【難病・魚鱗癬】未来へ!!️「妻のアルバム」辛かった日々と向き合おう! 妻や息子の大切な思い出のために《最終回》

【難病・魚鱗癬】未来へ!!️「妻のアルバム」辛かった日々と向き合おう! 妻や息子の大切な思い出のために《最終回》

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  • 更新日:2021/01/12

難病「道化師様魚鱗癬」を患う我が子と若き母の悲しみと苦しみ。「ピエロ」と呼ばれる息子の過酷な病気の事実を出産したばかりの母は、どのように向き合ったのか。『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』の著作を綴った「ピエロの母」が医師から病名を宣告された日、母は我が子の「運命」を感謝しながら「これからの親子の人生を豊かなものにしよう」と新たなる決意をした。
最終回は、難病に苦しむ我が子と母であり、妻の辛く、ときに悲しい思い出のあった「妻のアルバム」とと向き合った伴侶としての夫の思いが綴られています。優しさと勇気、もう何が怒っても大丈夫。
未来は、家族とともにつくりあげるものだから。

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■妻のアルバム

息子が産まれてから数日後。私は気持ちの整理がつかないまま、妻と暮らしていたアパートへ戻ってきた。

息子は入院中。妻は実家のため、現在、アパートには自分ひとり。妻の側にいたいが、仕事の都合上、そうする訳にはいかなかった。

久々のひとり暮らし。部屋が広く、寒く感じる。

やるべきことはたくさんあったので、とりあえず目の前のことを淡々と終わらせていったが・・・、ふとしたときに不安になる。将来のことを色々考えてしまう。これから、どうなるんだろうか。

ある日、部屋の掃除をしてたとき、1冊のアルバムを見つけた。

妻が作ったアルバム。

妊娠中のエコー写真が何枚も貼られている。初めてエコーを撮った時から、入院する直前まで。そのアルバムをひとりで眺め、色んなことを思い出していた。妊娠が分かってからのこの数か月間。ひとつひとつの発見にふたりで喜んでいた。そしてひとつひとつのことに細心の注意を払ってきた。

食べるものに気をつかい、安産祈願にも行き、両親学級に参加して育児の疑似体験をしたり、息子が来たときのために部屋のレイアウトを大きく変えたり、書ききれないほど、たくさんの思い出があった。

アルバムには、写真ひとつひとつに妻の手書きで、コメントが書いてある。

「しんぞうのおとがきこえた!」
「またすこしおおきくなったね!」

他にもあるが‥‥私はこれ以上、写真を見るのが辛くなってきた。

妻が嬉しそうにアルバム作りをしている姿を鮮明に覚えている。不得意と言いながら写真の周りに色紙を切り貼りし、コメントを書き足して、せっせと大切に作っていた。

それが今、辛い。

何でこんな気持ちになるんだろう。

産まれてきてくれたのに。やっと息子に会えたのに。いろいろな感情が押し寄せてくる。

ただ思い出を辛いものにはしたくない。

あの大切に暮らしてきた数か月は決して無駄ではない。先のことは不安がいっぱいだけど、この思い出を超えるようなさらに楽しい思い出を、これからまた作っていけばいいじゃないか。自分にそう言い聞かせた。

息子が産まれたとき、最初はあまりの痛々しさとその驚きに、写真が撮れなかった。

集中治療室で苦しそうな息子の、まともに表情すら分からない姿を撮ることができなかった。

ようやく数日後、妻も私も写真を撮り始め、辛いことがあった時、息子のため、私たちのためにも、そのときそのときの思い出を大切に残そうと、強く思うようになった。

『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』より)

【参考資料】
本書をもとにCBCテレビ『チャント』にて「ピエロと呼ばれた息子」 追跡X~道化師様魚鱗癬との闘い(6月26日17時25分より)が放送されました。

ピエロの母

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