[ワシントン 21日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が21日に発表した10月の米中古住宅販売戸数(季節調整済み)は年率換算で前月比4.1%減の379万戸と2010年8月以来13年超ぶりの低水準に落ち込んだ。ロイターがまとめた市場予想は390万戸だった。
住宅ローン金利が過去20年間で最高水準に達しているほか、住宅不足が重しとなった。
地域別では、北東部、西部、人口密度の高い南部で減少。中西部は横ばいだった。
全体の販売戸数の前年同月比は14.6%減だった。
ネイビー・フェデラル・クレジット・ユニオンのコーポレート・エコノミスト、ロバート・フリック氏は「価格上昇と高水準の住宅ローン金利、そして低金利でローンを組んでいる数百万人の住宅保有者が引っ越しに消極的なことが組み合わさり、市場を凍結させている」と述べた。
10月に市場に出ていた中古住宅は115万戸で前年同月比5.7%減少した。住宅保有者の大半の住宅ローン金利は5%未満で、ほとんどが売却に消極的となっている。
NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は記者団に対し、長期にわたり自宅に住んでいる住宅保有者に住宅の売り出しを奨励する政府の税制優遇措置について、不動産業者らが米議会の代表者らと協議する予定と述べた。
また、たとえ住宅ローン金利が米10年債利回りとともに低下し続けたとしても、適切な供給がなければ値ごろ感が依然として得られにくいとした。
10月のペースに基づく在庫の消化期間は3.6カ月と前年同月の3.3カ月から延びた。健全な需給バランスは4─7カ月とされている。
LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「住宅建設業者は需要に応じて市場に供給する機会を活用すべき」と述べた。
販売価格の中央値は前年同月比3.4%上昇の39万1800ドルで、10月としては過去最高だった。
10月に住宅が市場に出ていた期間は23日間で、前年同月の21日間を上回った。販売された住宅の66%は、1カ月未満で買い手が決まった。
初回購入者の割合は前年同月と同じく28%だった。現金のみによる販売の割合は29%となり、前年同月の26%から上昇した。投げ売り物件などは2%で、前年同月からほぼ変わらずだった。