世界一燃費が悪いクルマ選手権 リッター3.87kmの1位は?

世界一燃費が悪いクルマ選手権 リッター3.87kmの1位は?

  • 日刊SPA!
  • 更新日:2021/02/21

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

◆燃費が悪いクルマ選手権開催! 世界一燃費が悪いクルマは何か?

燃費が悪いクルマを調べてみると、驚くことに上位には高級車がズラリ。「高いのに燃費が悪いなんて!」と思うかもしれませんが、高いクルマを買える人にとっては燃費なんて大した問題ではないのです。そういう人は、クルマに燃費を求めていないので。まあ、小難しい話はともかく、世界一燃費が悪いクルマだけでも覚えて帰ってください!

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CAR WITH BAD GAS MILEAGE

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi

◆燃費が悪い=環境に悪いと決めつけないで!

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それにしても、カウンタックの給油口ってこんなところに隠れてたんですね。ガソリンスタンドで、カウンタックの給油口がわからずに困っている人を見かけたら、「ここだよ!」と教えてあげてください

カウンタック(’89年式)を買って3か月。先日給油の際に燃費を計算したところ、リッター2.3㎞と出ました。

杉並区の自宅から湾岸のほうまで往復しただけで(約80㎞)、ガソリンが34.7リッターも入ってしまったのです。何かの間違いかと思ったけど、確かに入ってしまいました。

いや別に、カウンタックがどんだけ燃費が悪くてもいいんですよ、滅多に乗らないから。それにしてもリッター2.3㎞は、これまでのカーマニア人生で最悪の数字だ。ぜんぜん飛ばしてないし、渋滞もなかったのに! ヤリスハイブリッドならリッター32㎞くらい走ったんじゃないかっていう好条件だっただけに、軽い衝撃を受けました。

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ランボルギーニ・カウンタックアニバーサリー/2.3km/Lぐらい?

カウンタックオーナーに聞いてみると、「燃費はだいたいリッター3㎞くらい」とのことですが、この数字、現代の極悪燃費車と比べてどうなのか? そこで、実燃費に一番近いと言われる、アメリカEPA燃費のテストデータ(’20年モデル)を閲覧してみました。

◆ワースト1位はやっぱりランボルギーニ!

すると、ワースト1位はやっぱりランボルギーニ! カウンタックの直系子孫にあたるアヴェンタドールの限定モデルSVJが、リッター3.87㎞で栄冠に輝いておりました! さすがランボルギーニだ!

このEPA燃費というヤツ、ごく普通の走り方をした場合の数値なので、今回のカウンタックのリッター2.3㎞とはかなりガチで比較できる。つまり、30年間の技術の進歩により、馬力を455(カウンタック)から770(アヴェンタドールSVJ)に向上させつつ、ガソリンを無駄なく燃焼させることで、大幅な燃費アップも実現してるんですね!

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ランボルギーニ・アヴェンタドールSVJ/3.87km/L

◆ワースト2位

ワースト2位はブガッティ・シロン。こちらは8000ccの16気筒クワッド(4個)ターボで1500馬力、最高時速420㎞を誇る、ジェット機並みの性能の持ち主だ。それがアヴェンタドールSVJよりちょっとだけ燃費がいいんだからスゲエ! お値段は3億円。ガソリン代なんざ空気みたいなもんだ!

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ブガッティ・シロン/3.91km/L

◆ワースト3位

ワースト3位はベントレー・ミュルザンヌスピード。スーパーカーではなく、超高級セダンがこの位置に食い込んだのがスバラシイ!

ところでこのワースト3、すべてフォルクスワーゲングループのクルマです。ランボルギーニもブガッティもベントレーも、フォルクスワーゲン傘下なのですよ! フォルクスワーゲン本体はCO2削減でヒーヒー言ってるけど、極道息子たちにはまだ好きなようにやらせている。つまりこういうクルマは文化財ってこと。欧州自動車文化の懐は深い。

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ベントレー・ミュルザンヌスピード/4.55km/L

◆国産車の燃費ワースト1位は…

じゃ日本はどうなのかというと、国産車の燃費ワースト1位は、レクサスLX570のリッター6.29㎞だ。ランドクルーザーをベースに、国産最大の5700cc・V8エンジンを搭載し、車体も2.7トンとメチャ重い。私はかつてこのLXで混んだ都内を走り、リッター2㎞台をマークしたことがありまする。

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レクサス・LX570/6.29km/L

でも、かつては日本にも、もっと燃費の悪いクルマがあった。その代表がユーノスコスモの3ローターモデル(20B)! もともと燃費が厳しいロータリーエンジンを1.5倍デカくして、V12エンジン並みの滑らかさとパワフルさを目指したマツダエンジニアリングの金字塔なれど、極悪燃費でも金字塔! フツーにリッター3㎞を切ると言われた燃費は、真にカウンタック並みだった。

ただ申し上げておきたいのは、地球温暖化の敵は、燃費ではなくガソリンの使用量ってことだ。燃費がどんだけ悪くても、走らなければCO2は出ない! つまり、滅多に乗らないスーパーカーは決して環境に悪くない! アヴェンタドールの後継モデルはハイブリッドになるけれど、ホントはそんなの必要ない!

それよりも、アメリカ人が普段乗り回してるフルサイズピックアップトラックのほうが、地球環境への負荷ははるかにデカい! 燃費が悪いクルマにもいろいろあるので、一概に糾弾するのはやめましょうネ!

▼アメリカEPA燃費ワースト10(’20年モデル)

順位/ブランド/車名/EPA燃費(㎞/L ※マイルパーガロンを換算)

1.ランボルギーニ アヴェンタドールSVJ 3.87

2.ブガッティ シロン 3.91

3.ベントレー ミュルザンヌスピード 4.55

4.パガーニ ウアイラロードスターBC 4.94

5.ロールスロイス ゴースト 5.06

6.シボレー K10シルバラード4WD 5.14

7.ダッジ チャージャーSRT 5.27

8.シボレー カマロZL1 5.31

9.メルセデスベンツ マイバッハS650 5.31

10.ランボルギーニ ウラカンペルフォルマンテ 5.48

※アメリカEPA発表の燃費データをもとに著者作成

EPAとは米環境保護庁のことで、EPA燃費は、アメリカ国内で売られるすべてのクルマを対象に調べられています。ランキングを見て驚くのは、ランボルギーニが2台も入っているのに、フェラーリが入っていないこと。フェラーリって燃費が悪そうなのに意外でした。

◆【結論!】

極悪燃費の上位を見ていると、なぜか心が和みます。ただ、このちょっと下には、巨大なピックアップトラックがずらっと並んでいて、少し心が波立ちます。ピックアップはアメリカ人のゲタ。それを本当に電動化できるのだろうか。

―[道路交通ジャーナリスト清水草一]―

【清水草一】

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中。清水草一.com

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