「デジタルマーケティングを始めたいのですが、具体的にどんな施策から始めるのが良いですか?」
「極力コストをかけずに集客したいのですが、良い方法を教えてください!」
マーケティングを始めて間もないBtoB企業の方から、上記のようなご相談をいただくことが増えてきました。
そんな時、まず私の頭に思い浮かぶ施策は、大抵、「メルマガ」です。
もちろん、企業によって様々な事情がありますので、100%一概に有効な施策だとは考えていません。
しかし、それでも尚、真っ先に頭に思い浮かぶのは、「メルマガ」です。
今回は、BtoBマーケティングにおいて、「メルマガ」が最強のソリューションであると考える理由について、書いていきます。
その施策は売上につながるのか?問題
まず、特にこれから社内でマーケティングを始めようとする時、必ずと言って良いほどぶつかる壁があります。
それは、「その施策は、売上につながるの?」「コストは回収できるの?」と、あらゆる関係者から疑いをかけられることです(笑)。
そして、マーケティング担当者は、何とかして関係者を説得すべく、必死に費用対効果をシミュレーションしようとします。
しかし、シミュレーションにどんなに時間や情熱をかけようが、関係者の「なんとなく」で却下されてしまう事も、しばしばあると思います。
そこで、おススメなのが、メルマガ施策です。
メルマガは低リスク高リターン
メルマガは、過去に接点をもった見込み顧客に対して、定期的にメールを配信し、商談や成約につなげる施策のことです。
今までマーケティングを行ってこなかった企業でも、過去に接点をもった方の名刺があれば、リストを作成することができます。
そして、そのリストと、メールの配信システム(月数万程度)さえあれば、簡単に施策を実行することができます。
さらに、メルマガは、実行すれば、ほぼ確実にプラスの成果が出ます。それは、今まで情報が届いていなかった見込み顧客に情報が届くので、当然と言えば当然です。
一方で、マーケティングの仕事と言えば、「バナー改善」や「LP改善」を想像される方もいらっしゃるのではないでしょうか?
もちろん、これらの打ち手で数値が改善し、売上が伸びることはあります。しかし、逆も然りです。「バナー改善をしたつもりが、かえって数値が悪化してしまった」というパターンも十分に起こりえるのです。
その点、メルマガは、「実行して売上が下がる」なんてことはまず無いです。
よって、高い費用対効果を示したいマーケターにとって、メルマガは「最初に取るべき手段」と言えます。
配信頻度と配信停止率は、実は関係無い
「マーケティング施策の一歩目として、メルマガが良いのは分かった。でも、メルマガは多くても、週1回ぐらいしか送れないんじゃない?」
このような事を思った方はいらっしゃいませんでしょうか?大丈夫です。ご安心ください。
実は、「メルマガの配信頻度を上げると、配信停止率が高くなる」というのは勘違いです。
言い換えると、メールを送りすぎたら迷惑に思われるのではないか?と考えることは、多くの場合、無駄であるということです。
これは、実際、株式会社WACULさんの調査で明らかになっています。調査結果によると、配信頻度が高いからといって配信停止率が上がることはなく、むしろ低くなるということです。
※参考:「メール送りすぎ?」 という遠慮は不要。メールマーケティングの実態調査」(https://wacul.co.jp/lab/mail-marketing_best-practice_report_2/)
ただし、質の悪いコンテンツを高頻度で送ったり、見込み顧客が全く求めていない情報を送ってしまっては、当然、配信停止率は上がります。
見込み顧客が必要としている情報を提供するという前提で、一定の配信量を担保することが大事になります(個人的には、週3~5回ぐらいが良いと思っています)。
文面は丁寧に作り込む必要無し
とはいえ、ここで新たな問題が発生します。それは「毎週何本もメルマガを作成する時間は無いよ!」というリソース不足の問題です。
特に、これからマーケティングを始めようとしている場合、1人もしくは数人体制でやることが多いと思います。
