【経営者必見】会社の「エース」と「キーパーソン」の圧倒的違い

【経営者必見】会社の「エース」と「キーパーソン」の圧倒的違い

  • 幻冬舎ゴールドオンライン
  • 更新日:2023/01/25
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キーパーソンとは鍵になる人材のことです。組織変革だけではなく、経営の事業推進にも有効活用できる人材です。大切なのはその人自身の心のエネルギーと資質です。経営者たちが抱える「組織変革」の悩みを組織改革コンサルタントの森田満昭氏が解説します。

組織変革は非公式から始まり公式に移行する

■キーパーソンの特徴

組織変革に前向きな人は、みんなキーパーソンです。他者に働き掛け、自ら行動する人です。

大半のキーパーソンは発言が多く、言いたいことはきちんと主張します。寡黙ではありませんし、仕切り屋でもありません。人の話もきちんと聞くことができます。ワークショップでは「心理的な安全性を高めて対話をしましょう」と話しているので、議論的にならずに相手の話を理解しようと努力します。

オフィシャルではない場面でも同様です。例えばランチで「こんなことをやって、会社が変わると思うか?」と同僚に聞かれたら、「俺は変わると思うよ。だって俺自身も変わってきたし、社長が怒らずに座っているだけでも変わったということじゃない?」などと最初に言い出せる人です。

また、キーパーソンは変革に向けた取り組みにポジティブに乗ってくれます。私がコンサルを行うときはワークショップを開いたり、1カ月間実践するアクションを決めてやってもらったりします。たいていみんな忙しいので、なにか新しいことをやると「またこんなことをやらされるのか」と思う社員も出てきます。しかし、そのときキーパーソンはポジティブに取り組み、頑張る姿を周りに見せます。また「自分はいい会社にしたい。だから一緒にやろう」など、前向きな発言ができます。それによって周りも「あいつを見ていると俺もやらざるを得ない気持ちになる」と動くのです。

■キーパーソンの活躍

組織変革にはステージがあります。最初はインフォーマル(非公式)から始まり、やがてフォーマル(公式)になります。

インフォーマルとは、会社の経営計画のなかに入っていないことです。例えば「気持ちのいいあいさつをする」といったことです。キーパーソンが自発的に行動を始めて、「君のあいさつは気持ちがいいね」「水曜日は俺も玄関に立って一緒にあいさつするよ」などと、アクションの輪が広がっていくのです。そのような活動をインフォーマルな形で続けていきます。

やがてインフォーマルな対話会が始まります。それを継続していくと「対話会は第3金曜日の15 時から1時間」など、徐々にフォーマルなイベントになっていきます。キーパーソンが担当に任命され、社外会議室や菓子の費用が経費として落とせるようになります。

社員が社外研修を企画するようになれば完全にフォーマルになり、予算も付いて年間行事に組み込まれます。

キーパーソンが活躍するのは、最初のインフォーマルのステージです。対話会の事務方として場を設定し文具をそろえたり菓子を用意したりする役割、あるいは参加者として質の高い問いを発する役割です。対話会で「上の幹部がだめだからどうしようもない」と発言する人たちがいたとしても、キーパーソンは「でも楽しく働きたいから、俺たちにできることはないだろうか」という問いかけができるのです。

私は「あなたがキーパーソンですよ」と直接は言いませんが、ワークショップなどで全体に語りかけます。「今日は3回目のワークショップですが、何人かキーパーソンが生まれているように感じます。場の空気を変えてくれてとてもうれしいです」と話すと、心当たりのある人は「俺のことを言ってるな」「あいつがキーパーソンだな」と感じます。

適性には「キーパーソンの法則」がある

■キーパーソンの適性

キーパーソンとは鍵になる人材のことです。組織変革だけではなく、経営の事業推進にも有効活用できる人材です。大切なのはその人自身の心のエネルギーと資質です。

心のエネルギーはプラスでもマイナスでもかまいません。不満ばかりで強いマイナスに見えても、本当は「会社を良くしたい」というプラスの気持ちが逆転したものであることがよくあります。ですから、プラスかマイナスかよりも、心のエネルギーの絶対値を見ることです。不満が多い人ほど、改善できることが分かればもっていたエネルギーが一気に良い方向に向くことが多いからです。

そういった人がいた場合、経営者は「あの難しい社員も俺次第でなんとかなるかもしれない」と本人以上に可能性を信じ、扉を開くチャンスをあげるべきです。なにかを変えないとなにも変わりません。経営者が「あいつはだめだ」と思い込んでいる限り、彼はだめな社員であり続けます。しかし、必ず変われるきっかけはあります。キーパーソンを見つけようという経営者の意識がそのきっかけになれば、その時点で組織変革は始まるのです。

発言の数が多いことはキーパーソンの特徴ですが、軽口をたたくこととは違います。場を盛り上げたら「あいつは話がうまい」と仲間からの評価が上がります。仲間にツッコミを入れたり、あるいは自分にノリツッコミしたり、場を仕切って盛り上げようとします。

エースと呼ばれている人に多い傾向であり、経営者は「キーパーソンになるんじゃないか」と思いがちですが、実は違っていることがよくあります。

われわれ組織変革のプロから見ると、そういう笑いを取るような話し方は非常に浅いのです。5秒間は面白くても、結局はほかに発言しようとする人を封じてしまい話が深まりません。場を沸かすことしか興味がなく、面白ければいいというところにウエイトを置いているので、他者がなにを考えどう感じているかはあまり大切にされません。

例えば「なにか意見を言ってみてよ」と人に話を振って、3秒ぐらい発言がなかったら、冗談を言ってみるという行動を取る人もよくいます。その人を助けたように見えるかもしれませんが、発言者の本当の思いは全然聞いていません。キーパーソンの重要な要素である共感力に欠けているのです。そういう人がリーダーシップをとる場では、心理的安全性が確保されず、本音を言いづらくなります。

変革の初期は新しいことに対する社員の認知が追いつかず、モチベーションや意識のベクトルもバラバラなので、衝突や摩擦が起きがちです。特にエースと呼ばれていた人たちが、結果として阻害要因になりやすいです。しかし、変革が進むとキーパーソンや社長など重要人物との関係性が変化していくので、評価軸が変わります。

また、熱血タイプの人が「みんないくぞ!」と掛け声をかけたとしても、必ず良い結果になるとは限りません。もちろん、「流れに乗っておかないと」「面白そうだからやろう」と立ち上がる社員もいるとは思います。

ただ、組織変革は個々人が自分の本当の気持ちや心を探求することからスタートします。ムードメーカーや声の大きなリーダーがいると、とりあえず流れには乗りますが、内側からのやる気や情熱からの行動ではないので継続しないのです。いったん歩みを止めて自分の心が今どこにあるのか探求しなければ、自発性(やる気や情熱)は高まらないのです。

ほとんどの人は、自分が本当はどう思っているのかと振り返ることはありません。しかし、組織変革ではあえて考えてみる必要があります。自分のなかになにかを見つけたら、そこから「俺は、本当はこうしたかったんだ」「俺はこうなりたい」というモチベーションが湧いてきます。個々の社員がそうなることが重要なのです。

ですからキーパーソンは寡黙ではありませんが、雄弁に、情熱的に語る人である必要はありません。

森田 満昭

株式会社ミライズ創研 代表取締役

森田 満昭

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