大企業が賃上げ策を公表するも、中小企業の賃上げは難しく

2023年を迎えて間もなく、岸田首相が賃上げ要請を行いました。
ユニクロを展開するファーストリテイリングなどの大企業は賃上げ策を公表していますが、日本の労働者の6〜7割を占める中小企業の賃上げは難しいのが現状です。
今回の記事では、年収400万円台の割合を男女別に取り上げつつ、2023年から取り組みたい貯蓄術も紹介します。
【一覧表】年収400万円~500万円は何割?男女別にチェックする
平均年収400万円台の割合【男女別】
国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査」を見てみると、平均年収が400万円台の男性は537万人、女性は251万2000人となっています。

出所:国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査」をもとに筆者作成
2021年の1年間を通して勤務した給与所得者5270万人のうち、給与階級別分布で最も多いのは、300万円超400万円以下の914万人(構成比17.4%)。
これについで400万円超500万円以下の788万人(同15.0%)が多い結果です。
ちなみに同調査によると、男性の平均給与は545万円、女性は302万円となっており、年収400万円台は男性だと平均よりやや低い・女性だと多いのが現状です。
女性の社会進出が進んだ昨今ですが、上図の給与所得者割合から見ても女性労働者の人数は男性の半数であり、年収も男性と比べて上がりにくいのが見て取れます。
次項では、年代別の平均年収について解説します。
年齢・年代別の平均年収
dodaが公表している「平均年収ランキング(年齢・年代別の年収情報)【最新版】」によると、2022年の年代別の平均年収は以下のとおりです。
20代:342万円(男性平均 365万円・女性平均 319万円)
30代:435万円(男性平均 474万円・女性平均 377万円)
40代:495万円(男性平均 562万円・女性平均 400万円)
50代以上:596万円(男性平均 658万円・女性平均 424万円)
各年代別の平均年収を見ると、年収400万円台に到達する年齢は30代です。
男女別で比較すると男性は30代・女性は40代になると平均年収が400万円台になるとわかりました。
年収のうち2割ほどの額が各種税金や保険料で差し引かれます。
年収400万円の一人暮らしでは節約をすればある程度生活できる水準といえますが、夫婦共働きで年収の水準も同じ、かつ子どももいる場合は生活が苦しいケースも多いでしょう。
しかし、円安や原油高といったコスト増の影響を受けやすい中小企業が、賃上げに踏み切るのは難しいのが現状です。
このご時世において、すでに多くのご家庭でさまざまな節約を実践していると思います。そこで、次項ではより効果が期待できる節約術を紹介します。
2023年から実践したい節約術3選
これからお伝えする節約術は、家族全員で意識を共有してから実践するのがポイントです。
もし配偶者の一人が一生懸命節約していて、もう一人は無関心…といった状況では、ストレスだけが溜まりお金は貯まりません。
節約で得られるメリットを周知し、効率的にお金を貯める習慣づけをしていきましょう。
スマホは安い機種・安いプランに変更する

taka1022/shutterstock.com
毎月のスマートフォンの使用料は約8000円〜1万円と負担が大きいため、機種変更で安い機種や格安SIMにしたり、安いプランに変更したりすると大きな節約になります。
格安SIMは通信速度が安定しない時間帯がある・キャリアメールが使えなくなるなどの短所もありますが、それでも毎月の支払いが2000円〜4000円程度になるのはお得です。
格安SIMにできない理由がある方は、機種代金が安い機種やプランに変更するだけでも、年単位で大幅な節約になりますよ。
電気代・ガス代の契約会社を変更する
値上がりが続く光熱費を節約するには、契約会社の変更が効果的です。
電気代の場合は、世帯人数が多い家庭向けのプランや、電気とガスをまとめてお得にするプランなどさまざまな種類があります。
ガス会社を変更する際は、現在使用しているのが都市ガスとプロパンガスのどちらかを確認しておきましょう。
仮にプロパンガスから都市ガスへ変更する場合、工事費用に10万円〜30万円ほどかかってしまいます。都市ガスなら都市ガス、プロパンガスならプロパンガスの会社を変更しましょう。
契約会社を変更する際は、各種項目を入力するだけで最適なプランを教えてくれるサイトもあります。
お金をかけずに遊ぶ

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お金がかからない趣味を増やすのも、節約上手の一歩につながります。
筋トレ
図書館で本を借りる
塗り絵やイラスト
散策
家庭菜園
動画視聴
ボードゲーム
スマートフォンで写真撮影
ランニング・ジョギング など
他にも楽器や小動物の飼育など、初期費用以外は低コストで楽しめるものもあります。
2023年の貯蓄を考える
日本の平均年収は400万円台を推移しています。
不安定な世界情勢が続き、日々の生活に大きな打撃を与えていますが、できる限りの工夫でお金を大切にしていきましょう。
参考資料
doda「平均年収ランキング(年齢・年代別の年収情報)【最新版】」
doda「転職サービス「doda」、「平均年収ランキング2022」を発表 正社員の平均年収は前年と変わらず403万円、回復の兆しはまだ見えず」
小見田 昌