
記者会見する松村祥史・国家公安委員長=東京都千代田区で2023年9月19日、松本惇撮影
東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域の特定復興再生拠点区域(復興拠点)の建物解体工事現場で、廃棄物から鉄くずなどが無断で持ち出され売却されていた問題で、伊藤信太郎環境相は19日の閣議後記者会見で、「このような事案が発生したことは誠に遺憾だと思う」と述べた。
環境省によると、解体工事で出た廃棄物は仮置き場に搬出して放射線量を測定することになっているが、今回は仮置き場に運ばれておらず、測定したという情報は得ていないという。
伊藤氏は「受注者において適切に工事や管理がなされるように指導、監督していきたい」とも述べ、元請けの大手ゼネコン鹿島に再発防止の徹底を指示したことを明らかにした。
他の業者でも無断持ち出しがないかどうかの調査については、「事態の推移を見ながら適切に対処したい」と話した。
鹿島は無断持ち出しについて調査し、環境省と福島県警に報告している。
松村祥史・国家公安委員長は閣議後記者会見で、「福島県警が請負業者の方々からいろんな事情聴取をしていると承知している。今後、福島県警が適切に対応されるものと考えている」と述べた。【岡田英、松本惇】
毎日新聞