーで、ゲームなどでの位置オーディオを再現できるようになっている。

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ヘッドストラップ部のスピーカーは、位置オーディオを再現可能

今回、試遊としてVRバトルロイヤルゲーム「POPULATION: ONE」をプレイしたところ、上空の飛行機が通り過ぎていくときの音の流れや、敵の銃声の方向なども、このスピーカーだけで結構判別できた。

もちろん3.5mmジャックにイヤホンやヘッドホンを差して使用してもいいのだが、VRHMDは目元を完全にふさぐデバイス。そのうえヘッドホンなどで耳までふさぐと、その圧迫感は意外と馬鹿にできない。そんな中、耳をふさがずにこれだけ3Dオーディオを再現できるというのは、快適かつ高品質なゲーム体験をサポートする上で有用な機能だ。

ちなみにQuest 2のSoCには、クアルコムのXR向けプラットフォーム「Snapdragon XR2」を採用している。Snapdragon XR2は、SoCのポテンシャル上では、次世代の移動通信システム5Gや、8K 360度動画の60fps再生にも対応しているという。こちらにおいてもQuestのSnapdragon 835から大きくスペックアップしていることになる。

最大の魅力は価格! コスパ最強VRHMD

次世代機になって一番注目すべき変化は、実は性能よりも価格設定かもしれない。ここまで見てきた通り、Quest 2は前世代に比べて大きくスペックアップしている。にもかかわらず、価格はQuestよりも安価だというのだから驚きだ。

前世代のQuestは最もストレージ容量が少ない64GBモデルが5万円前後という価格だったため、Quest 2では同容量で1万円以上安いことになる。また、Questは128GBモデル、Quest 2は256GBを上位モデルとして用意しているが、なぜかQuest 128GBモデルよりもQuest 2 256GBの方が安くなっている。

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Questは128GBまでしかないが、Quest 2の上位モデルは256GB。しかも安い

加えて、今回はOculus初の日本での店頭販売も実施する。ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、GEOなどで販売するとのこと。大型の家電量販店にも入荷することで、通りすがりの人の目にも留まりやすくなり、なかなか知識を得る機会のないVRデバイスについて、販売員の方に尋ねることも可能。場合によっては、店頭で体験もできる可能性もある。

なおQuest 2本体のほかにも、各種のアクセサリーも発売される予定だ。本体やコントローラーなどを収納して携帯できる「Quest 2携帯用ケース」(税別6100円)や、顔の大きさに合わせて取り換えられる大小2個のフェイシャルパッドなどを同梱する「Quest 2フィットパック」(税別4800円)などが販売予定。

加えて、バッテリーを内蔵することでQuest 2の駆動時間を延ばせる専用ヘッドストラップなどが入った「Quest 2 Eliteストラップ バッテリーおよび携帯用ケース付き」(税別1万6000)も販売する。Quest 2はバッテリー駆動時間が2~3時間と少々短めだが、このバッテリー内蔵ストラップをつけることでより長い時間VRを遊んでいられるわけだ。

そのほか、初代Questでも対応していた拡張機能「Oculus Link」用のケーブルも販売する。価格は税別9800円。Oculus Linkは、スタンドアローン型のVRHMDをPCと接続することで、高性能なビデオカードの演算能力などを活用し、より多様なVRコンテンツを遊べるようにする機能だ。手軽に遊びたいときはQuest 2単体で、じっくり遊びたいときはOculus LinkでPC VRを楽しむといった使い方もできるようになっている。

これからVRを始めるならコレに決まり

過去のOculusデバイスの日本での人気を見てみると、もっとも安価な価格設定だったOculus Goが比較的広い購買層を獲得したのに比べ、その後に発売したQuestは、Oculus Goほどの話題性を得ることはなかった。スペックは格段にアップしたものの、「ちょっと買ってみる」というレベルの値段ではなかったことで、もともとVRに興味があった人たち以外にはそれほど受け入れられなかったのだろう。

その点においてQuest 2は、Oculus Goほどは安くないものの、手の届く価格帯には収まっているといえる。そのうえで性能の向上は著しく、負荷の高い高品質なVRコンテンツも大いに楽しめる。

セッティングも既存のVRHMDと比べて非常に簡単。セットアップにiOSまたはAndroid端末が必須になるものの、本体を起動して画面の指示に従っていけば、実作業は30分もかからずに完了するだろう。めんどくさいPCとの接続やトラッキングのためのベースステーションの設置も必要もなく、VR初心者でもすんなりゲームを遊べる段階に入れるはずだ。

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セッティングはスマホアプリと連動して行なう

総じて、VR体験のハードルを下げながらも、遊べるコンテンツの質は高いレベルに確保された、非常に完成度の高いプロダクトだと感じる。これからVRを始めたいという人にとって、入門機としても大いにオススメできる製品だ。

前述の通り、Quest 2は日本での店頭販売も実施するので、気になるけど買う決心がつかないという人は、とりあえず置いてある店に見に行ってみるという手もあり。お近くの家電量販店をチェックしてみよう。

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高橋佑司 編集●ASCII

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