あれから20年...「9.11」で変化したメンタルヘルスとの向き合い方

あれから20年...「9.11」で変化したメンタルヘルスとの向き合い方

  • コスモポリタン
  • 更新日:2021/09/17
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アメリカ同時多発テロ(9.11)事件の発生から20年の間に、私たちは共通の恐怖や悲しみ、回復力、癒やしといったことに、より大きな注目を向けるようになってきました。

トラウマ(心的外傷)の研究者で、ミネソタ州ブルーアース郡で社会サービスの責任者を務めるリン・M・スミスウィック氏によれば、2001年9月11日の同時多発テロ事件をきっかけに、トラウマによるストレス障害の治療に対するアプローチが、大きく変化したそう。

そして、その変化は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックと関連したメンタルヘルスの問題の可視化や、人に助けを求めるのは恥ずかしいという考え方をなくすことにも、役立っているとのこと。

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9.11の直後、事件から直接的に影響を受けた人たちには、ストレス反応と心的外傷後ストレス障害(PTSD:Post Traumatic Stress Disorder)の予防に効果的とされていた「デブリーフィング(事実確認、事件や災害など辛い経験をした後それについて詳しく話し、克服する方法)」というケアが行われました。

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ですが、2019年に救急・災害医学に関する学術誌『Prehospital and Disaster Medicine』に発表された研究結果では、この方法は効果的ではなく、話す準備ができていない人などにとっては、有害でさえあったことが指摘されました。

スミスウィック氏によると、現在はこれに代わって「サイコロジカル・ファーストエイド (心理的応急処置)」と呼ばれるより良い方法が取り入れられているそう。

危機にさらされたときの感情を明らかにしようと促すのではなく、ただ安全な場所を提供したり、ただ話を聞いてあげたりすることのほうが、影響を受けた人たちの回復力を高め、トラウマに対する直接的なストレス反応を軽減することに役立つと考えられています。

自分を守るためのメカニズム

ボストン大学のダニエル・ルソー准教授(トラウマ研究)は、「人は、それぞれ異なる形でトラウマを経験します。トラウマに対してストレス反応を起こすのは、その人に問題があるからではありません」「私たちが生まれながらに持っている自分自身を守るためのメカニズムなのです」と説明。

問題は「トラウマ反応が続くこと」なんだそう。スミスウィック氏は、専門家の助けが必要になるのは、そうなったときだと述べています。

情報過多は悪影響にもなる

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9.11後に行われた調査では、メディアを通じ過度に情報を得ることで、PTSDに似た症状を引き起こす可能性があるという結果が示されています。

また、学術誌『Science Advances』に2020年に掲載された研究結果では、パンデミックに関連した急性ストレス反応の最も強力な予測因子となっていたのは、「休むことなくニュースを追っている(スクロールしている)ことだった」という報告も。

「主体的行動」が安心感につながる

テロ事件や自然災害、パンデミックなどが発生したとき、打ちのめされたような気持ちになるという人も多いはず。ルソー准教授によれば、人は「行動の主体は自分自身である」という感覚を得られる何かをすることによって、体勢を立て直すことができるのだとか。

たとえば、パンデミックが発生した当初、自宅の食料棚をいっぱいにしておこう、トイレットペーパーを買いだめしておこうと、多くの人たちが買い物に走りました。心理的応急処置の考え方からいえば、これは「避難場所や食料を確保する」という緊急の必要性が高いものを優先する「正しい行動」なんだそう。

※この翻訳は抄訳です。

Translation: Hearst Contents Hub

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