
ネコアニメで、キュルルンお目目とモフモフ毛並みを味わう! [c] 2022 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
「シュレック」シリーズに登場した、マントと長ぐつがトレードマークのネコの“プス”を主人公にした「長ぐつをはいたネコ」シリーズ11年ぶりの最新作となる『長ぐつをはいたネコと9つの命』が公開中だ。これを記念して、これまで様々なタイプのアニメーションで描かれてきた“ネコ映画”のなかから傑作4選を紹介していこう。
【写真を見る】『猫の恩返し』から『長ぐつをはいたネコ』まで!“ネコ映画”でアニメーション表現の変化をたどる
スタジオジブリが描く魅力的な“ネコの世界”『猫の恩返し』
まずは『となりのトトロ』(88)のネコバスや『魔女の宅急便』(89)のジジなど、“ネコ映画”の名作も多いスタジオジブリの『猫の恩返し』(02)。「耳をすませば」の柊あおいが宮崎駿からのリクエストで手掛けた「バロン 猫の男爵」を原作にした本作は、バロンやムタなど「耳をすませば」に登場したキャラクターが再登場するユーモラスなファンタジーだ。
女子高生のハルは車に轢かれそうになっていたネコの国の王子ルーンを助けたことから、“恩返し”としてネコの国へと招待される。気楽なネコの世界にすっかり魅了されたハルは、ルーンの妃候補としてネコの姿に変えられてしまう…。そして人間の世界に戻れないと慌てたハルは、バロンの助けを借りて奮闘。スタジオジブリ作品らしい丁寧な背景と魅力的なキャラクターで描かれるネコの世界は、どこか懐かしい気持ちを味わえることだろう。
フルCGで描かれる、ユニークなペットたちの大騒動『ペット2』
続いては「ミニオンズ」シリーズなど個性的なキャラクターたちを数多く輩出してきたイルミネーション・エンターテインメントが贈る、人気シリーズの第2弾『ペット2』(19)。こちらはフル3DCGアニメーションで、愛すべきペットたちの活き活きとした動きや表情がとらえられている。
飼い主のケイティと楽しく穏やかな日々を過ごす犬のマックスとデュークをはじめ、様々な種類のペットたちが大騒動を繰り広げる本作には、もちろんネコのキャラクターも登場。食べることが大好きで、まんまると太ったクロエは、ペットたちの良き相談相手であり、仲間をまとめる姉御的な存在。“ネコあるある”も満載でとっても愛らしい。
ちなみに同作でプロデューサーを務めたイルミネーションの創設者クリス・メレダンドリは、『長ぐつをはいたネコと9つの命』のエグゼクティブ・プロデューサーを務めている。
実写とアニメのハイブリッドで、“世界的ネコ”が現実世界に!『トムとジェリー』
次に紹介するのは、1940年に誕生したアメリカの人気カートゥーン「トムとジェリー」を実写とアニメのハイブリッドで映画化した『トムとジェリー』(21)。ネコのトムとネズミのジェリーはじめとした動物たちはアニメーションで、それ以外の大部分は実写で描かれている。
クロエ・グレース・モレッツ演じる新人ホテルスタッフのケイラが働く高級ホテルに引っ越してきたジェリーと、相変わらずジェリーを追いかけ回すトム。そんなトムとジェリーのせいで、世界が注目するセレブカップルのウエディングパーティが台無しに…。現実のニューヨークでトムとジェリーがドタバタを繰り広げるというこれまで見たことのないシチュエーションが味わえる一本だ。
帰ってきたレジェンドネコが大冒険!『長ぐつをはいたネコと9つの命』
最後に紹介するのは、ユニバーサル・スタジオ×ドリームワークスが贈る『長ぐつをはいたネコと9つの命』だ。本作では、レジェンド剣士としての看板を下ろして“家ネコ”となったプスの新たな活躍が描かれていく。
長ぐつをはいたお尋ね者の賞金首ネコのプス。剣を片手に数々の冒険をし、恋もしたプスだったが、気が付いたら9つあった命はラスト1つに。急に怖くなって家ネコになる決意をしたものの、敵の急襲によって平和な生活が壊されてしまう。そんなとき、どんな願い事も叶う“願い星”の存在を聞き、再奮起。命のストックを増やすため、プスは前途多難で危険な大冒険へと出発することに。
本作の注目ポイントは、なんといっても絵本のようなタッチで表現される独特のデザイン。CGアニメブームを牽引した「シュレック」シリーズとは異なるアプローチでファンタジックな世界観を創りだし、キャラクターたちの表情やアクション、さらにはモフモフした毛並みまで魅力的に表現している。
アメリカでは公開されるや批評家からも絶賛を獲得。前作を上回る興行収入を記録し、全世界興収4億6000万ドルを突破しただけでなく、第80回ゴールデン・グローブ賞や第50回アニー賞、そして第95回アカデミー賞長編アニメーション賞にもノミネートされるなど、興行、批評の両面で成功を収めた。
声の出演には前作に引き続きアントニオ・バンデラスとサルマ・ハエックに加え、新たにオリヴィア・コールマンやフローレンス・ピューも参戦。また日本語吹替え版ではプスの声を山本耕史が担当し、キティ役に土屋アンナ、ゴルディ役に中川翔子、ワンコ役に小関裕太、ベイビー・ベア役に木村昴、ウルフ役に津田健次郎と豪華なキャストが集結。
映画の公開に先駆けて一挙に解禁された場面写真には、とある事情でヒゲを長く蓄えて家ネコと化したプスの貴重な姿も収められている。はたして本作ではプスにどんな大冒険が待ち受けているのか。キレッキレでモフモフなプスと仲間たちの活躍を、是非とも劇場の大きなスクリーンでお楽しみあれ。
文/久保田 和馬