
TSSテレビ新広島
G7広島サミットに訪れた首脳やそのパートナーに贈られたお土産にも注目が集まっています。製作者の想いを取材しています。
今から2週間前、G7広島サミットを前にある御祈祷が行われていました。
並んでいるのは、首脳夫人たちに贈られる品物です。
それぞれの作り手は、この機会を感慨深く迎えていました。
サミット開催中首脳と共に広島を訪れた首脳のパートナーたち。
総理夫人・裕子さんを中心に様々な形で交流し日本や広島の伝統を知ってもらうプログラムが組まれました。その思いは、お土産の品にも。
裕子夫人から首脳のパートナーへ記念の贈り物として渡されたひとつがこちらの漆器。
製作したのは、仏壇の製造・販売をする「高山清」。100年以上の歴史を誇ります。
4代目が京都での修行後、5年前から製作を始め、去年「広島漆芸」に認定されました。
新たな挑戦が陽の目を浴びた瞬間です。
【高山清4代目・高山尚也さん】
「すごくうれしい思いで一生懸命作ったんですけど、まさかそういう機会が来て自分が製作できるというのはすごい光栄に思います」
さらに、広島市から各国首脳への贈答品にも選ばれました。
平和の象徴「鳩」と瀬戸内の海を表現した酒器です。
【高山清4代目・高山尚也さん】
「日本の漆塗りという伝統工芸をより知ってもらえたら、なおかつ漆塗りというきれいな器をもっと世界の人に知ってもらいたい。伝統工芸に身近な人が触れてもらえたら」
一方、パートナーズプログラムの機会に、贈られたのは、伝統とモダンを融合したデザイン書道。
今月はじめ実際のプレゼントを製作する現場を取材しました。
金箔を使った作品「月の御船」。
原爆投下後の広島で復興を目指し作られた金箔に平和への思いを込めています。
【壽ぎの書・濱崎寿賀子さん】
「世界中が平和にならないかなという一市民の願いがこんなに早く、ファーストレディーの皆さんにお届けすることで叶うなんて夢のようなお話。少しでもこういった平和に対する祈りの気持ちを受け取ってくださったら私はそれが一番ありがたい」
首脳やそのパートナーに贈られた品物に込められたその道のプロたちの様々な想い。
G7サミットは海を越えた各国で、日本や広島の伝統を知ってもらう役割も、また果たしたようです。