次に目指すは地域の未来を支えるソーシャルイノベーション企業-NTT東・澁谷社長

次に目指すは地域の未来を支えるソーシャルイノベーション企業-NTT東・澁谷社長

  • マイナビニュース
  • 更新日:2023/01/27
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NTT東日本は1月24日~26日、同社グループのソリューション・技術やアセット、取り組みを顧客に体感してもらうため、NTT中央研修センタ(東京都調布市)でリアルイベント「NTT東日本グループSolution Forum2023」を開催している。

NTT東日本、リアルイベント「NTT東日本グループSolution Forum2023」開催

本稿では、初日に、「地域の未来を支えるソーシャルイノベーション企業をめざして」というテーマの下で行われた、代表取締役社長 社長執行役員 澁谷直樹氏の基調講演の模様をお届けする。

全国をカバーするインフラと人材の活用で地域の価値づくりを

NTT東日本と聞くと、真っ先に頭に浮かぶのは固定電話ではないだろうか。澁谷氏は、「われわれは固定通信の企業としてサービスを提供してきたが、国内の99%カバーするところまで到達した。これからは、アセットを活用して地域の未来を支えるソーシャルイノベーション企業を目指していきたい。地域が持つ魅力や資産をITに拡張し、産業や雇用を生み出し、循環型の社会をつくりたい」と、NTT東日本グループが目指すこれからの姿を語った。

では、同グループが目指す「地域の未来を支えるソーシャルイノベーション企業」とはどのようなものなのだろうか。同グループは、電話局やケーブルなど、電気通信のアセットに加えて、日本全国に5.9万人の人材を配置している。こうしたアセットを最大限に活用して、地域のデジタルデータを結んでいくことで、デジタルにおける新たな価値づくりに貢献することを狙う。

澁谷氏は「われわれはフィールドに出てお客様と一緒に、また、地域の方々に寄り添い共感型のコンサルティングを描いていく」と、地域に密着したビジネスを長らく展開してきた同社ならではの“泥臭さ”を追求する姿勢をアピールした。

さらに、澁谷氏は世界経済フォーラムがまとめた「2021年旅行・観光開発指数」世界ランキングを例に出し、「日本には、食、自然・環境、文化・芸術、遊休地など多種多様な資源がある。こうした日本が持つポテンシャルを最大限に生かすことに挑戦していきたいと考えている。実際、日本の観光の魅力度は世界第1位という調査結果も出ている。ICT、デジタルの力で新たな価値を創造していきたい」と訴えた。
ICTで農業の進化と地域活性に取り組むNTTアグリテクノロジー

続いて、NTT東日本グループが地域と共に進めているビジネスの紹介として、NTTアグリテクノロジーの紹介が行われた。山梨県に位置する自社ファーム「ベジアイシティ山梨中央」から、代表取締役社長の酒井大雅氏が登場した。

NTTアグリテクノロジーはNTTグループ唯一の「農業×ICT」の専業会社で、自社ファームにおける農作物の生産・販売と街づくりを進めている。「ベジアイシティ山梨中央」も地域のパートナー企業サラダボウルグループと共に運営している。

酒井氏は、同社のビジネスについて「農業と環境負荷の低減を進めているほか、作業しやすい台を用意するなど、働く人に優しい環境を整備している」と説明した。同社の社員も「通常、レタスは露地栽培がメインでカラダをかがめて作業をしなければならないが、当社の工場では一切体をかがめる必要がない」と語っていた。

「ベジアイシティ山梨中央」では、ICTを活用して、農作業の効率化を図っている点も特徴といえる。「現場の見える化が後工程に大きく影響する」(酒井氏)とのことで、作業や収穫の状況など、現場の情報を詳細にデジタル化している。そのため、A区間とB区間で作業の進捗が異なる場合、進んでいる区間に割り当てている作業担当者を進んでいない区間に割り当てるといったことが容易に行える。

酒井氏は「有休農地の有効活用、地域の雇用の創出に貢献していきたい。自分たちでもやってみることで苦労して、地域を下支えするノウハウを蓄積していきたい」と意気込み語っていた。
地域の価値創造に向けて「地域循環型ミライ研究所」設立

最後に、澁谷氏は地域の価値創造に貢献していくにあたっての施策を3つ紹介した。1つ目の施策は「最高品質のネットワークの提供」だ。それを実現する最新テクノロジーの1つが、NTTグループを挙げて開発に取り組んでいる「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」だ。「IOWN」は、オールフォトニクス・ネットワーク、デジタルツインコンピューティング、コグニティブ・ファウンデーションの3つの要素でスマートな社会を実現していくための構想だ。

澁谷氏は「IOWNでは、光と電力を融合することで、光から電機への変換を不要にすることで、消費電力の削減を実現する。また、現在のネットワークは遅延が多く発生しているが、IOWNでは低遅延な伝送基盤を構築する。これにより、インターネットの次のネットワークを狙っている」と述べた。

NTTグループでは、2030年度にIOWNを完成することを計画しているが、今年3月からオールフォトニクス・ネットワークの提供を予定しているとのことだ。

加えて、地域の隅々までカバーするエッジコンピューティングにも注力する。オンプレとエッジの間を、デリバリからサポートまでワンストップで対応する。

2つ目の施策は「多彩な価値創造を支える様々なデジタルソリューション」だ。交通・観光、防災・減災、農林水産、流通・サービス、製造・建設、医療・健康、エネルギー、文化技術・スポーツ、教育、家庭・生活と、地域の価値創造を支えるさまざまなジャンルのデジタルソリューションを提供していく。

3つ目の施策は「地域循環型ミライ研究所の設立」だ。同研究所の設立は同日に発表された。同研究所は、地域の人々と共に地域の新たな価値創造を目指す“シンクタンク”という位置づけにある。

同研究所は地域の未来を支える人々と地域資産の調査・研究を通じて、地域の魅力を再発見し、地域政策をともに検討・立案するのみならず、地域社会へ実装されるまで向き合い続けるという。

澁谷氏は、「これから、ソーシャルイノベーションを生み出すことに挑戦していきたい。また地域の方々と明るい未来を作り上げたい」と力強く語って、講演を締めくくった。

今林敏子

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