
涙ながらに神戸退団を発表したイニエスタ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェストWeb編集部)
ワールドクラスのスーパースターが、その輝かしいキャリアにおけるひとつのステージに終止符を打った。その知らせが世界各地で大きく報じられたのは当然だ。
5月25日、元スペイン代表のアンドレス・イニエスタが、この夏でヴィッセル神戸を退団すると発表した。7月1日のコンサドーレ札幌戦がラストゲームになる予定という。
元バルセロナのレジェンドは会見で、現役を続ける意向を表した。今季は出場時間に恵まれず、「監督の優先順位も違うところにある」と感じ、「ここを去ることがベストの決断」との結論に至ったと明かしている。
神戸で5年を過ごしたイニエスタは、「ずっとここで引退する姿を想像」していたという。だが、「時に物事は希望や願望どおりにいかない」とし、「最も難しかった決断のひとつ」を下したと述べた。
知らせは驚きをもってすぐに世界を駆け巡った。サッカーの歴史に名を残した偉大な選手が、出場機会を求めて退団に至ったとあってか、中にはイニエスタが誇りを傷つけられたかのような報道もある。イタリア紙『Libero』は見出しで「イニエスタが日本で屈辱。去ることを余儀なくされた」と伝えている。
一方で、同じイタリアの『fanpage』は、「イニエスタと地元地域の関係は非常に強い」と報じた。
「近年もアカデミーなど神戸で様々なプロジェクトを立ち上げており、この絆が決して断たれることがないのは理解できる」
イニエスタは「日本に、神戸に、そしてヴィッセル神戸に来たことは、自分の人生の中で取った最高の決断のひとつ」と話し、会見で涙を見せた。イニエスタの日本への想いは伝わっているはずだ。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部