【小宮良之の日本サッカー兵法書】早熟型よりも晩成型が多い日本人選手。世界的な「ブレイク候補」の筆頭格は堂安と冨安だ

【小宮良之の日本サッカー兵法書】早熟型よりも晩成型が多い日本人選手。世界的な「ブレイク候補」の筆頭格は堂安と冨安だ

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  • 更新日:2019/04/20
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この長谷部のように、役割を変えながら30代に突入してなお進化を遂げる選手も。 (C)Getty Images

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オランダで2年目を迎えた堂安(左)とベルギーで研鑽を積む冨安(右)。日本代表でも小さくない存在感を放つ。 (C)Getty Images

先日、『サッカーダイジェスト』誌が特集した「ブレイク候補ランキング」のアンケートに答えた。

「1997年以降生まれの日本人選手限定」

それだけが選考の条件だった。なので、筆頭には堂安律(フローニンヘン)の名前を挙げた。2番手には冨安健洋(シント=トロイデン)。どちらもロシア・ワールドカップ後は、日本代表の主力としてプレーし、今年1月のアジアカップにも出場している。二人ともオランダ、ベルギーと、欧州リーグでも経験を積みつつある。

それだけに、「ブレイク」という定義に当てはまるかどうかは微妙なところだ。しかし、世界と戦う、という観点で言えば、まさに彼らはブレイク候補と言える。世界的に見れば、二人は完全にブレイクしとは言えないのだ。

98年生まれのフランス代表FWキリアン・エムバペ(パリ・サンジェルマン)は、まさにライジングスターと言えるだろう。ロシアW杯優勝メンバーのひとりで、次代のバロンドール最有力候補と見られている。

同じくフランス代表FWのウスマンヌ・デンベレ(バルサ)、ブラジル代表FWのガブリエウ・ジェズス(マンチェスター・シティ)、オランダ代表MFのフレンキー・デヨング(アヤックス)も、トップレベルで能力の高さを示している若手だ。

さらにその下の世代の台頭も目覚ましい。

故障で辞退したとはいえ、3月にブラジル代表に招集されたFWヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリー)を筆頭に、イングランド代表MFのジェイドン・サンチョ(ドルトムント)、ともにイタリア代表のMFサンドロ・トナーリ(ブレッシャ)とFWモイゼ・キーン(ユベントス)、オランダ代表のDFマタイス・デリフト(アヤックス)とFWユスティン・クライファート(ローマ)は、いずれも10代の選手である。

他にも、19歳のMFジョアン・フェリックス(ベンフィカ)は、次代のポルトガルを背負う逸材と言われる。ヨーロッパリーグ準々決勝の第1レグではハットトリックを記録。PKキッカーも任されるなど、もはや風格すら漂う。

世界を見渡せば、タレントは次々に溢れ出てきているのだ。
日本も、追いつけ追い越せで若手の能力を伸ばす必要はあるのだろう。堂安、冨安という二人の活躍が、後に続く選手の希望となるのは間違いない。10代の選手が次々にJ1でデビューを飾るなど、ここ数年なかった勢いが生まれつつある。

「若手のブレイク」

その兆しが感じられるのは、何よりの朗報だ。

もっとも、日本人選手は若手だけではなく、元気なベテランも多いのも特徴と言える。

例えば、Jリーグでは、30代になって初めて得点王になる日本人選手が少なくない。中山雅史、佐藤寿人、大久保嘉人、小林悠などだ。30代でキャリアハイのゴールを挙げたというFWも、意外なほどに多くいる。

遠藤保仁、中村憲剛、家長昭博などは年齢を重ねるたびに、成熟してきた。また、長谷部誠のように年を取れば取るほど、様々なポジションをこなしながら、成長、進化を遂げる選手もいる。

日本人選手は、早熟型よりも晩成型が多いのではないか――。それは節制に気を配り、経験を論理的にプレーに落とし込む習性があるからだろう。技術、体力、戦術、そして精神のベクトルが噛み合う。それに少々時間がかかる。

年齢のボーダーを超え、切磋琢磨するべきだろう。

文:小宮 良之

【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。

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