ルイ・ヴィトンやDiorなどの高級ブランドの値上げが相次いでいます。では、ひとつのブランドだけではなく、多くのブランドで値上げが行われている背景には何があるのでしょうか。
原因のひとつは新型コロナウイルスの影響です。ここでは、高級ブランドの値上げの背景を深堀りします。
■高級ブランドの値上げ続出!その実態とは
はじめに、高級ブランドの値上げの実態を見ていきましょう。
実は、Diorやルイ・ヴィトンの値上げは、アメリカや中国で先んじて行われていました。例えば、アメリカでは2021年前半に約7万円だったルイ・ヴィトンのポシェットが2022年初めには約12万円になっています。
中国では、2020年から2021年にかけて、Diorのサドル ミニバッグが約32万円から約40万円に値上げされているように、値上げが進んでいます。
2022年になってからは、日本でも高級ブランドの値上げが行われるようになりました。Diorでは、バッグやアクセサリーを中心に多くの商品が値上げされているようです。
■高級ブランドの値上げとコロナの関係とは
では、高級ブランドの値上げとコロナには関係があるのでしょうか。新型コロナウイルスの拡大で、高級ブランドには次のような影響が出ています。
●生産コストの増加
新型コロナウイルスの拡大で、材料が値上げされた、工場の稼働ができない、人件費が上昇したといった影響が出ています。生産コストが増加しているため、商品の価格も高くなっています。
●観光客減により売上の減少
生産コストの増加に加えて影響が大きいのが、観光客減による売上の減少です。日本だけでなく、世界中で観光客が減少し売上も減少しています。減少した売上の影響を少なくするために、商品価格の値上げが進んでいるのです。
■高級ブランドの値上げは今後どうなる?
高級ブランドの値上げは過去にも何度かありました。実は、高級ブランドのメーカーの過去の業績を見ると、値上げをしても買い控えなどは起きず、利益は落ち込んでいません。
2021年のルイ・ヴィトンの業績を見ても、値上げの影響やコロナの影響を感じさせない業績でした。利益が落ち込むどころか、コロナ禍以前を上回る売上や利益になっています。
こうしたことから考えると、今後も商品の値上げが続く可能性もあると考えられます。
文・はせがわあきこ