【増える熟年離婚】“妻や母という役目から卒業したかっただけ”と決断した女性 元夫が最高の“茶飲み友達”に

【増える熟年離婚】“妻や母という役目から卒業したかっただけ”と決断した女性 元夫が最高の“茶飲み友達”に

  • マネーポストWEB
  • 更新日:2023/11/21
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熟年離婚を経て、元夫と新たな関係性を築く人も(イメージ)

一般的に「婚姻年数20年以上の夫婦の離婚」を指す「熟年離婚」。2000年頃から言葉として浸透するようになり、2005年には定年退職した夜に妻から離婚を切り出される夫を描いたドラマ『熟年離婚』(テレビ朝日系)が話題となった。実際、厚生労働省の調査によると2007年以降20年以上連れ添った夫婦の離婚率は増加の一途を辿っており、2020年には過去最高を記録した。

【グラフ】ここ半世紀で大きく増加 婚姻期間が20年を超える夫婦の離婚割合

夫婦問題研究家の岡野あつこさんは、ここ数年女性からの熟年離婚に関する相談が増えたと明かす。

「相談に来る人のきっかけとして多いのがコロナ禍での自粛生活。半ば強制的に一緒にいる時間が増えた結果、夫の言動が目につくようになったり、何より今後、世の中がどうなるかわからない状態を経験したことで、それならば自分の思うように生きたいと考える女性が増えた。そうなると結果的に夫の存在が疎ましくなってしまうのだと思います」

岡野さんも2度の離婚を経験しているというが、「家族を大切にしない人とは一緒に暮らせない」と思ったのが離婚を決意した理由だった。

「実際に相談を受けていても、不倫や借金などの根本にあるのは“相手のことを大事だと思っていない”という問題なのです」(岡野さん)

1986年に作家の井上ひさしさん(享年75)と熟年離婚した日本子守唄協会理事長で元劇団主宰の西舘好子さんは「お互いに“いい女”と“いい男”でいられなくなったら、別れた方がいい」とアドバイスする。

「外見やステータスではなく、心の問題です。互いのことを思いやり、相手にとって“いい女”“いい男”でいられなくなったら、離婚してもいいのではないでしょうか。

一方で、離婚したらどうなるのかを突き詰めて考える必要がある。理屈で考えても嫌だと思うなら、仕方がないですけどね。

私の場合、子供たちに対して申し訳ないという気持ちはいまでもあります。当時、子供はもう大学生でしたが、私も井上さんもすぐに別の人と再婚したからかえって苦しい思いをさせました。これは離婚を選ぶすべての母親が背負うべき修行かも。だからこそ、熟考して決めるべき問題です」(好子さん)

元夫が最高の“茶飲み友達”に

互いの生活を尊重し、別れても良好な関係を築いている夫婦もいる。昨年末に離婚したAさん(57才)はいま、元夫が最高の“茶飲み友達”になっていると話す。

「1才年上の元夫はまだ働いていて、子供3人はすでに独立しています。私は結婚して30年以上、家事・育児すべてをこなし、パートで稼いだお金を家に入れてきました。おしどり夫婦ね、と言われることも多かったけれど、私ががまんしていたこともすごくあった。

『良妻賢母でいたい』と自分に言い聞かせてきたものの、昨年、友人が病気で相次いで亡くなってしまって……。いつ死んでもおかしくない年齢だと考えたら、今後は自分のために生きてもいいんじゃないかと思ったんです」

Aさんが「最初で最後のわがままです」という言葉とともに夫に本心を打ち明けると、最初は戸惑っていたものの理解して離婚に応じた。

「私は妻や母という役目から卒業したかっただけで、夫が嫌いになったわけではありません。だから、いまでも連絡を取り合うし、私のひとり暮らしの部屋に夫が訪ねてくることもあります。そんなときの夫は『おじゃまします』と気恥ずかしそうにしていて、なんだか新鮮で。

もともと気が合うから一緒にいたわけですし、これからは新しい関係性を築いていけるんじゃないかと楽しみですらあるんです」

熟年離婚は、人生の後半戦において自分の幸せを追求するひとつの手段。そう考えれば、答えが自ずと見えてくるのかもしれない。

※女性セブン2023年11月23日号

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