「ポスト長友」を真剣に考える。識者がオススメする選手ベスト3

「ポスト長友」を真剣に考える。識者がオススメする選手ベスト3

  • Sportiva
  • 更新日:2021/05/04

日本代表の左サイドバックは、およそ10年もの間、長友佑都(マルセイユ)が務めてきた。その間、海外のトップクラブでも活躍し、彼に代わるような存在は現れなかった。だが、長友もすでに34歳。昨秋の代表マッチでも、そのパフォーマンスに陰りが見られ、今や所属クラブでの出番も減ってきている。もはや、彼の後釜を真剣に考える時が来たと言えるのではないか。そこで、識者3名に「ポスト長友」の有力候補3名を推奨してもらった――。

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長年、日本代表の左サイドバックとして活躍してきた長友佑都。photo by Getty Images

杉山茂樹氏(スポーツライター)

◆日本人No.1ドリブラーは誰か?

1位=小川諒也(FC東京)
2位=登里享平(川崎フロンターレ)
3位=中野伸哉(サガン鳥栖)

「ポスト長友」――。3月末の韓国戦で代表デビューし、続くW杯予選のモンゴル戦で先発フル出場を果たした小川諒也がいいと思う。というより、「ポスト長友」がここまで大きな課題になる前に、招集しなかったことのほうが問題だ。遅すぎる。

左利きの左サイドバック(SB)である小川は、言ってみれば"正統派"の左SBだ。片や、長友佑都、さらには長友不在時に森保一監督が重用してきた佐々木翔(サンフレッチェ広島)は"非正統派(右利きの左SB)"になる。

その前方で構える左ウイングも、久保建英(ヘタフェ)以外、南野拓実(サウサンプトン)、原口元気(ハノーファー)などは右利きなので、日本の左サイドは、バランス的に問題ありなのだ。左利きの左SBの貴重さに、なぜもっと早く気づけなかったのか。

とはいえ、左利きの左SBが、人材難に陥っていることは確かだ。右利きながら、左利きのようなプレーができる酒井高徳(ヴィッセル神戸)が代表チーム引退を表明していることも痛手だ。

そうしたなかで、2番手候補を挙げるならば登里享平だ。左利きの左SB。正統派だ。

ただ、年齢(30歳)が懸念材料。能力が同じなら、可能な限り、若手を起用したくなるもの。登里がケガで戦列を離れている間、中盤から左SBにコンバートされて活躍した旗手怜央(川崎)。右利きであることを差し引いても、使ってみたい選手になる。

また、中盤から左SBにコンバートされた東俊希(広島)もそんな選手のひとり。左利きの"正統派"ゆえ、なおさらだ。

若手と言えば3月末、U-24アルゼンチン代表と対戦したU-24日本代表に飛び級で招集され、第2戦で最後の1分間だけ出場した中野伸哉も、筋のよさそうな、可能性を感じさせる選手だ。

まだ17歳だが、左利き。3バックと4バックの中間のような布陣で戦う鳥栖にあって、中野は左センターバック兼左SBを務める。先述の佐々木と似たような役割を担っているが、機動力は中野のほうが上。思い切って抜擢してみる手はある。

浅田真樹氏(スポーツライター)

1位=安西幸輝(ポルティモネンセ)
2位=中山雄太(ズヴォレ)
3位=室屋成(ハノーファー)

ポスト長友佑都をあくまでも「4バックの左サイドバック」と位置づけた場合、正直、適役はすぐに思い浮かばない。海外組の酒井宏樹(マルセイユ)、室屋成に加え、Jリーグでも山根視来(川崎)、松原健(横浜F・マリノス)が台頭している右サイドバックに比べ、人材は質量ともに見劣る。誰を選ぶにしても、消極的選択にならざるを得ない。

直近の日本代表戦(3月の韓国戦、モンゴル戦)では、国内組のふたり、佐々木翔と小川諒也が起用されたが、推しの材料はあまり見当たらなかった。やはり海外組に頼ることになるのだろう。

昨秋のカメルーン戦で先発起用され、前半で交代となった安西幸輝は、チーム全体として低調な内容だったなかでの"被害者"でもあった。彼自身がいい出来でなかったのは確かだが、わずか45分で見切ってしまうのはもったいない。

Jリーグ時代を振り返っても、賢くプレーできる選手であり、継続して使うことができれば、チームにフィットし、パフォーマンスが高まる可能性はあるのではないだろうか。

また、昨秋以降の日本代表戦6試合を見たとき、最も落ち着いたプレーを見せていた左サイドバックは、中山雄太だった。守備で目立った破綻はなく、攻撃のサポートもまずまず。左利きに加え、日本人としては高さがあることも利点となる。現状では、最も無難な選択だと言えるかもしれない。

ただ、中山にしても左サイドバックが本職ではない。スペシャリストの中から適任者を見つけようとすれば、必然的に選択肢は狭まってしまう。だとすれば、他のポジションからのコンバートをもっと視野に入れる必要があるのだろう。

本来右サイドバックの室屋成は、やや絞った位置にポジションを取り、巧みに中盤と関わることもうまい選手だけに、左でもソツなくこなしてくれそう。同じく右の山根や松原らとともに、一考の余地がありそうだ。

中山淳氏(サッカージャーナリスト)

1位=酒井宏樹(マルセイユ)
2位=鈴木冬一(ローザンヌ)
3位=吉田豊(名古屋グランパス)

これまで長友佑都以外に4バックの左SBでプレーした選手は、佐々木翔、山中亮輔(浦和レッズ)、安西幸輝、中山雄太、小川諒也といった面々。東京五輪世代を中心に臨んだ2019年のコパ・アメリカでは、杉岡大暉(鹿島アントラーズ)がプレーした。しかし、いずれも決め手を欠いているのが実情だ。

そこで浮上するのが、右SBの酒井宏樹を左SBで起用するという選択だ。酒井は所属のマルセイユで右SBを主戦場としながら、頻繁に左SBでもプレー。特にレギュラー左SBが長期離脱している今シーズンは、長友を差し置いて先発した試合もあるほどだ。

さすがに右SB時と比べると攻撃力は落ちるが、守備に関しては申し分ないレベルにあり、現状の代表メンバーの中では最も信頼できる。幸い、右SBには室屋成らも控え、CB冨安健洋(ボローニャ)もプレー可能なため、長友不在時の第1選択肢とすべきだろう。

第2の選択肢としては、将来を見据えての若手の抜てきだ。東京五輪世代の古賀太陽(柏レイソル)や中山、代表デビューを果たした小川らも候補として挙げられるが、潜在能力と将来性を買い、現在ローザンヌ(スイス)でプレーする20歳の鈴木冬一に期待したい。

現在、ローザンヌでは左ウイングバックのレギュラーとして活躍するが、2019年U-20W杯では4バックの左SBで上々のパフォーマンスを見せた過去もある。大きな可能性を秘めた選手だ。

国内組では、まだ代表経験のない名古屋の吉田豊を試すべきだろう。長友同様、決して身長は高くないが、あのフィジカルは国際試合でも十分に通用するはずで、クロスや攻め上がりのタイミングなど、攻撃力も国内屈指のレベルにある。現在31歳だが、来年のカタールW杯までに衰えることはないはずだ。

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