「この世のものでない何か」家々回る 大船渡の伝統行事が苦渋の中止

「この世のものでない何か」家々回る 大船渡の伝統行事が苦渋の中止

  • 朝日新聞デジタル
  • 更新日:2022/01/15
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"スネカが現れ、泣き叫ぶ子どもたち=2019年1月15日、岩手県大船渡市"

岩手県大船渡市で15日に行われる予定だった小正月の伝統行事「吉浜のスネカ」が、戦後初めて中止される。五穀豊穣(ほうじょう)や豊漁を願うもので、東日本大震災の翌年も行われ住民を元気づけたが、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、苦渋の決断を迫られた。

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スネカは、恐ろしい形相の面や蓑(みの)を身に着けた「この世のものではない何か」が家々を回り、怠け者や子どもたちを戒める行事。吉浜地区で200年以上続いており、2018年にはユネスコの無形文化遺産にも選ばれた。

「吉浜スネカ保存会」が中心になって運営し、地元の住民や中学生がスネカに扮して行ってきた。昨年はコロナ禍のため実施が危ぶまれたものの、訪問する家庭を例年の約400軒から約20軒まで絞ったうえ、市外からも多く訪れる一般の見学を中止して、実施に踏み切った。

しかし、感染力が強いオミクロン株による感染が県内で広がりつつあることに加え、年明けには市内で感染者が確認された。保存会で話し合ったすえ、岡崎久弥会長(47)が「スネカが感染拡大の要因になってはならない」として、中止を決めた。

中止の決定に、「賢明な判断だよ」と言う人もいれば、「やりたくないだけだ」という声も耳にした。ただ、岡崎さんは実施して感染が拡大した場合、行事自体が非難の対象になることを恐れた。「スネカが悪者になることだけは避けたかった」と語る。

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