「男の人生なんて3日で変わる」ロッテで“らしさ”を取り戻した澤村拓一に、巨人ファンが思ったこと

「男の人生なんて3日で変わる」ロッテで“らしさ”を取り戻した澤村拓一に、巨人ファンが思ったこと

  • 文春オンライン
  • 更新日:2020/09/15

「っしゃー!!!!」

昨日まで巨人にいた澤村拓一が、ZOZOマリンスタジアムのマウンド上で思いっきり吼えていた。

かなり信じがたい光景だが、それは紛れもなく現実であった。

かといって悲しいか?と言われると、それもちょっと違った。

巨人ファンは心底ホッとした

澤村が思いっきり「らしさ」を炸裂させている姿が見れるなら、ドームのマウンドじゃ無くても別にいいじゃん、と結構皆思ってた様な気がするからだ。

あまりにも急過ぎて用意が間に合わず、サイズの合う打撃投手から借りたという、見慣れない白×紺のピンストライプのユニフォームに身を包み(やっぱ半袖!マジで似合ってた。)、バキバキの直球と野田浩司ばりにマリンの風を味方につけたような鋭いスプリットで圧巻の三者三振デビューを飾った。

「え? こんな豪腕ピッチャー、貰っちゃっていいんすか?」と、ロッテファンは喜び、それを見て巨人ファンは心底ホッとした。ついでに3つの三振の内二人が元・巨人の大田泰示、ビヤヌエバだった事には、ちょっと笑った。

マジでこの6回表だけは巨人ファン達も、中日戦に登板しているエース・菅野の投球を差し置いて、一球速報やDAZNをこっちのチャンネルに合わせてた人はかなり多かったと思う。

久々に感じた、シビれる場面(©︎ミスター)での、マジなドキドキ感。

なぜか毎度感じた不安…

古くは、石毛博史~槙原寛己~M・クルーン~西村健太郎に連なる、劇場型ストッパーの系譜を見事に継いだ、あの15~16シーズンの記憶。

15年は36s、16年は37sでセーブ王も取ってるのに、なぜだか毎度感じた不安感。気合満点でやって来たはいいけれど、初球が高めのボールだったりすると、いきなり空気がピリついた。

おいおいまだ一球しか投げてねーじゃん!2点勝ってるし!!などと楽観的なフォローは入らず、そのままフォアボールでドーム溜息、までが一連のムーブ。

9回表だけで15~20分かけて結局0点とか、なんだかんだで抑えるという心臓に悪い試合が多々あった(あの暴投とかね)。

今回のトレードには、皆前のめりだった

その後は怪我などもあり、年々、豪快なピッチングは鳴りを潜めていた。

先発でも中継ぎでも、どこにいっても「お前さんはそんなモンじゃないでしょうよ」と言われつづけた背番号15。かつてルーキーでローテを守り200イニング投げ切り、セーブ王にもなった男は居心地が悪そうで、マウンド上でも不安気な表情を見る事が多くなっていた。

気合満点でフォアボールなら手に汗握りつつツッコめるが、「らしさ」を失った澤村には、こっちもどうしたモンかなと引き気味だったのもまた事実。

だからこそ今回のトレードには、皆前のめりだったんだろう。

No image

移籍2度目の登板となった9月11日のオリックス戦でも好投した澤村

俺らファンだけでなく、スポーツ新聞、選手たちのコメントにも全然悲壮感がなく、スポーツ報知の澤村ちょっとイイ話にもグッときた。

香月という実力未知数な若手もやってきた。

この若手が阿部慎之助にシゴかれるのもまた新しいストーリーがあっていい。

「男の人生なんて3日で変わる」

かつて浪漫派野球文筆家・近藤唯之は「男の人生なんて3日で変わる」との名言を残したが、いや2日ありゃ人生変えてみせます、とばかりに生まれ変わった元・ドラフト1位。前日午後にトレードを告げられ、この日の朝9時によみうりランドで挨拶、昼過ぎに入団会見して、夜にはヒーローインタビュー。

ついでにSNSではパイの実やコアラのマーチと絡むという、意味はよくわからんが、とにかく凄い離れ業!!

この先ロッテでどういう起用法になるかはわからないが、この調子で行けば勝ちパターンの中継ぎに食い込みそうだ。

きっと出るだろう、150km超えの火の出るような高めのボール球が!

自らランナーを溜めるが、なんだかんだ最終的に吼える姿が!

そこ含めての「らしさ」全開で、楽しそうに腕を振っている姿こそ、我々巨人ファンが見たかった景色だったのだ。

ペナント終盤のソフトバンク戦に出てくるパターン、マジで期待してるぞ!!

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(伊賀 大介)

伊賀 大介

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