イギリス国内の旅: #3 世界遺産Bath (バース)老舗TeaRoom"Sally Lunn’s Historic Eating House & Museum"

イギリス国内の旅: #3 世界遺産Bath (バース)老舗TeaRoom"Sally Lunn’s Historic Eating House & Museum"

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  • 更新日:2023/05/26

「Bathに来たら是非ally Lunn’sに行ってみてください。」それは、「イギリスらしいTeaRoomでの時間や、このHouseの歴史、そしてここで食べられるパンについて深い歴史がある」から。

https://www.sallylunns.co.uk/

さて、カフェやレストランが込み合う前に、午後12時過ぎに老舗tearoom「サリーランズ」に入ることにした。

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カフェの前に行くと、"Sally Lunn's The Olderst House in Bath c.1482"と書かれた看板が目に入る。

c.1482(1482年)とは?(この年に興味を持って調べてみた)

Traditionally a date of 1482 had been ascribed to this house, which probably refers to a rebuilding of the fireplaces and chimneys of the parlour adjacent to the refectory during the monastic period.

この Houseが再建された1482年は、ヨーク朝(York) エドワード4世の時代(日本は室町時代)。「恐らく、このHouseは1482年に修道院の食堂に隣接した客間の暖炉や煙突の立て直しされたものだろう」と言うことだ。

更に調べていくと、

In the period before Sally Lunn, the site was part of the Benedictine monastery….. Excavations show that it was the likely site of the kitchen for the monk’s refectory.「サリーランズ」の前は、この場所はベネディクト会修道院の一部だった。発掘調査によると、修道僧の食堂のキッチンであった可能性がある

The house has a hospitality tradition starting in the Roman period [AD 200] moving through the monastic period up until the dissolution [1539] and continuing to this day. このHouseの歴史は、ローマ時代200年(日本は弥生時代)「ホスピタリティの伝統」にまで遡り、1539年のCatholic Church (カトリック教会)の消滅までの修道院時代を経て、現在まで続く。(ちなみに、Bath(お風呂)という言葉の語源になったバースは、2000年の歴史を有する温泉街)

1539年イギリスで何が起こった?
Tutor朝のヘンリー8世は、自身の離婚と再婚の為に「Catholic Church (カトリック教会)」を廃止し、(現在の)「the Church of England(イギリス国教会)」を設立し、イギリスのCatholic Church (カトリック教会)の修道院や修道僧が迫害された。

さて、歴史のお話しはこの辺りで終わりにして、話を食に戻す。建物の中に入ると、造りの小ささと歴史を感じた。1階はすでに満席だったので、私は2階に通された。

案内してくれたスタッフの方に「店内の写真をとってもいいですか?」と尋ねると、「もちろん、いいですよ」笑顔で。案内された部屋に入ると、こじんまりとした空間にテーブルと椅子が敷き詰められて、私が二人席テーブルにつくと満席になった。

古い青い磁器の皿が壁一面に掛けられていて、とても可愛いイギリスらしいTeaRoomの雰囲気だった。その雰囲気を写真におさめたく室内を撮ろうとしたら、どうしても他のお客さんが楽しく会話をしながら食事をしている姿が写真にはいってしまう。しかも、近距離で写真を撮るので、「他のお客さん達が気を悪くする人もいるかもしれない」と思い、ちょっと店内を撮るのを遠慮した。下の写真が唯一の店内写真だった。

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2階の部屋

午後12時だったが、ランチではなく、「Bath Cream Tea(下)」を注文した。紅茶含み£12.65(約2100円)だった。少々お高い感じがしたが、観光地なので仕方がないか。

私がイメージするCream Tea(スコーンにジャムとクロテッドクリームと紅茶)とは様子が違っていた。

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The Bath Cream Tea

Bath Cream Teaは、紅茶、クロテッドクリーム、シナモンバターが塗られていたこの店の有名なパン(the Sally Lunn Bun)だった。イギリスのパンとは異なり、柔らかくフワフワしたパンだった。「日本の食パンの様なシフォンケーキの様なフワフワ感かなぁ~」なんとも形容しがたいパンだった。とにかく「軽い!」食感だった。

お腹も満たされ、Bathでやりたかった一つも達成できた。支払いを済ませ、部屋を出ると、「Shop Museum」の文字が地下へと誘っていた。

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地下へと階段を下りていくと、小さなミュージアムがあった。当時のパン屋の様子に迫力を感じた。そして、そこだけ17世紀からずっと時が止まっているような雰囲気だ。

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一人でゆっくり見ていると、Museumのスタッフの方がいらっしゃったので「写真をとってもいいですか?」と言うと、「もちろんいいですよ」

「Bathは歴史深い素晴らしい街ですね。」と言うと、彼女はニコッと笑われた。

「先ほどThe Bath Cream Teaを頂きました。とても美味しかったです。でも、イギリスでの所謂Cream Teaとは違いますね。特に、頂いたパンはイギリスパンとはとても異なるパンでした」と言うと、彼女は次の様に私に語り始めた。

「この歴史は1680年まで遡ります。フランス人ユグーノ教徒(プロテスタント)であった少女Sally Lunnがルイ14世(カトリック)の弾圧の逃れイギリスへ亡命してきました。その時母親のこのパンのレシピも手に持って。Bathでそのレシピのパンを焼き始めたのです」

彼女の話を聞いて、「なるほど、1680年イギリスは既にイギリス国教会(プロテスタント)だったので、少女Sallyはプロテスタントの国イギリスに亡命したんだなぁ~」と知識が深まった。

「そういう歴史があるんですね。これは、フランスのパンだったのですね」

このパンがイギリスに渡ってきた経緯やその時代の歴史を聞き、先ほど頂いたパンに愛着がわいてきた。フランスから命がけでBathに逃げてきて、彼女をここまで有名にした彼女の母のパンのレシピ。300年以上たった今でもそのパンを食べられたのだ。

Museumのスタッフの方から「Bathにはどのくらい滞在されますか?」と聞かれ、「今日1日です」と答えると、残念そうな顔をされた。「でも、またBathに戻ってきます!魅力的な街ですから」

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「Bathの街を歩いていると、土地の高さの違いが分かると思いますよ。(上の写真のドアを指さして)あそこにあるドアを見てください。あのドアはこの店の当時の入り口でした。今では、地下レベルですが、当時はGroundレベルだったのですよ。度重なる洪水で地盤が上げられ、今のGroundレベルまで高くなったのですよ」と教えてくれました。

このお話しを聞いて、Bathの街歩きが楽しみになってきた。

旅の楽しみは、有名な場所に訪れて、「心が刺激され、新しい知も得ること」だけど、「旅先で出会う人たちとの会話」も旅の醍醐味だと思う。

英語が全く話せなくて、英語から逃げ出した時期もあったけど、「英語が好きで英語を勉強し続けてよかった」と思える瞬間だ。

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Yumiko

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イギリス在住の大学講師 / 41歳英国大学修士課程の学位取得 / 英国大学博士課程中退 / 英語の勉強方法やイギリスでの生活(仕事、文化など)発信

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