すると、メルマガに限らず、あらゆる施策を行う上で、この「リソース不足」問題にぶつかるでしょう。
しかし、この点も安心してください。
実は、メルマガでは、長い文面を丁寧に書くことは不要で、むしろ、時間の無駄です。
それはなぜか?答えは、ほとんどの見込み顧客は1つのメルマガを1分も読まないからです。
実際、ユミルリンクさんとライトアップさんの調査によると、約7割の人は、メルマガ1通当たりの閲覧にかける平均時間が、1分以内ということです。
※参考:メルマガ購読は1分以内が7割弱 ライトアップとの共同調査でわかったメルマガユーザーのリアルな動向(https://www.ymir.co.jp/info/2022-writeup.html)
メルマガで重要なのは3要素のみ
では、文面ではなく、何を意識して作成すればよいのでしょうか?それは、以下の3つの要素です。
送信者
件名
ファーストビューのリンク
送信者
まずは、送信者です。送信者は「株式会社○○」「○○事務局」などではなく、「新村恭平」など個人名にする方が開封率が上がります。「新村(株式会社識学)」などでもOKです。
なぜこれで開封率が上がるのか?それは、会社名で送られてくるメールよりも、個人名で送られてくるメールの方が、重要度が高い(返信が必要かもしれない)と判断される傾向にあるためです。
件名
件名は、「事務的」な件名にすると開封率が上がる傾向にあります。
例えば、「無料プレゼント!今だけ!先着100名様」のような宣伝色の強い件名よりも、「○○セミナーへのご招待」のような簡素で事務的な件名の方が、実は開封率が高くなることが多いです。
明らかに宣伝目的と分かると、開封する必要性を感じなくなる人が多いのでしょう。
ファーストビューのリンク
ファーストビューとは、メルマガを開封した時にスクロールせずに見れる範囲のことです。リンクとは、「ボタン」もしくは「テキストリンク」のことです。
ここで大事なのは、ファーストビューで、ボタンもしくはテキストリンクを目立たせる(クリックさせる)ことです。
先ほど、約7割の人は、1分もメルマガを読まないとお伝えしました。
これは、何が起きているのかというと、多くの人は、①まず送信者と件名を見て開封するか判断し、その後、②自分が期待する内容に飛べそうなボタンやテキストリンクを見つけ、③目的のページに遷移するというパターンをたどるということです。
よって、開封した時点で、期待する内容に飛べそうなボタンやテキストリンク(「詳細はこちら」「詳しい資料を見る」など)が無いと、そのまま離脱してしまう可能性が高まります。
見込み顧客に伝えたい内容は、メルマガの文面で説明するのではなく、遷移先のLPで説明すれば良いのです。
メルマガを起点に次のマーケティング施策へ
ここまで、「メルマガは手軽に成果が出せる施策なんですよ」ということを書かせていただきました。
最後に、メルマガを成功させた次に見える未来について、簡単にお伝えできればと思います。
特に、マーケティングを始めたばかりの企業において、経営陣に対して自分たちの施策の費用対効果を示し、予算を獲得するのは、非常に骨の折れる仕事だと思います。
一方で、最初にメルマガによって「小さな成功」を作り、マーケティング施策が売上につながったという事実が示せれば、経営陣は目の色を変えるはずです。
そして、その後、あらゆる施策において、マーケティング予算を獲得しやすくなるでしょう。経営陣だけでなく、営業部門やその他の間接部門からも注目を集め、協力体制が築きやすくなるかもしれません。
メルマガは、数多くあるマーケティング施策のうちの1つでしかないことは事実ですが、それを成功させることは、企業の未来にとって大きな価値を生み出す可能性があると信じています。
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株式会社識学|マーケティング兼PR課長|BtoBマーケのあれこれを発信していきます。ご質問などTwitterのDMで頂ければと思います!
新村恭平|識学のマーケMGR