阿武咲 単独トップ5連勝、横綱初挑戦初金星「緊張なかった」

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  • 更新日:2017/09/15

◇大相撲秋場所5日目 ○阿武咲―日馬富士●(2017年9月14日 両国国技館)

混戦場所で21歳の若武者が主役に躍り出た。幕内3場所目の東前頭3枚目・阿武咲(おうのしょう、阿武松部屋)が日馬富士(33=伊勢ケ浜部屋)をはたき込みで破り、横綱初挑戦で初金星を奪取。初日から5連勝として単独トップに立った。横綱初挑戦での金星は戦後48人目。師匠の阿武松親方(元関脇・益荒雄)も現役時代に達成しており、師弟での偉業となった。日馬富士は03年名古屋場所の武蔵丸以来となる3日連続金星配給となった。

横綱が土俵上で1回転するのを確認すると、阿武咲は少し跳び上がりながら思わず両拳を握りしめた。横綱初挑戦での初金星。館内に乱れ飛ぶ座布団を見て「勝ったんだなという気持ちになった」。26本の懸賞を受け取る際には大きくうなずいた。「うれしかったですね」。インタビュールームでは目が潤んでいるように映った。

取組後の興奮とは正反対に、初の結びでも「緊張はなかった」。むしろ「その空気を楽しめた。行司さんが“これにて打ち止め”というのを聞いて、ここで相撲を取っているんだ」と余裕すらあった。右差しの横綱に押し込まれても慌てない。余裕を持って左に回っていなすと、横綱の体が泳ぐ。つんのめった相手をはたき込みで転がした。

18歳だった15年初場所で新十両となったが、「10代のうちに幕内に上がりたい」「落ちたらどうしよう」ということばかりを考えるようになり、伸び悩んだ末に昨年夏場所は幕下に陥落した。そんな中、出稽古に訪れた当時は大関だった稀勢の里に「下半身で相撲を取れ」と助言を受けた。「体の使い方」を教わり、真摯(しんし)な土俵態度も見習うようにした。「波打たない心の人が一番強い」。平常心でいることに努めると、安定感のある下半身と柔軟な上半身を生かした相撲が取れるようになった。「十両の2年間があったから今がある」。心身共に成長して横綱撃破までたどり着いた。

名古屋場所では、15日制となった1958年以降では7人目の新入幕から2場所連続2桁勝利を挙げた。3場所連続10勝以上なら史上初となるが、単独トップの5連勝でその可能性も高まってきた。6日目は1敗の大関・豪栄道との対戦。ここを突破すれば上位陣とは2差となるだけに、賜杯まで見えてくる。

「単独トップ?それは結果。意識することはない。自分の相撲を取っていくだけ」。21歳の若武者には一切の迷いはない。

▼八角理事長(元横綱・北勝海) 阿武咲は“勝つぞ”という気持ちで勝ちにいっている。立派なものだ。この力士には勢いがあるが、気負いというものがない。

【阿武咲 奎也(おうのしょう・ふみや)】

☆本名 打越(うてつ)奎也(ふみや)

☆生まれ 1996年(平8)7月4日、青森県北津軽郡中泊町。21歳。

☆アマ成績 5歳の時に中泊道場で相撲を始める。中里中では都道府県中学生大会で個人の部連覇。3年の全中は佐藤(現貴景勝)に敗れて準優勝。三本木農高1年で高校総体団体優勝。

☆プロ転向 高校を1年で中退し、阿武松部屋入門。13年初場所初土俵。しこ名は「阿武松部屋で花を咲かせ」という意味で、中泊道場の小山内誠氏が命名。

☆戦績 十両まで各段優勝はなし。新入幕の今年夏場所で敢闘賞。名古屋場所は勝てば連続敢闘賞だった千秋楽で敗れた。

☆サイズ 日本相撲協会の発表では身長1メートル76、体重165キロ。現在は最も動きやすい155キロまで落としている。

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