【北京=吉永亜希子】米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは19日、複数の中国政府高官の話として、秦剛(チンガン)前外相の解任理由が、駐米大使時代の不倫であると報じた。同紙は秦氏と女性との間に米国生まれの子どもがいることを共産党政権が問題視しているとの見方も伝えている。中国の国家安全を脅かす行為がなかったかについて秦氏の調査が続いているという。

秦剛氏=AP
習近平(シージンピン)政権は、高官が国外に多額の資産を持つことや外国との関係に警戒を強めている。同紙は消息筋の話として「米国生まれの子どもの存在が中国の利益を代表する能力を損なう恐れがある」として、失脚につながった可能性を指摘した。
秦氏は1か月間動静が途絶えた後、7月25日に全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会が外相解任を発表した。台湾メディアは、秦氏は2021年から駐米大使を務めていた頃、インタビューを受けた香港のテレビ局の著名キャスターとの間に子どもがいると報じていた。