感謝を強要...車いす女性がアプリで出会った“サイテーなDV男”の正体

感謝を強要...車いす女性がアプリで出会った“サイテーなDV男”の正体

  • 女子SPA!
  • 更新日:2020/10/16

「障害者女性の交際相手がDVをするケースは多い」と、視覚障害者によるテープ起こし事業・ブラインドライターズ代表の和久井香菜子さんは話します。今回紹介するのは、事故により脊髄損傷を負い、車いすユーザーとなった女性Aさん(20代・事務員)の体験です(以下、和久井さんの寄稿)。

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※画像はイメージです(以下、同じ)

◆「タイプじゃないけど…」バツイチ男性と交際スタート

Aさんは腕を動かすことはできるけれど、指は動かすことができず、細かい作業が難しい状態。そうした障害の重さからあえて恋人を作らなかったのですが、やはり一人は寂しくなり、勇気を出して恋活アプリに登録したそうです。

恋人の条件は、「障害は別として、人として対等に付き合える優しい人」。容姿も本当は気にしたいところだけど、障害をもつ自分がそんな高望みをしてはいけないと思ったといいます。やがて、Aさんの思いに共感してくれた戸建て住宅に住むバツイチの男性(40代・福祉施設勤務)と付き合うことになりました。

「彼は私の身体のことはもちろん、将来を見据えて、家をどう改修したら一緒に住めるかも真剣に考えてくれました。服装も顔も好みではなかったけれど、『私のような重度障害者が、えり好みをしては出会える可能性が低い』と交際を始めたんです」

ところがそれが、恐ろしい結果を招くことに……。

◆だんだん気付き始める彼とのズレ

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数か月は順調だったものの、お互いを知るにつれ、共通の趣味もまったくなく、Aさんは彼のこだわりにもついていけなかったそう。彼の友人への振る舞いも偉そうで、だんだんと「優しい」という印象が変わってきたのです。そんななか気になりだしたのが「自分のやれることまで奪うこと」でした。

「例えばペットボトルのフタを開けるとか、時間をかければ一人でできることもあります。でも『遅いから』と何でも先回りされちゃうんです」

Aさんも最初はありがたいと思っていたけれど、行き過ぎたサポートにだんだん『何もできない』と言われている気がするようになったといいます。

「障害を持つ私を『世話してやってる俺は偉い』という気持ちが見えるというか……。私がそう受け取っているだけかもしれないけど、苦しくなっていったんです。感謝なんてできなくて、お礼の言葉も言えませんでした」

◆遂にブチギレた彼。「優しさ」はどこへ?

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そんなある日、彼の不満が爆発。「Aはいつも俺に『ありがとう』の一言もない!」「こんなにしてやってるのに感謝がない!」と怒りだしたそうです。それでも謝らないAさんに更に腹を立てた彼は、「俺がいなきゃ生きていけないくせに!!」と怒鳴り、とんでもない暴挙に出ました。

「簡単には開けられない包みを目の前に投げつけて『開けてみろ』と言ったり、膝に置いていた私のスマホやバッグを床へ投げつけて『拾ってみろ』と命令したり。指が動かないため、主に電子マネーを使う私に『小銭を使って俺に自販機で飲み物を買ってみろ』って無理難題を言ってくるんです。そうやって『できないだろ? 俺がいないとお前は何もできないくせに』と、精神的に追い詰めようとしてきました」

ほかにも、怪我をしない程度の暴力や、帰宅しないと怪しまれる時間まで軟禁したりと、DVはエスカレート。

「数時間で解放されてホッとしましたが、最後にツバをかけられました」

奥さんを殴る前にカーテンを閉める人の話を聞いたことがあります。DVを働く人って、知恵だけは回ることが多いんですよね。その後の彼の行動も、DV男の典型です。

◆実は妻帯者で、DV常習犯だった

「それから毎日、電話やメールで罵ってきたかと思うと、今度はしおらしく謝ってきたりを繰り返しました。休日には私の家の近くの画像が添付されていたり。急に縁を切ると危ないので、会わずにメールだけ続けました。その中でわかったのは、なんと彼はバツイチではなく、妻帯者だったこと。『妻は男を作って出ていった』と言っていましたが、実はシェルターに逃げていたらしいんです」

つまり、彼はDVの常習犯だったんです。でもかたくなに会わずにやり過ごし、数か月かけて無事に彼と縁を切れたとか。当時を振り返って、Aさんは言います。

「『自分は障害者だから』と妥協して相手を選ぶと、自分自身も楽しくないし、いい関係になれない。お互いのために良くないと気づけました」

障害に限らず「私なんか」と卑下して、そこに付け込む相手に寄ってこられると、不幸しか待っていませんね。

とんだDV男を引き当ててしまったAさんですが、数年前に優しい彼と恋活アプリで出会い、幸せに過ごしているそうです。

<取材・文/和久井香菜子&ブラインドライターズ執筆部>

【和久井香菜子】

ライター・編集、少女マンガ研究家。『少女マンガで読み解く 乙女心のツボ』(カンゼン)が好評発売中。英語テキストやテニス雑誌、ビジネス本まで幅広いジャンルで書き散らす。視覚障害者によるテープ起こし事業「合同会社ブラインドライターズ」代表

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