
うそ電話詐欺の被害が過去最悪のペースで増えています。今年の被害総額はおよそ3億円。現状と注意点などを取材しました。
今年夏ごろ、投資サイトに入会した県内の50代の女性に、ある電話がかかってきました。
「仮想通貨で儲かる話があるが、VIP会員にならないと参加ができない。手数料を払って欲しい」。
投資サイトの運営者を名乗る男でした。女性は数カ月に渡り20回近く支払いを続け、6600万円をだまし取られました。
今年急増しているのがこうした投資詐欺で、優良企業の未公開株や成長が見込める外国通貨があると持ちかける手口です。
鹿児島県警によりますと、今年10月までの投資詐欺などうそ電話詐欺の認知件数は91件、被害総額はおよそ2億9800万円で、去年と比べてもおよそ4倍に増加しています。被害者は50代女性が最も多く、60代前半の男性と併せて、被害額全体のおよそ半分を占めています。
多額のお金をだまし取られる背景について、県警は次のように説明します。
新型コロナによる収入減や株価の高騰で、資産運用に興味を持つ人が増え、通常では考えにくい条件などを鵜呑みにしてしまう。そして、投資詐欺は、SNSなどで一定期間、コミュニケーションをとるため、相手を信用してしまうということです。
被害を防ぐためには、心当たりのない電話番号やLINEグループの招待には応じない。「利益が増える」・「お金がもらえる」などの誘い文句は、詐欺の可能性が高いと理解しておくことだと言います。
年末年始の時期は、「副業で簡単に儲かる」といった副業サイト詐欺が増える傾向もあり、県警は注意を呼びかけています。